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新規開拓営業に役立つコミュニケーションスキル その1~まずは見た目から~【産業 学】

2012/04/23
産業 学 

新規開拓営業に役立つコミュニケーションスキルについて4回シリーズでお伝えしたいと思います。

 

その1.まずは見た目から
その2.挨拶と名刺交換

その3.聞き方
その4.話し方

 

第1回目は「見た目」です。人間には外見で相手を判断してしまう、という習性があります。これは『新規開拓営業のコツ その3.初回精査』でも触れましたが、俗に“メラビアンの法則”と言われているものです。

 

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが、人の行動が相手にどのような影響を及ぼすか、という実験をしたところ、言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%という法則を導き出したこと起因しています。

 

この実験結果から転じて、最近では「人は見かけで相手を判断する=メラビアンの法則」と言われるようになっていますが、本来の実験の趣旨とはやや解釈が異なります。

 

とは言え、話し手の身なりや話し方が相手に与える影響が大きい、というのは疑う余地もありません。特に“身だしなみ”に関しては、意識すれば誰でも直ぐにできることなので、実践しない手はないですね。

別に、高価なブランド物のスーツを着ろ、とか、高級腕時計をしろ、とかいうのではありません。清潔感のある服装をする。具体的には、スーツやYシャツにシワがないか?Yシャツに汚れはないか?ネクタイは奇麗に結べているか?靴は磨いてあるか?等がチェックポイントです。

 

昔と比べ、現在は男性の服装もバリエーションが増えてきました。Yシャツはカラーシャツを着る方が増えていますが、彩りには気を配りたいですね。たまに、スーツもYシャツもネクタイも同系色、という方を見かけますが、避けた方が良いですね。ネクタイの色ひとつで、顔立ちが変わって見えますので、新規訪問・リピート・クローズと場面によって使い分けたいところです。

 

次回は、挨拶と名刺交換についてお伝えいたします。

 

その1.まずは見た目から >> その2.挨拶と名刺交換

想定外を想定する 【遠藤弘之】

2012/04/16
遠藤 弘之

この言葉は、この3月末頃の新聞などに載った言葉である。
昨年の大震災と原発への対応問題への反省から、国民に今後の意識変革を促す意味があると考えられる。 特に、危機・リスクマネジメントなどに興味のある人たちには考えさせられるところが多い言葉である。
一般に、仕事には、目的があり、それを達成するための策として強み弱みも考える上に、更に色々なリスクも考えていく必要がある。そのリスク発生の可能性・頻度・起きた時の影響度なども出来うる限り客観的に想定し、対応策には優先順位が付けられる。
しかし、優先順位が低いと、費用対効果とか効率性などから、具体的な対応策は計らない場合が多い。が、多少のリスクを意識して、注意を怠らないようにする、つまり観察を継続することが大切になる。民間会社の経験からすると観察する分担を如何にするのかという課題はあるが、観察していこうとする意識があり(想定外に置かない)、少しでも状況変化があれば、優先順位を見直す姿勢があった。従って、リーダーの役割は大変であった。
今回の大震災や原発事故の問題の場合、リスクは認識されていたようである。が、頻度、可能性が低いこともあり、効率性などから想定外に置かれたのではと危惧される。
ここでの問題は、今回の言葉の中で「想定外」は、優先順位がかなり低いリスクを本当に想定外に置いてしまったという判断の扱い方にあるように思う。つまり、限られた資源と時間の使い方に対し、効率という判断が優先されたのではないのか。 
皆さんは、「想定外を想定する」という言葉には、納得される部分も多いとは思うが、何故今回のように想定してしまったのかをもう一度考えてみることも大切なことではないか。

公平性の確保~アポイントは先約優先で~ 【長屋勝彦】

2012/04/09
長屋 勝彦

20代後半の話しである。学生時代に能楽研究会に入り、謡、仕舞に明け暮れていたこともあり会社に入社しても、しばらくは会社の謡曲クラブで謡を続けていた。謡曲クラブでの練習は月に1回、18時頃から会社の厚生寮(四ツ谷)で専門家の先生による指導により行われたが、終了後酒宴となり、それでも満足できない時は2次回に発展することも間々あった。この他、週に1回昼休みを利用して会社の先輩の指導を受けていた。昼休みの練習は他にやることが多く気が進まなかったが、指導をする先輩が直属の上司であり、練習をさぼる訳には行かず、出席率は高い方であった。

 

そんなある日、午前中の就業時間が過ぎたので会社の食堂に行こうとしていた矢先、担当役員の方が、直属の上司に、「藤井君、飯でも食いながら話をしたいことがあるんだけれど」という指示めいた問いかけをされた。これに対し、「今日は食事をしてから謡の練習をする予定がありますので」と上司は答えた。「ああそうか」と言って直属の役員はその場を離れた。

 

当時は高度成長まっただ中であり、仕事優先の時代であった。この話を聞いて以来、その後営業の仕事に携わり、人と接することとなるがが、今日まで公私ともに、先約優先の考えで仕事をしている。

 

直属の上司は社交的タイプの人でなく、どちらかといえば愚直の感じのする、とっつきにくい印象を受けるタイプの人であったが、いまでもこの場面を時々懐かしく思い出す。仕事の面で、お二方とも、洞察力のある方で、物の考え方、見方について多くのことを教わった。

 

今後も、公私の区別なく、人の分け隔てなく、自分の軸がぶれない、凛とした生き方をして行きたい。この考えに賛同し仕事をしている会社時代の後輩、中小企業の社長がおられるのはうれしい限りである。

余談であるが、直属の上司はその後専務を歴任後、関連会社の社長をされた。担当役員の方は京都大学工学部で電気を専攻され方で、後のドル箱製品クレスチン育ての親である。お二方とも鬼籍の人である。

以上

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦

凡事徹底 【岩本 亨】

2012/04/02
岩本 亨

今日4月2日は、新しい年度が始まり、多くの人にとって最初の出勤日である。東京は良い天気に恵まれ、桜も三分咲き。日経新聞の一面は「景気復調、内需が支え」というTOP記事。震災の影響もあり、漂っていた沈滞ムードが、薄れていくことを祈りたい。

私自身、研修の講師をしていても、コンサル案件で社長と話をしていても、痛感することは「当たり前のことが当たり前にできる」人が、なぜこんなに少ないのか?ということ。逆に言えば、当たり前のこと(凡事)を当たり前にでき(徹底)さえすれば、できるビジネスマンやできる経営者になれる可能性が高いということか?

では、ビジネスマンにとっての「凡事徹底」とは何か? まずは身だしなみをきちんと清潔にすること、あいさつをすること、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の徹底、約束を守ること・・・。いくら仕事ができても、これらのことができなければ、スタートラインに立つことができない。

身だしなみは、スーツやシャツ・ブラウス、ネクタイや靴下・ストッキング等、服装のことだと思っている人が多い。確かにそれも大切だが、私は「靴」に気を付けている。靴がきれいであれば、その人は信用できると思う。違う意味で使われるが「足元を見る」という言葉もある。靴にまで気配りできる人は、服装全体もきちんとしている。きっと仕事も着実で、成果を上げてくれると期待できる。いささか言い過ぎかもしれないが、少なくとも私自身はそう思っている。

昨日、自分の靴6足を磨いた。たまに家人に頼むこともあるが、自分の靴は自分で磨くのが基本だと考えている。靴に付いているホコリやゴミを落とし、靴クリームをまんべんなく塗り、磨き上げる。プロセスを楽しみながら集中して磨いていると、意識するともなく、仕事について振り返りをしたり、工夫を思いついたり、アイデアが浮かんだりする。次の日、ピカピカの靴を履くと、気分も新たになり、仕事への意欲が湧いてくるのを感じる。

「凡事徹底」は、一つ一つのことは誰にでもできること。自分にとっての「凡事」全てを常にし続けることは非常に難しい。ただし、徹底できていれば、「凡事」一つ一つを実行した効果だけでなく、「凡事」すべてが、「徹底」できていることによる自信が生じ、仕事にもそれが反映されるという好循環が実現できるのであろう。私自身にとっても、目指すべき目標である。

新規開拓営業のコツ その6~アフターフォロー~【産業 学】

2012/03/26
産業 学 

6回シリーズでお届けする“新規開拓営業のコツ”。最終回の第6回目は『アフターフォロー』についてご説明いたします。

 

その1.事前準備
その2.アポイントの取り方
その3.初回精査
その4.2回目以降の訪問
その5.クロージング
その6.アフターフォロー

 

苦労の末、ようやく案件も締結できて、営業マンの仕事はこれでお終い。と思って気を抜いてはいけません。顧客満足の高低は、アフターフォローの有無で大きく異なります。では何故顧客にご満足いただく必要があるのでしょうか?“売れればそれで良い”などと考えている方はいないと思いますが、念のため確認です。それは顧客の満足こそが、次なる新規顧客開拓に繋がる第一歩だからです。

 

言葉としては良く聞きますが、実際“満足”とはどういう状態なのでしょうか。
商品を導入する前の状態(期待値)と導入後の状態(実感した価値)を比べたとき、後者が前者を上回った場合、顧客は“満足”していると言えます。“期待値>実感した価値”のときは勿論、“期待値=実感した価値”でも“満足”にはなりません。すなわち“不満”です。
では、どうしたら“期待値<実感した価値”となりうるのでしょうか。

 

分かり易いパターンは次の2つです。
①そもそも、それほど期待していなかったが、使ってみたら存外良かった
②相応に期待していたが、それ以上に良かった。

 

①に関しては、そもそも期待値が低いわけですから、その値を上回るのは容易に思えます。しかし、それだけ期待値が低い状態で購入に至るでしょうか。“期待していないけど買う”というのは、大して欲しくもないモノに金を払うわけですから、よっぽど安いのか、或いは資金的な余裕があるのかですね。このような状況を期待するのは、現実的ではありません。
そうすると、大抵の場合②ということになりますが、これはこれで難しいものです。
自らが説明して、顧客に納得していただいて、購入時に顧客が期待した以上の価値を実感してもらわないといけないわけですから。

 

では、どうしたら良いのでしょうか。
a.顧客の期待値と想定しうる顧客の実感する価値との差を予め埋めておく
b.クレームが生じたときの対処法を講じておく
c.クレーム発生時には迅速に対応する
の3点ですね。いきなりクレームという、やや後ろ向きな言葉がでてきましたが、クレームは顧客からの貴重なご意見ですので、対応次第で満足度も向上します。順を追ってご説明しましょう。

 

a.顧客の期待値と想定しうる顧客の実感する価値との差を予め埋めておく
そんなことできるのか?と言われそうですが、不可能ではありません。言い換えると、顧客の期待値を予め数値化しておくといこうことです。前回、クロージングの際には当該商品導入時の顧客便益や成功事例を数値を使って具体的に説明することが大切と説明しました。このときに、“御社の場合”という数値を具体的にシミュレーションして提示するのです。提示したその数値が判断の基準になりますので、数値達成⇒満足、数値未達成⇒不満足ということができます。当初の商談では会話に挙がらなかったような話が後から出てくることもあります。“そんなことは聞いていない”と突っぱねたい気持ちも分かりますが、そういうときは相手も感情的になっています。まずはじっくり相手の話を聞いて、“当初はこのようにお話しされていましたね。○○の数値はこの様に達成して改善も見えていると思います”などと、一旦は引いておいて、その後、理と礼を尽くして説いていけば、状況も見えてくるはずです。もっとも、大前提としてシミュレーションの数値を達成していなければならないですが、それは次でご説明します。

 

b.クレームが生じたときの対処法を講じておく
こう書くと、“最初からクレームが出ると思って仕事をしているのか?!”とお叱りを受けそうですが、クレームというのは大なり小なりあるものです。大事なのはその時の対応方法です。過去にあった問い合わせやクレームとその対応結果を整理しておくと良いでしょう。
実は、いわゆるクレームは、ほんの些細なことをきっかけとして生まれることが多いのです。最初はちょっとした問い合わせや意見だったものが、その時の対応がいい加減で大きなクレームになることが少なくありません。逆に、顧客の意見を酌みとって真摯に対応すると大変感謝され、満足度が上がります。“クレームも対応次第で感謝の言葉”とはこのことですね。

 

c.クレーム発生時には迅速に対応する
これも当然のことなのですが、人はマイナスの事象からは目を逸らしたいものです。クレームも同様です。できれば逃げ出したい、そんな気分に追いやられることもあるでしょう。しかし、前述の通り、クレームは初期対応が非常に重要です。臆せずに迅速に対応しましょう。

 

顧客にとって“モノを買う”という行為は、契約をしたり代金を支払ったりという、その瞬間だけではありません。事前の調査や営業マンとのやり取り、購入後の一定期間も全部含めた活動が、“買い物”なのです。購入した商品そのモノに対する満足度が低かったとしても、事前事後の対応如何では、顧客満足度を高めることは十分に可能です。

冒頭に、“顧客の満足こそが、次なる新規顧客開拓に繋がる第一歩”と申し上げました。一連の購買活動を通して満足した顧客は、その喜びを周囲の人間に触れて回ります。いうなれば、あなたの営業マンとして活動してくれるのです。最近、多くのサイトで“口コミ”による評価が流行っていまるのが良い例です。これは個人の消費に限らず、企業経営者の同業者同士でも同様の情報交換がなされています。“悪事千里を走る”の諺どおり、悪い噂の方が勢いよく伝達されます。
“何よりも顧客のために”を意識した営業活動で、満足度を高め、顧客を味方につけることが望ましいですね。

 

6回シリーズでお届けしてきました“新規開拓営業のコツ”はこれで終了です。
いずれも極めて一般的で基本的な内容だったと思います。しかし、残念ながら多くの営業マンがこれら基本的事項ができていません。数字を意識し過ぎて功を焦ると、忘れがちなことばかりですが、逆に一つひとつ押さえていけば、目に見えて成果として顕れることでしょう。

 

次月以降では、営業現場で役立つコミュニケーションスキルについて説明していきたいと思います。

 

 

その5.クロージング << その6.アフターフォロー

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