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「分ける」を意識して考える 吉田健司

2019/02/25
吉田 健司

 以前コラムで紹介した「社会人基礎力」の3つの能力は以下の通りである。
1. 前に踏み出す力(アクション) ~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~
 主体性、働きかけ力、実行力
2. 考え抜く力(シンキング)~疑問を持ち、考え抜く力~
 課題発見力、計画力、創造力
3. チームで働く力(チームワーク)~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力~
 発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力
 私は、これらのスキルをどのように磨いていけばよいのか、どこから手を付けたらよいのか、土台になるものはないかなどについて、自問自答することがある。そんな日常の中、「分ける」は有用であると思うようになってきた。
 私が特に意識している「分ける」はコーチングで学んだチャンクダウンである。あるイメージの塊(チャンク)を小さな塊にしていく。抽象的なものがより具体化することで行動に結びつきやすくなる。
  小さな塊にしていく過程はピラミッドストラクチャ構造を理解する時にも役立つ。ロジックツリーを使って原因を追究する場合や解決策を具体化する場合も、分けることは大切である。ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー構造は、マトリクスでロジックツリーが表現できることから仕事でよく活用した。エクセルを使って階層レベルを合わせながら、もれや重複のないように整理するのに便利である。
 目標は個人単位までブレイクダウンすることで一人ひとりの行動につながる。ただ、ブレイクダウンする過程ではつながりを大事にする必要がある。いわゆる目標の連鎖である。
 いろんなビジネス・スキルを「分ける」をキーワードに学び直そうかと思う今日この頃である。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

      ~人間力として人事評価を考える~長屋 勝彦

2019/02/22
長屋 勝彦

 東京都中小企業診断士協会の平成28年度受託調査研究事業として「持続的発展のための中小企業の目標管理とやる気をひきだすための人事評価に関する実践的診断支援マニュアル」の論文発表以降人事評価に関するコンサルを受託する機会が増えた。

 通常、人事評価には賞与時期に実施する業績評価と事業年度末に実施する能力評価がある。「人の業績を評価することはできるが、人は感情の動物であり、人が人を評価するのは難しい。」と言う中小企業社長もいるが、企業で働く企業人としてその人の与えられた職務を遂行するために必要な能力(職務遂行能力)を評価し昇進・昇格、人事異動等に活用するためには必要である。

 人事評価には物事を予測する洞察力、予測した物事から職務を遂行するための計画を作成する計画力、計画を実行するための実行力(問題解決力、折衝力)からなる①マネジメント力(PDCAを回す力)、②組織構成員(上司、同僚、部下)との間のコミュニケーション力を評価する能力評価と職務に対する取組み姿勢をあらわす積極性、誠実性、責任感等③情意評価がある。

 一方、人間力という事がいわれている。人間力として内閣府人間力戦略研究会が「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義し、具体的な構成要素として①想像力、論理的思考といった知的能力要素、②コミュニケーションスキル、リーダーシップ、他者を尊重する心といった対人関係力要素、③意欲、忍耐力などの自己制御的要素をあげている。

 人事評価との関係では人間力の①知的能力要素は論理的思考の概念を仮説検証まで含めるとマネジメント力、②対人関係力はコミュニケーション力、③事項制御的要素は情意性行に該当する。

 企業では評価項目、評価段階、各項目の評点といった評価要素を決定し企業自身の事業内容、経営者、従業員のレベル等その企業に適した方式で行っているが、対象期間の対象業務について策定した評価マニュアルに基づいた客観的評価により行うことが必要である。

 中小企業では社長が従業員を十分理解しているので人事評価制度を作り人事評価をする必要がないといわれているが、中小企業も経営の客観性、透明性の観点から客観的な評価制度の構築による人事評価は不可欠であると思料する。
以上

ドラッカーを読む 吉田健司

2019/01/28
吉田 健司

 以前ブログで、私は、ドラッカーの「マネジメント(全訳版)1973年初版「無修正版」4分冊(2008年第1版日経BP社)」を毎年1回は通読すると書いた。例年であれば、年末年始の期間を使って、通読にかなりの時間を要する書籍を読むことにしているが、昨年末から年始にかけて研修で使うテキストの仕上げを行っていたため、先日ようやく再読をスタートさせることができた。
この「マネジメント」は、ドラッカー初期の著作群を紹介する百科事典といった趣があり、啓蒙的なケース・スタディがちりばめられている(ダイヤモンド・ハーバード・ビジネスレビュー2003年11月号)。

 私が会社勤めをしていたころの話だが、口を開けば「ドラッカーを読め」と熱く語る先輩がいた。私も強く薦められたが、定期購読していたダイヤモンド・ハーバード・ビジネスレビューでドラッカーの論文を読む程度で、本を買って読むことはなかった。その頃は、私の抱えている課題に示唆を与えてくれるものではないように思っていたからである。

当時はマイケル・ポーターの競争戦略論や野中郁次郎氏の知識創造理論に興味があった。実際何冊かの書籍を読み込むことで、所属する部門の将来を考えるために有用な示唆をたくさん与えてもらった。
「ドラッカーを読め」とアドバイスをくれた先輩の思いがようやくわかったのは、自分が部の運営を預かるようになってからである。中小企業診断士の試験勉強の過程で経営に関する本をたくさん読んだおかげで、ドラッカーが多少理解できるようになったのだと思う。
その後の私は、後輩にドラッカーを読むように薦めていた。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

~新しい年を迎えるにあたって~先読みと不退転の気持ちで 長屋 勝彦

2019/01/13
長屋 勝彦

 今年は平成が終わり新しい年号が制定される改元の年である。「平成」は書経の地平天成(地平らかに天成る)と訓読する。その意味は世の中が平穏で、天地が治まるという事である。

 しかし、我が国の経済は平成3年にはバルが崩壊し不良債権が発生しデフレが進行し長期低迷が続く失われた20年に突入し、そのデフレを脱却するためにアベノミックスによる経済政策を打ちだしているが現在も脱却できていない状況にある。

 更に、大国であるアメリカ、中国の国内優先主義政策により資源を持たない我が国は苦境に立たされ持続的発展が期待できない状況にある。

 以上のことから平成という時代は平穏な時代ではなく内在する諸問題を抱え何時その問題が顕在化するか分からないといった時代である。

 このような経済情勢の中、顧問先の中小企業は国等に助成金を活用しながら、製品開発、品質改良、コストダウンにより持続的成長を目指して頑張っている。

 人材面でも資金面でも恵まれない中小企業が生き残る途は誰もが気づいていない市場をいち早く見つけ、製品化するか、誰もが真似できない製造方法の革新により途を切り開く他ないがにあるが、経営資源の乏しい中小企業はアンゾフの製品ベクトルでいう現行市場の深堀という市場浸透戦略がより効果的であると考える。

 そのためには、経営者を始め真に企業存続を憂う従業員の製品開発・技術開発に対する思考力を養う事、即ち理詰めで考え抜き、考えたアイデアを果敢に実行する実行力をつける事にある。

 今年もこのような中小企業の伴走者として思考力と実行力を高めるため全力で支援していきたい。又、同時に企業診断などを通してそのような企業に出会いたいと思うこの頃である。

以上
 

カテゴリー:  経営情報

心理学に学ぶ 吉田健司

2018/12/24
吉田 健司

  私は、書店に立ち寄るといつも講談社学術文庫と日経文庫に目を通すことにしている。講談社学術文庫は漢以前の中国に関するもので新しい情報がないかをチェックしている。また、日経文庫は、新刊や新たに興味を持った分野の本をチェックしている。
  最近気になって購入した日経文庫は、「ビジネス心理学100本ノック/榎本博明著/2018.9.141版1刷/日本経済新聞出版社」である。気になった理由は、ここのところ書斎に積読状態の心理学に関する文庫・新書・有斐閣アルマを再読して、顧問先に伝えたい言葉を整理していたからである。
この本では、新しい言葉をいくつも学ぶことができた。
  例えば、9月のブログで書いた「思考・感情・行動」が自分を変えるつぼと学んだことについて、さらに思考を深める言葉に出会った。それは、「自己効力感の理論」である。
「自己効力感」は自己に対する信頼感や有能感のことで、カナダ人の心理学者パンデューラの唱えた概念で、モチベーション(動機づけ)に大きな影響のあるとされている。
「自己効力感」の高い人、低い人の特徴、「自己効力感」を高める方法などを学ぶことで、こうすればよいとわかっていてもできないケースへの対応の幅が広がるように思う。
  もう一つ私が学んだ言葉を紹介したい。それは、「計画された偶発性の理論」である。「計画された偶発性の理論」は、心理学者クランボルツによって提唱されたキャリア理論とされる。キャリアは思いがけない出来事に左右されるとされ、偶然の好機を待つのではなく、積極的に生み出す努力と好機を利用するスキルが必要とする考え方に、私は共感を覚えた。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司