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しなやかでタフなエイジレスライフに向けて~長屋 勝彦~

2019/10/03
長屋 勝彦

 E氏との会食を終えて帰宅中の常磐線で喉がいがらっぽくなり咳をしていると隣の席に座っていた見知らぬ年配の方が、「冷房により空気が乾燥すると咳が出るものですね。」とポケットからのど飴を取出し、「如何ですか。」と声をかけられた。「有難うございます。」といいいただいたのど飴をなめた。

 咳が治まったころ、「私は2年生まれ(昭和)です。新橋まで通っていますが、常磐線も品川まで行くようになり便利になりましたね。」と言われた。

 「昭和2年生まれですと92歳になられますが、どの様な仕事をなさっているのですか。」とお聞きした。「大蔵省に努めていましたが、今は事務関係の仕事をしています。」と言われた。「お元気ですね。私は10歳ほど若いのですが、その年まで仕事をなさっている健康の秘訣は何ですか。」と聞いた。

 その方から、人生の生きがい(ビジョン)までをお聞きすることはできなかったが、「今でもゴルフを月2~3回します。適当に飲食をし、心身ともに健康で生涯現役を通したいと思っています。」と言われた。

 その方は北千住にお住まいで、北千住で降りられる際にバッグから飴を取出し、「もう一つあれば大丈夫でしょう、私の年まで元気で頑張ってください。」といって降りられた。

 話は戻るが、E氏は63歳で再雇用年齢まで後2年、現在は定年まで勤められていた会社で設計の仕事をされている。E氏とは20年前茨城県中小企業振興公社の仕事をしていた頃販路開拓の仕事でお会いし、一年に1回程度、会食をする間柄である。

 E氏に対し、「人生100年時代、再雇用が過ぎてからも健康を保つためには自分に合った仕事を見つけ働いた方が良い。」ということを話した。

 自分自身、サラリーマンを辞めたのは58歳であるが辞めた大きな動機は働けるうちは働きたいという事があり、勤めていた会社が早期退職を募集したこともあるが、その時は将来のビジョンは描いていなかった。

 あれから20余年、生涯現役という気持ちは今も変わらないが、若い人を育てたい、新製品を開発し充実したいつもハラハラドキドキするエイジレスライフを送りたいという現在の心境である。

以上

カテゴリー:  経営情報

平成30年度「能力開発基本調査」について その1   吉田健司

2019/04/22
吉田 健司

  厚生労働省から平成30年度「能力開発基本調査」の取りまとめ結果が、公表されている。以前にもテーマとして取り上げたが、「能力開発基本調査」は、国内の企業・事業所と労働者の能力開発の実態を明らかにすることを目的として、平成13年度から毎年行われている。私は、生産性向上支援訓練の指導者として、企業のOFF-JTに関わることが増えているので、何回かに分けて、気になるテーマを取り上げてみたい。
 

  本調査において、OFF-JTは、業務命令に基づき、通常の仕事を一時的に離れて行う社内外の教育訓練(研修)のことをいう。

  OJTは、直接の上司が、業務の中で作業方法等について、部下に指導することなど、日常の業務に就きながら行われる教育訓練のことをいう。

  計画的なOJTは、日常の業務に就きながら行われる教育訓練(OJT)のうち、教育訓練に関する計画書を作成するなどして教育担当者、対象者、期間、内容などを具体的に定めて、段階的・継続的に実施する教育訓練をいう。
 

  2年以上前になるが、私は、企業で「計画的なOJT」にあたる教育訓練を組織に導入定着させる取り組みを長年行ってきたので、「計画的なOJT」を実施する事業所が毎年増加してほしいと思う、とブログに書いた。

  今回の 公表結果によると、平成29年度に正社員または正社員以外に対して計画的なO J T を実施した事業所は65.3%であった。
・正社員と正社員以外の両方に対して実施(23.4%)
・正社員のみに対して実施(39.4%)
・正社員以外のみに対して実施(33.5%)

  職層等別に見ると計画的なO J T の実施状況を見ると以下の通りであった。
・正社員では新入社員が55.7%、中堅社員が39.1%、管理職層が21.8%
・正社員以外では28.3%

  統計のまとめ方の変更も有り単純比較はできないが、大きく伸びたようには感じられない。私は、すべてのO J Tが計画的なO J Tとなってほしいと思う。そして、全社員に対して計画的なO J T行われるようになることを願っている。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

~中小企業のネット販売に想う~長屋 勝彦

2019/04/09
長屋 勝彦

  一般に中小企業はITリテラシーも低く、テレビ広告などにより認知度を上げるための資金も乏しい。その上、販売促進活動を行う人材にも恵まれない。

 しかし、自社で開発した商品を販売していくにはインターネット販売は中小企業にとっても今後は不可欠でありその活用を模索していく必要がある。

 ここのような状況下、知り合いの中小企業の社長にインターネット販売のみで年数億円の売上を稼いでいる中小企業経営者の方の話をすると、その企業(仮にA社)のネット販売に関する話を聞かせて欲しい旨の依頼があった。

 そこで、A社社長にネット販売の仕組みの構築について依頼企業(仮にB社)の社長を紹介し、A社社長の話を聞きアドバイスをお願いした。

 現在、A社は楽天、グーグル等にネット広告を行うと共に自社のHPでもネット販売システムを立ち上げている。

 A社長からネット広告での商品の特徴の見せ方、最初にクリックしネット広告にアクセスしクライアントに対する購買までの誘導の仕方、A社のネット販売に対する姿勢(方針)などの話を聞き、ネット販売を行うにあたってのアドバイスをもらった。

 A社は専門のコンサルタントを活用しながら楽天市場等への出店の他、全国紙、専門誌等への広告を打つだけの資金力があるが、資金力に制約のある中小企業にとっては一定の売上げをあげるには中小企業関連の施策を活用するにせよその道のりは遠い。

 資金力の十分でない中小企業はネット販売に要するコストを人を雇用する経費(人件費)と考え、社長自らも販売ノウハウの習得に努めると共に競合他社と比較した卓越したメリットをあげるための商品力の向上が必須であると感じた。

以上

カテゴリー:  経営情報

2018年度版中小企業白書の「多能工化・兼任化の取組」を読む 吉田健司

2019/03/24
吉田 健司

  2018年6月のブログで紹介した独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構生産性向上人材育成支援センターが実施する生産性向上支援訓練の関係で、企業活動の原動力となる人材の活用面に係る取組をもっと学びたいと思うようになり、2018年度版中小企業白書の「多能工化・兼任化の取組」を精読した。

 「多能工化・兼任化の取組」は、業務量の平準化や業務の効率化に寄与するとされている。その理由は、多能工化・兼任化を行うことで、繁忙期となっている部署や工程に労働力を融通することが可能だからである。以下では、白書より「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」の分析内容を概観する。

 中小企業における従業員の多能工化・兼任化に取り組んでいる企業は73.3%で、製造業に限ると88.1%が取り組んでいる。従業員の多能工化・兼任化を進める際にあわせて行った取組は、業務マニュアルの作成・整備(47.2%)、従業員のスキルの見える化(34.9%)が特に高くなっている。

 また、多能工化・兼任化による各効果を感じている企業の割合は、業務見直しを実施した企業において高く、従業員の能力向上(54.8%) 全体の業務平準化による従業員の負担の軽減(37.8%)、繁忙期・繁忙部署における業務処理能力向上(36.9%)、従業員間のコミュニケーションが増え職場の活性化につながった(21.4%)、担当者不在時の対応力が向上し休暇取得が容易になった(18.6%)などの効果をあげられている。

 一方、多能工化・兼任化に取り組む上の課題としては、多能工化を進めるための時間的余裕がない(42.1%)、多能工化を主導できる人材が社内にいない(28.9%)、業務負担増加を懸念する従業員からの反発(19.9%)などがあげられている。

 このように見ていくと、多能工化を考えている企業は、時間管理の面から自社の現状を分析する必要があるように思う。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司, 経営情報

       アメージングでリーンな活動~長屋 勝彦~

2019/03/22
長屋 勝彦

 昨年度は東京都中小企業診断協会(以下都協会という)の実施する実務従事事業として中小企業診断を年5回行った。実務従事事業としての企業診断は企業診断機会のない企業内中小企業診断士に診断免許更新の機会を与えるため都協会が便宜を図った制度である。

 来月、都協会が主催するスプリングフォーラムマッチング大会応募のため懇意にしているファッション雑貨R社のI社長を訪ね診断先引受けをお願いした。

 R社はこれまでI社長の積極経営により関東を中心に20店舗、100人を擁する中小企業である。

 I社長はこれまで拡大路線で走ってきたが、これからはこれで良いかの迷っている。お客様、社員に感動を与える経営を行う必要があるように思う。このような経営を何というのかわからないがそのような店としての診断をしてほしい旨の話が合った。

 これに対し一両日ではできないかもしれないがこれまで通りのフットワークの良い筋肉質なリーン経営に加えてお客様に感動を与える品揃え、店構え、接客の観点から診断をさせていただきたい旨の話をした。

 I社長から一言でいうとこのような経営を何というのかと問われ、アメージングな経営というのでしょうかと答えた。

 翻って、化学会社で感圧紙溶剤、プラスチック眼鏡レンズ、ピエゾセンサーという化学製品の開発に携わってきた自分にとって関わった方々にどのような感動を与えたのかは定かでないが共感を感じ合ったことは確かであると思う。

 診断士としての今も、夢・ビジョンを共有する人との付き合いを大切に生きていきたい。

以上