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2013年の箱根駅伝に思う~企業経営の在り方~ 【長屋勝彦】

2013/01/14
長屋 勝彦

毎年、テレビで箱根駅伝を観戦するのがここ数十年来の習慣である。

今年は予選会から勝ち上がってきた日本体育大学が30年振りに総合優勝した。終了後、同大学の別府監督の「優勝の原因はチームが一つになれたことによるものです。」という談話が印象に残った。

 

「チームがひとつになれば,選手たちの目の色は変わる、選手一人ひとりがみずからの生活を律し,生きる基本から見直し,実践しはじめる、それをみんなで取り組んだ」ということだ。そのためには、3年生をキャプテンに指名し強力なリーダーシップのもとに当たり前のことを当たり前にやる。決められた時間に就寝し、決められた時間に起床し、決められたトレーニングを自発的に行う。いわば、「基本の基」に徹するということである。

 

翻って、企業経営の場合はどうであろうか。

このこと(「基本の基」)は企業経営にも当てはまる。企業としてのビジョンなり目標を持ち、その目標を達成するための計画を作成し、実施し、振り返り、その振り返りを次の計画に反映するというPDCAの繰り返し(マネジメントサイクルの形成)であるが、その場合、三つのことを肝に銘じ行動することが必要である。一つ目は、経営に対する原理原則を遵守することであり、二つ目は情報を共有化することであり、三つ目はビジョンを実現させようとする情熱をもつことである。

 

一つ目の原理原則は、マーケティング面では3Cであり、SWOT分析、5force、4Pといった原則に基づいた活動を行うことであり、二つ目の情報の共有化は活動のプロセス、活動の結果を全社員で共有し全社員の心を一つにすることであり、三つ目はビジョンの実現を使命と考え情熱を持ってその達成に努めることである。

 

今回の箱根駅伝をとおして、「基本の基」の重要性を認識した。

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦

築地の店内掲示に感動! 【岩本 亨】

2013/01/07
岩本 亨

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いいたします

新しい年が皆様にとって良い年でありますように、お祈り申し上げます。

 

年末、築地市場に買い物に行った。当日は築地の最終日でもあり、大変な混雑ぶりだった。とあるお店で買い物をして、帳場(お金払うところ)でお金を払おうとした時に、ちょうど目の高さくらいに、手書きで以下のような文章が貼ってあった。(文言はそのまま)

 

1.お客様には大きな声であいさつしよう

おはようございます。いらっしゃいませ。ありがとうございました。

 

1.一人のお客様に対して、皆んなが自分の担当の品をすすめよう。

 

1.商品は、一尾でも、一杯でも、一枚でも、気持ちよく、買ってもらおう。

 

1.常に商品の手入れをして、見た目(つき)を良くしよう。

 

1.お客様が気分良く帰ってもらう様に、応対に気をつけよう。

 

1.店に売り終わったり、無い商品でも、他店から買って間に合わせよう。

 

1.仕事をし旬らでも、お客様が来たら、手を休めて、商品をすすめよう。

 

1.なるべく、仲間にも売ることを考えよう。

 

思わず、「写真を撮っても良いですか?」と、帳場の女性にお願いした。商売の基本が凝縮されていて味わい深い。そんな思いに浸って店を後にした。

今年も基本を大切にして、一年間走っていきたいと思った。

社内旅行に参加して 【長屋勝彦】

2012/12/10
長屋 勝彦

精密加工機械部品製造会社の社内旅行に参加した。東北の秋の紅葉を愛でる旅である。その会社は、柔軟な納期対応により、高品質の製品を顧客に提供している。そのため、価格は多少高くても多くの優良企業と直接取引し、欧州経済の停滞、中国関係の悪化にもかかわらず好調な業績を保持している。その原因は、いわゆる匠の技という領域には程遠いが作業者である熟練された技能にある。

 

社長は、町工場規模から20歳代半ばで独立した方で、社員教育に熱心である。今から10年前、この会社の社員教育・指導の依頼を受けた。社員教育といっても技術面ではなく、自分自身の経験を通して優れた技術者、管理者となるための取り組み方、心構えについての指導である。

 

現在の作業レベルは、時間(残業)をかけてどうにか顧客の要求する製品を作り、顧客に届けている水準である。この会社が今後も生き残るには、時間をかけないで(残業をしないで)現在の作業レベルの仕事をこなし、よりレベルの高い(高精度)仕事への取り組みが必要である。そのための方策は自分自身で考え実行するよりほかは無い、いわば創出(仮説検証)の世界である。そのためには、自分が仕事で一流になるのだという気概を持つことが必要であり、そのための心構えを作業員(管理者を含め)に植え付けるのが社長から依頼された使命であると考えている。

 

常々従業員に、「自分のビジョンを持ち、この世界で一流になるように」と話しているが、反面、従業員個々人が個性を出しすぎると会社全体のチームワークにひびが入る。組織で仕事をするにはチームワークとしての和も必要であり、個人の力量アップと組織の風土作りが重要であると思っている。

宴会の席でスピーチを求められたが、「今回の社内旅行の意義は、野外研修であり、仕事を離れたときに何かを感じて帰るとともに、同じ釜の飯を食っていることであり、チームとしての連帯を深める場であって欲しい」という話をした。スピーチ後、診断士である自分にもこのことはいえると思った。 今回の旅行は、東北の紅葉を体験するとともに多くの人と話し、行動でき有意義なものであった。

環境変化に柔軟に適応すれば生き残れる 【岩本 亨】

2012/12/03
岩本 亨

ダーウィンは進化論の中で「最後まで生き残る種族とは、強いものでも知能が高いものでもない。変化できるものだ」と唱えています。環境変化に対応できないものは生き残れないということですが、これは生き物でも、組織でも同様です。

今年6月のブログにも書きましたが、金融円滑化法が今年度末で期限切れを迎えます。11月1日に金融担当大臣が「期限切れ後も、対応は何ら変わらない。考え方を踏襲していく」との談話を発表しました。「借入金元本の返済猶予(リスケ)を引き続きしてくれる」と解釈できそうですが、そうではないと思います。

もともと金融円滑化法は、「リスケ要請があったら、いったん受け入れてあげなさい。ただし一年以内にきちんとした経営改善計画を策定し、それに真摯に取り組み、成果を上げることが条件です」という趣旨です。その前半部分だけを根拠に「リスケは法律で認められた権利だ!」と主張する経営者もいたと聞きました。

では、今年度末の期限切れ以降はどうなるのでしょうか?。後半部分の状況次第で対応は変わるということだと思います。法律に定められた通り、リスケしてもらっても、一年以内にきちんと経営改善計画を策定して、真摯に取り組み、成果を上げている企業については引き続き支援してもらうことができるでしょう。ただし、そうでない企業は支援打ち切りになる可能性が高いと考えた方が良いと思います。

企業経営を考えれば当たり前のことです。自己資本と借入金で事業をしている場合、事業の儲けによって借入金を返済しなくてはなりません。景気が悪くなって、儲からなくなっても約束したお金は返さなければなりません。きちんとした経営者は、約束を守るために必死になります。

でも中には、「儲からなくなったのは、自分のせいじゃない。景気が悪いからだ。政治が悪いから景気が良くならないんだ」と言っている経営者もいます。この経営者のをどう考えますか?

友人から頼まれてお金を貸しました。約束の期限になっても返してきません。催促すると「景気が悪くて儲からなくなったから返せないんだ。俺が悪いんじゃない」と言われました・・・。と同じようなことです。もうしばらくはお金を返してくれるのを待つかもしれませんが、いつか限界が来ると思います。その人を助けてあげようなんて気持ちは、薄らいでいくと思いませんか? 金融機関も同じです。冒頭のダーウィンの言葉の通り、環境変化に適応しないと生き残れないのです。どんな組織でも、一個人でも同じです。

今年一年、いろいろな環境変化がありました。私自身どれだけそれに適応できたか? でき切れていない部分は、努力してそうなれなければなりません。そんなことを考えつつ、師走に日本中を駆け回ります。

中小企業にとっての「世界に一つだけの花」とは 【長屋勝彦】

2012/11/12
長屋 勝彦

テレビのニュースで、日本著作権協会が過去30年に放送、カラオケで歌われた歌100曲を発表し、その1位が世界で一つだけの花であるということを知った。

ナンバーワンにならなくてもよい、オンリーワンになればよいという歌詞が人々の共感を得たものである。この歌詞の意味はナンバーワンになろうとして背伸びをし、無理をした生き方をするより、充実感を得られ得る自分に合った生き方をすることが自分の人生にとって大切であるということである。

 

この曲は10年前に発表されたが、最初に聞いたのは中小企業診断士の実務補習の最終日で、中小企業診断協会東京支部に診断報告書を提出し、診断先での診断報告会で報告し、反省会も終わって帰途に就くタクシーの中であった。

 

人材、資金の乏しい中小企業の生きる道はニッチ市場であり、そこでトップ企業というよりオンリーワン企業を目指すべきであるということを日ごろから思っており、この歌が印象に残った。

 

あれから10年、今もその考えは変わっていない。ワールドワイドな事業展開を求められる環境にあって、人材、資金の乏しい中小製造業が生き残る道は日本に開発拠点を置く企業と連携し差別化できる技術を確立することにつきると今も考え、そのための中小企業支援に注力している。

 

しかし、活路を見いだせた企業もあるが、今は大きな成果は得ていない。今後も、中小企業診断士として何をする必要があるか、何ができるかといったことを常に考え行動していきたいと念じている。