「儲かる仕組み」「売上倍増のマーケティング」の道も一歩から 【鈴木健彦】
「儲かる仕組み」「売上倍増のマーケティング」の道も一歩から 【鈴木健彦】
鈴木 健彦
こんにちは。鈴木健彦です。
よく「儲かる仕組み」とか「売上倍増のマーケティング」といったテーマの書籍やセミナーを見かけます。
しかし、「もしドラ」(注)ブームを契機とした経営学ブームで、簡単に儲かるような仕組みを短絡的に求めるのではなく、その背景にある理論からしっかり学ぼうという風潮が出てきたのは喜ばしい限りです。
実際、経営学をしっかり学べば、さまざまな書籍やセミナーで見かける売上アップの手法は、自分で考え、思いつくことができるようになるからです。
私がMBA課程で感じたのは、まさにこの面白さでした。
しかし、本当に難しいのはここからだと思います。
「儲かる仕組み」も、実行するのは人間です。自分です。仲間です。同僚や上司です。
スキルのばらつきがあって、仕事のえり好みがあって、気分の浮き沈みがあって、サボりたいときもあって、人間の好き嫌いがあって、ついつい飲みすぎちゃったりして・・・。
多くの経営学の書籍では、戦略を実行計画に落とし込むための具体的なツールは、あまり用意されていません。
一応、企業風土や戦略、社員のスキル等を総合的に判断するフレームワーク(「7S」など)もありますが、それでも現場のドロドロした人間関係や大事な時にビビってしまう営業マンの感情まで制御できるものではないのです。
そこで重要なのは、決めたことを一歩一歩実現していく姿勢だと思います。
『コツコツと、まじめに、細かいことを一つひとつこなしていき、また部下にやり遂げさせる。
そんな企業が、最終的には強い力を持つようになる。』
時間はかかりますが、中小企業はそうやって成長するものだと思います。
大企業、特に韓国の大企業などは、莫大な資金をテコにヒト・モノ・技術を集め、ものすごい勢いで成長しますし、経営学もそういった手法に関する研究が多いです。
ですから、経営学をそのまま中小企業経営に持ち込むのは、けっこう危険なことなのです。
私も含め、中小企業の方が経営学を学ぶ際には、「実行」という視点を忘れないようにしたいと思っています。
(注:『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』ダイヤモンド社刊)