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平成30年版労働経済白書より ・・・ 吉田健司

2018/10/22
吉田 健司

 平成30年版労働経済白書が厚生労働省より先月公表された。「労働経済白書」は、雇用、賃金、労働時間、勤労者家計などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書である。平成30年版では「働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について」を分析テーマとして、働き方の多様化に対応した能力開発や雇用管理の在り方についてさまざまな視点から多面的に分析を行ったと説明されている。
「働き方改革」というキーワードを意識していると多くの方から聞くようになった。「労働経済白書」においても、多様な人材が個々の事情に応じた柔軟な働き方を選択できるように「働き方改革」を推進し、一人ひとりの労働生産性を高めていくことが必要不可欠であるとされている。
 
  白書の分析から人材育成の強化に向けての企業側の課題認識と、社員が望む支援を確認する。
1.企業のいわゆる正社員をめぐる人材育成における課題
「従業員の業務が多忙で、人材育成に充てる時間を確保できない」、「上長等の育成能力や指導意識が不足している」、「人材育成を受ける従業員側の意欲が低い」、「従業員が能力開発に取り組むため不在にしても、その間、他の人が業務を代替できる体制が構築できていない」、「社内で人材育成を積極的に行う雰囲気がない」
2.正社員が重要と考える企業側の支援
「人事考課(賃金、昇進等を含む。)において従業員の能力開発への取組状況をより評価」、「上長等の育成能力や指導意識の向上」、「経営トップからの呼び掛け等により、従業員の能力開発への意欲を向上させる」、「担当が能力開発に取り組むため不在にしても、その間、他の人が仕事を代替できる体制づくり」、「就業時間への配慮」
 
 今後の取り組みとしては、「上長等の育成能力や指導意識の向上」を挙げる企業が一番多いが、全国のポリテクセンターに設置されている生産性向上人材育成支援センター(生産性センター)が実施する生産性向上支援訓練の活用も有用だと思う。

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