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「ラポール」の思い出 吉田健司

2018/07/21
吉田 健司

職場のコミュニケーションは重要であり、円滑に行うためのさまざまな視点や工夫は、書籍や研修で紹介されている。とりわけ職場におけるメンバー相互間の信頼関係は欠かせないものである。この相手との信頼関係に関して、心が通い合い、お互いに信頼している状態を「ラポール」と表現する。心理学の言葉で、コーチングでもよく使われている。
以前コラムで、会社勤めをしていた頃、社内にコーチングを紹介したいと考え、PHP研究所のプロコーチを招いて所属部門内の管理職向けにコーチング研修を実施したと書いた。この研修は、静岡県に所在する自社の研修施設で2日間実施した。外部講師によるコーチング研修1日コースと私が講師を務めた初級管理者向けマネジメント研修1日コースの2日間である。
このコーチング研修にご登壇いただいた講師の方が、「ラポール」という言葉を使われた。その瞬間、この言葉は補足してもらった方がよいと感じ、休憩のときに講師の方にお願いし、説明をしてもらった。それが私の「ラポール」の思い出である。
私が「ラポール」をなぜで知っていたのか。ずっとコーチングの勉強をしていたからだろうと思っていたが、最近新しい気づきがあった。
顧問先で心理学の基礎的な学習をすることの意義を伝えるために、書斎の心理学に関連する書籍(文庫・新書・有斐閣アロマシリーズ)をこの頃再読している。先日、知的生き方文庫(三笠書房)の渋谷昌三著「仕事に使える心理学」でラポールの記述を読んだとき、これが「ラポール」との出会いかと直観したのである。
その部分の一部を引用する。
「ラポールを読むポイントは次の二つだ。第一に、動作の一致が見られる。第二に、鏡映像的一致姿勢(鏡に映った自分の姿勢を相手がしている状況)が見られる。」
ラポールを築くために、これらの動作を意識してみてはどうだろうか。

研修に学ぶ~長屋 勝彦~

2018/07/15
長屋 勝彦

 D社の「成果の上がる業務改善(3時間、4日)」の研修講師をした。
 D社の工場見学により事例を作成しテキストを編集した。テキストは同社目線で作成できた様に思う。同社課長から「考える研修」をして欲しいとの要望により正確な用語の定義に基づきテキストを作成した。

 同社は当研修の前に問題解決、品質管理の研修を続けて実施、今回が3回目の研修であり応用面に重点を置いた研修にして欲しい旨の要望もあった。そこで、業務改善も一種の問題解決であり、今回の研修と問題解決研修はどのように異なるかということを冒頭に説明した。

 具体的には、問題とはあるべき姿と現状の差(乖離)をいい、改善は現在の仕組みを前提とした問題解決であり、手法的には両者は同一であるということを説明し研修をスタートさせた。ついでに、改善の対語である改革についても定義した。

 2日目の研修を開始するに当たり担当課長から受講者が難解であるという感想をもっているというコメントをもらった。

 今回の研修は「考える」研修であり、問題について「あるべき姿からの乖離」と説明したのが判りづらかったのかと思い、問題を「悪さ加減」と説明した。又、問題解決の一手法としてSWOT分析の手法を紹介したが専門用語として機会、脅威、マクロ環境、ミクロ環境という言葉が馴染まなかったらしい。

 この話を聞いて以前にある学者が土壌改良について話をした時に農家の人が「どじょう」についてその意味がわからず話の内容が全く理解できなかったという逸話を思い出した。

 同課長からSWOT分析は受講者である生産部門の人も知っておくべき手法であるが、機会はチャンス、脅威はピンチという言葉で説明して欲しい旨の話を聞き、ビジネスチャンス、リスクという言葉に変えて説明した。

 しかし、品質管理の研修を受けているせいか、「なぜなぜ分析」、「フィッシュボーン法」という用語は抵抗なく受け入れてもらえた。

 研修の狙いは、研修で学習した知識の活用力(考える力)の向上にあると思う。この意味で定義の説明については広辞苑等の辞典を使い正確に定義する必要がある。又、受講者の今後を考えると受講者に馴染めない手法(SWOT分析)の紹介も必要であると思う。

 用語の正確な定義は必要であるが、受講者目線で話し説明することの大切さを学んだ。この年になってもまだまだ学ぶことが多い日々である。
以上

生産性向上支援訓練について 吉田健司

2018/06/24
吉田 健司

生産性向上支援訓練をご存じだろうか。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページによると、生産性向上支援訓練とは、企業や事業主団体の生産性の向上を支援するための職業訓練である。訓練は、全国のポリテクセンターに設置した生産性向上人材育成支援センター(生産性センター)が、専門的な知見やノウハウを持つ民間機関等に委託し、企業・団体のニーズや課題にあわせて実施している。
この制度は人材育成に有効活用できる可能性があるので、高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページを確認することをおすすめする。
私は社会人生活を東京でスタートさせたが、業界団体の主催する様々な学ぶ機会が用意されており、その気になれば多くのことを効率的に自ら学ぶことができ、恵まれた環境だった。
会社においても、社外の通信教育講座を受講する制度が充実しており、20代の頃から、毎年1科目は通信研修を受講すると決めて取り組んでいた。「企画力開発実践コース」、「時代の読み方21コース」、「戦略手法を学ぶ・新市場戦略コース」、「課題解決のための企画力強化コース」、「金融と経済に強くなるコース」、「ビジュアル表現入門コース」などは、日常の仕事に役立ったと思う。
中小企業診断士として様々な企業や組織の人材育成に関心を持ち、日々過ごしている私の目から見て、もっと学ぶ機会を得られれば成長する人は多い。機会が増えれば、学ぶことの意味や必要性を理解し、自ら学ぶ、いわゆる自己啓発に取り組む気持ちが育まれていくと思う。
多くの企業や組織の経営者(経営メンバー)が生産性向上支援訓練の制度を学び、組織をあげて人材育成を強化することは、仕事と生活の調和の実現にも寄与するのではと思う今日この頃である。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司, 経営情報

2018年度版中小企業白書の「人材育成の取組の現状」を読む 吉田健司

2018/05/28
吉田 健司

2018年度版中小企業白書の「人材育成の取組の現状」ではOJT、OFF-JT、自己啓発について次のように説明している。企業による従業員の育成の手段のうち、「OJT」は日常の業務に就きながら行われる教育訓練であり、「OFF-JT」は業務命令に基づき、通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練(研修)である。また、労働者が職業生活を継続するために、職業に関する能力を自発的に開発し向上させるために行う「自己啓発」の費用の支援も企業による従業員の育成の方法として考えられる。
「OJT」と「OFF-JT」の実態は次の通りである。
企業がOJTとOFF-JT のいずれを重視しているかについては、「OJT を重視する」および「OJT を重視するに近い」の回答が大半を占めている。また、「OFF-JT を重視するに近い」、「OFF-JT を重視する」についても、双方の回答を合わせると20%を超えている。
「OFF-JT」を重視する企業も一定数存在するが、「OJT」を重視している傾向は変わらないようである。
では、「OJT」はうまくいっているのであろうか。
「OJT」を日常の業務の中で、従業員に仕事を効果的に覚えてもらうために行っている取組とした調査によると、最も回答割合が高い取り組みは「とにかく実践させ、経験させる」である。「うまくいっている」は62.3%、「うまくいっていない」は62.9%となっている。
また、「仕事のやり方を実際に見せている」は、「うまくいっている」が60.0%、「うまくいっていない」が51.2%、「仕事について相談に乗ったり、助言している」は、「うまくいっている」が56.4%、「うまくいっていない」が42.7%となっている。これらの取り組みは「うまくいっている」と感じている企業の割合が高い。
これらの結果から私が感じるのは、日常の職場でのコミュニケーションの大切さである。互いに意思や感情、思考を伝達し合うことの奥は深いと感じる今日この頃である。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

~フリ・フェア・グローバルな社会に向けて~AGE is a NUMBER 長屋 勝彦

2018/05/18
長屋 勝彦

連休後半の初日雨上がりの午後、気温が気になったが風がありの公園をジョッギングした。公園には野球グランドがあるが、グランドに人はいなく気兼ねすることなくジョッギング(というよりウオーキング)を楽しんだ。

 ジョギングを終ってから芝生に大の字になり、空を見ながら考えにふっけた。多分まったりした気分になったのかと思う。しばらくして、NHKの朝ドラ「半分青い」のヒロインの鈴愛のセリフが思い出された。ヒロインのスズメは嘘を言って就職するのが嫌で、自分の左耳が聞こえないことを正直に書いたのだという。

 60歳を前に自分の道を行くというと聞こえはよいが長く仕事をしたいからということで34年間勤務した会社を退社し独立した。20年以上もこの仕事をしているといつまで仕事をしているのかという話を直接、間接にきく。ある人は言う、この道の仕事は60歳代までと。

 しかし、かくあるべきということはあてはまらない。自分が時期だと思った時が引退であると思う。金商法ではフリ・フェア・グローバルな取引を担保するための規則を設けているが商売のすべてのルールとして差別のない条件のもとで仕事ができる環境つくりが望まれる。フィリピンではAGE is a NUMBERという言葉のもとに年齢差差別禁止法が制定されている。

 しかし、年が若いほど集中力もあり吸収力もあり、気力、体力もある。雇用主としては高年齢者の採用に前向きでないのは理解できる。

 10年程前、「もう講師の仕事はあがりでしょう。これからは商売を考えましょう。」と研修会社の経営者の方に言われたことがある。しかし、「役者は3日やったらやめられない。」と言う言葉もある。
 
 幸い必要とされるクライアントに支えられて楽しく仕事をさせてもらっている。又、ベンチマークとして見ているという60歳過ぎの友人のコンサルタントの方もおられる。

 歳を気にしないで、この方に恥じないよう自己研さんに励むとともに成長意欲のある方のお役にたっていきたいと空を見ながら思った。
以上