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      ~伴走者としての中小企業診断士の役割~長屋 勝彦

2018/12/18
長屋 勝彦

 先月のブログ「~仕事今昔~二枚の写真から振り返る50年前と今の私」を読んだ顧問先の会長から「先生には人生で一つの変極点となったかも知れないが、このことにより人生が変わった方もいるのでは———」と言われた。

 構造改革という名前の基に行われた合理化により、二つの工場のうち一つの工場は生産品目(繊維以外の品目)の転換により閉鎖に至らなかったが、もう一つの繊維加工を行っている工場は閉鎖となった。幸い、当工場は大阪に近く土地の売却に苦労はなかったようだが、雇用問題では人事・労務の方は苦労されたと思う。

 繊維事業自体は引き続き継続していくので、経営者の方、技術者の方は親会社に転職され生産技術の仕事に携わっていかれたが、当工場で生産に携わっておられた製造部門の方は失職され、新たな職探しに苦労されたかと思うと胸が痛む。同時に、雇用問題を担当された人事・総務の方の心境は如何ばかりであったかと推察する。

 当時30歳そこそこの自分はそこまで思いが至らず、数年後の繊維事業の黒字転換を喜んだが、その陰で関係した方の人生を左右する出来事(ドラマ)あったのだと思うと複雑な気持ちになる。

 さすがに創業50余年仕事でも幾多の修羅場をくぐって来られた会長の言葉は鋭く、ズシンとくるものがある。

 中小企業診断士は単に診断だけではなくその企業に寄り添ったアドバイスが必要であり、その意味で中小企業により沿った伴走者としての役割が求められるということを改めて認識した。

 残り少ない診断士生活であるが中小企業支援、人材育成を使命として係わっていきたい。余談であるが、その夜の忘年会で社長に「菩薩の心と夜叉の心」を持った経営について語った。

以上

カテゴリー:  経営情報

「熱心な初心者」への指導 吉田健司

2018/11/26
吉田 健司

  昨日までの3連休に娘が孫と帰ってきた。今年の4月に中学生となった孫は、ソフトテニス部に入部し、初めてのソフトテニスに夢中になっている。部活が休みということで、実家に戻って一緒にテニスをしたいということで、楽しみにしていた。
 わたしも妻も軟式テニス(ソフトテニス)の経験者である。今年になって、孫がソフトテニスを始めたのをきっかけに、ソフトテニスの解説本を選んだり、スポーツ店のラケット売り場をのぞいたりと、あらためてソフトテニスに触れる機会が増えたのは、うれしいことである。
 孫が初めて試合(一年生大会)に出るので見に来てほしいと妻に言ってきたときも、片道2時間ほどの距離ではあるが、応援に出かけて行った。理由は、孫の日常環境を把握したうえで、多少なりとも役に立つ指導をしたいと思ったからである。
 孫を状況対応型リーダーシップⅡモデルの「熱心な初心者」に見立てて指導することとしたが、毎日いっしょに練習するわけではないので、何が良いかいろいろ考えた。その結果、フットワーク、身体の使い方、自分自身・相手・打球・周りの観察の仕方、ボールを打つ練習時の思考のめぐらせ方、ボールやラケットを使用しない練習に対する考え方・やり方などの説明と、そのような意図をもったボールを使った練習などを行うこととした。
 ケン・ブランチャードのリーダーシップ論(ケン・ブランチャード+ケン・ブランチャード・カンパニー 著 ダイヤモンド社)の状況対応型リーダーシップⅡモデルでは、個人の発達レベルを「熱心な初心者」、「幻滅した学習者」、「有能だが自信を欠く実践者」、「自立した達成者」の4段階に区別している。そして、「熱心な初心者」には指示型リーダーシップ、「幻滅した学習者」にはコーチ型リーダーシップ、「有能だが自信を欠く実践者」には支援型リーダーシップ、「自立した達成者」には委任型リーダーシップが必要としている。
 これからも孫の成長を確認しながら指導するのが楽しみである。

~仕事今昔~二枚の写真から振り返る50年前と今の私 長屋 勝彦

2018/11/18
長屋 勝彦

平成30年版労働経済白書より ・・・ 吉田健司

2018/10/22
吉田 健司

 平成30年版労働経済白書が厚生労働省より先月公表された。「労働経済白書」は、雇用、賃金、労働時間、勤労者家計などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書である。平成30年版では「働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について」を分析テーマとして、働き方の多様化に対応した能力開発や雇用管理の在り方についてさまざまな視点から多面的に分析を行ったと説明されている。
「働き方改革」というキーワードを意識していると多くの方から聞くようになった。「労働経済白書」においても、多様な人材が個々の事情に応じた柔軟な働き方を選択できるように「働き方改革」を推進し、一人ひとりの労働生産性を高めていくことが必要不可欠であるとされている。
 
  白書の分析から人材育成の強化に向けての企業側の課題認識と、社員が望む支援を確認する。
1.企業のいわゆる正社員をめぐる人材育成における課題
「従業員の業務が多忙で、人材育成に充てる時間を確保できない」、「上長等の育成能力や指導意識が不足している」、「人材育成を受ける従業員側の意欲が低い」、「従業員が能力開発に取り組むため不在にしても、その間、他の人が業務を代替できる体制が構築できていない」、「社内で人材育成を積極的に行う雰囲気がない」
2.正社員が重要と考える企業側の支援
「人事考課(賃金、昇進等を含む。)において従業員の能力開発への取組状況をより評価」、「上長等の育成能力や指導意識の向上」、「経営トップからの呼び掛け等により、従業員の能力開発への意欲を向上させる」、「担当が能力開発に取り組むため不在にしても、その間、他の人が仕事を代替できる体制づくり」、「就業時間への配慮」
 
 今後の取り組みとしては、「上長等の育成能力や指導意識の向上」を挙げる企業が一番多いが、全国のポリテクセンターに設置されている生産性向上人材育成支援センター(生産性センター)が実施する生産性向上支援訓練の活用も有用だと思う。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

10月という月~長屋 勝彦~

2018/10/21
長屋 勝彦

 10月は誕生月であり、診断士仲間と合同会社を創業した月でもあり1年のうちで特別な月である。更に、以前在職した会社のOB会、卒業した大学時代の謡曲クラブのOB会が開催される月でもありいろいろと慌しい月でもある。

 昨年までは日頃の忙しさにかまけ欠席が続いていたが、今年は昔の先輩・後輩のことが気にかかり二つのOB会に参加した。

 前者のOB会は一昨年までは毎年百人程参加されていたが昨年から百人を切り今年は75人と減少傾向にある。今年のOBは指導を受けた先輩が次々と亡くなられ、親しい友人も病気のため参加できず、一抹の寂しさを感じた。しかし、来賓として講話をされた社長のアグレッシブな経営姿勢と好調な業績についての話に、頼もしさを覚えた。

 一方、謡曲の会は関西からの参加者もあり15人の参加であった。参加者は70歳代の方が多く趣味で謡う方もおられたが、数人の方は職分(先生)の免許をとり教えておられる方もおられた。会は午後1時から始め、参加者の方がそれぞれの曲目について独吟、連吟の後、最後に参加者全員で謡い16時半に終了したが小職は謡はず夜の部の交流会での懇談のみであった。しかし、1泊し諸先輩、後輩と語り、楽しいひと時を過ごすことができた。

 小生の在学中はプロの先生を招き週1回練習し、年2回東京大会、全国大会に参加していたが、昭和50年頃から生徒が集まらず現在は休止状態にある。小職の学生時代もそうであったが、今の若い人には能の世界にみる無常、一期一会、幽玄という世界とは程遠く謡曲に興味を持つ人は少なく、謡曲クラブのある大学は少ないように思う。

 今回の謡を聞いて、全員無本で謡っておられたが、声量の衰えは別にして曲の内容を理解し謡っておられた方は少なかったように思えた。

 翻って、企業診断についても、診断士として単に診断内容を企業に伝えるだけでなく相手の経営者の心を理解し感動を与える診断が大切であると感じた。

 あえて言えば、世の無常・人の情念を理解している今、学生時代より相手に聞かせる謡曲を謡うことができると思う。しかし、長時間正座して謡うことは自分にとってきつく、謡曲は好きであるが、再度習うことはないと思う。
以上