中小企業の抜本的働き方改革~長屋 勝彦~
中小企業の抜本的働き方改革~長屋 勝彦~
2017/09/27
長屋 勝彦
長屋 勝彦
働き方改革は、現在の阿部政権のもと、働き方の抜本的な改革を行い、企業文化や社会風土も含めて変えようとするものとして多様な働き方を可能とする経済政策として推進されている。
具体的には、長時間労働の抑制、副業解禁、勤務体系の多様化、同一賃金・同一労働等の労働政策である。
これ等の政策を推進するためには企業の生産現場の環境の整備、生産の自動化・機械化、I o T、AI等の導入による企業の生産性の向上が不可欠である。
しかしながら、中小企業は生産の自動化・機械化、I o T、AI等に関する技術が乏しく、かといってそのような知識を持った人材を雇用する資金も乏しく、働き方改革の実現は容易ではない。
例えば、激しい競争下で受注の多頻度小ロット化短納期に対応した多品種少量生産を行う中小企業の場合、余剰人員を抱えておく余裕がなく、顧客の受注に応えるには現在の人員の残業により対応している。
このような場合、働き方改革でいう労働政策、職場の環境改善は出来ても生産の自動化・機械化、I o T、AI等の導入による企業の生産性の向上策は、技術面、資金面から実行できない。
更に、この分野は中小企業の事業領域であり、この分野に関する研究を行う大学等の研究機関も皆無に近く、現状ではI o T、AI等の導入による抜本的働き方改革の実現は困難である。
現在では、仕事に関する高い技術力、高いITリテラシーと強い改革意欲を持ち、仕事に執着をもった技術者の育成が急務であると痛感するこの頃である。
以上
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経営情報