凡事徹底 【岩本 亨】
凡事徹底 【岩本 亨】
岩本 亨
今日4月2日は、新しい年度が始まり、多くの人にとって最初の出勤日である。東京は良い天気に恵まれ、桜も三分咲き。日経新聞の一面は「景気復調、内需が支え」というTOP記事。震災の影響もあり、漂っていた沈滞ムードが、薄れていくことを祈りたい。
私自身、研修の講師をしていても、コンサル案件で社長と話をしていても、痛感することは「当たり前のことが当たり前にできる」人が、なぜこんなに少ないのか?ということ。逆に言えば、当たり前のこと(凡事)を当たり前にでき(徹底)さえすれば、できるビジネスマンやできる経営者になれる可能性が高いということか?
では、ビジネスマンにとっての「凡事徹底」とは何か? まずは身だしなみをきちんと清潔にすること、あいさつをすること、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の徹底、約束を守ること・・・。いくら仕事ができても、これらのことができなければ、スタートラインに立つことができない。
身だしなみは、スーツやシャツ・ブラウス、ネクタイや靴下・ストッキング等、服装のことだと思っている人が多い。確かにそれも大切だが、私は「靴」に気を付けている。靴がきれいであれば、その人は信用できると思う。違う意味で使われるが「足元を見る」という言葉もある。靴にまで気配りできる人は、服装全体もきちんとしている。きっと仕事も着実で、成果を上げてくれると期待できる。いささか言い過ぎかもしれないが、少なくとも私自身はそう思っている。
昨日、自分の靴6足を磨いた。たまに家人に頼むこともあるが、自分の靴は自分で磨くのが基本だと考えている。靴に付いているホコリやゴミを落とし、靴クリームをまんべんなく塗り、磨き上げる。プロセスを楽しみながら集中して磨いていると、意識するともなく、仕事について振り返りをしたり、工夫を思いついたり、アイデアが浮かんだりする。次の日、ピカピカの靴を履くと、気分も新たになり、仕事への意欲が湧いてくるのを感じる。
「凡事徹底」は、一つ一つのことは誰にでもできること。自分にとっての「凡事」全てを常にし続けることは非常に難しい。ただし、徹底できていれば、「凡事」一つ一つを実行した効果だけでなく、「凡事」すべてが、「徹底」できていることによる自信が生じ、仕事にもそれが反映されるという好循環が実現できるのであろう。私自身にとっても、目指すべき目標である。