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人はほめて育てるか叱って育てるか~長屋 勝彦~

2018/02/28
長屋 勝彦

 「今の若いものは甘やかされて育てられている。ちょっと厳しいことを言うとすぐしゅんとなり落ち込んでしまう。その結果、自信を失くし会社を辞めてしまう、辞められると人手不足の現在、替りはなかなか集まらない。だから、ちやほやするのではないが褒めて育てなければならない」という話を聞く。

 しかし、仕事をしていて早々うまくいくとは限らない。時には失敗をすることがある。失敗に学ぶという言葉があるがなぜ失敗したか、失敗によりどのような悪影響を周囲に与えているかを教える必要がある。そのような場合は叱る必要がある。

 叱る事は怒る事とは異なる。怒ることは怒る人の感情を怒られる人に伝えることであり、怒られる人を否定することであるが、叱ることは相手の立場に立ち失敗の原因、次に失敗しないための行動を教えること、説明することである。

 問題は、失敗をしでかした人が叱られている場合でも怒られていると勘違いすることである。研修では部下を成長させるほめ方、叱り方というテーマで演習することがある。

 要は、親が子供を教育する場合のように指導者が部下の立場に立ち部下を受容し指導する、即ち気付きを与えることが必要である。

 気付くことは考えることにより生まれるものであり、仕事について基本的なことを教えた後は一々口を出さないで部下に任せることにより部下が考え気付く場を与えることにより部下の成長を促すことが必要である。

 蛇足ではあるが部下の成長を促す褒め方とはうまくいったことを具体的に心からその場でほめることであり、叱り方とはうまくいかなかった事実に基づきその原因と対策について部下の納得のいく説明をすることである。
以上