百聞は一見にしかず 吉田健司
百聞は一見にしかず 吉田健司
吉田 健司
連日熱戦が報じられているリオ・オリンピックに思うことがある。それはスポーツを通して多くのことを学んできたということである。社会人となり、仕事での自己創造に取り組む原動力となったのは、スポーツ(私の場合はテニス)での経験であった。スポーツで一流になるために取り組んできた経験は、仕事人として一流になる道を示してくれたと、私は思っている。
ただ、自分自身が経験できることはそれほど多くないので、他人の経験から学ぶことも大切である。私にとって他人の経験を学ぶ中心は読書であるが、テレビのニュース番組やスポーツ番組なども有用である。
たとえば組織を考えてみよう。組織が成立するために必要な3つの条件として、共通目的(組織目的) 、協働意思(貢献意欲) 、コミュニケーションが挙げられる。組織の3要素といわれる。自分自身の経験として多様な組織を短期間で経験することは難しいが、組織の3要素を意識してテレビ番組をみることはできる。
オリンピックの場合、共通目的、協働意思は高いレベルで存在しているので、視点をコミュニケーションに絞る。監督、コーチの存在、キャプテンなどのリーダーの存在、団体競技のチームワーク、ダブルス・デュエット・ペアなどの二人のチームワーク、個人のパフォーマンスなどをテーマに、様々なコミュニケーションのありようを観察する。そして観察したことについて思考をめぐらす。学んだことの確認ができ、新たな気づきが得られると思う。
「百聞は一見にしかず」とことわざにあるように、繰り返し他人の話を聞くよりも,実際に自分の目でたしかめてみたほうがよくわかる。他人の話を聞くことは大切である、あわせて自分の目でたしかめる姿勢も大切であると思う。