ブログ

SKKコンサルタントが、経営に関するあらゆる話題をブログとして書いています。

お役に立つ情報が満載ですので、お時間のあるときにでも、ご一読ください。

補助事業を通した中小企業支援 【長屋勝彦】

2013/06/10
長屋 勝彦

5月は、先月に引き続き顧問先2社の補助金申請事業にかかわった。今回の補助金は、東京都中小企業振興公社が東京都商工会議所に委託した展示会出展支援助成事業の一環として、申請する企業の診断報告書の作成である。

1社は切削加工業者、後の1社は印刷加工業者であり、両社とも先月度モノづくり補助金を申請した企業である。診断報告書作成にあたっては、商工会議所出席のもと簡単な(2時間程度)申請中小企業が自社の経営状況について、アンケート形式により記述した内容及び直近2期分の財務諸表に基づくヒアリングである。

当補助金は難易度の低い部類に属するもので、両者について必要要件を充足し、認可された。一方、4月申請したモノづくり補助金は今月初めに採択結果が発表され、幸いにして2社とも採択された。 両社の社長にとって10百万円台の補助金の給付は初めてのことであり大変喜ばれるとともに、これを機に一層の技術開発に取り組む姿勢を示された。

中小企業支援に携わる者として、中小企業の経営者がやる気をだし将来に向かって革新に挑戦する姿を見るのは喜ばしい限りである。小職の使命として中小企業の成長支援にあるが、中小企業の更なる力量アップを目指す意味で、次回は中小企業に係る補助事業としては最難関である戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)への挑戦を顧問先企業に進めていきたい。

 

なお、ものづくり補助事業は、第3回目の募集が行われているが、応募していない顧問先企業にも進めていきたい。 補助事業をばねとして、中小企業が技術力をつけ発展するのを願う今日この頃である。

以上

価値観の違いを活かす 【岩本 亨】

2013/06/03
岩本 亨

東京商工会議所が平成21年10月に発行した「中小企業のためのダイバーシティ推進ガイドブック」では、「ダイバーシティという言葉は通常『多様性』と翻訳され、企業経営においては『人材と働き方の多様化」を意味します。」と紹介したうえで、ダイバーシティを活かした経営を、「従業員の様々な『個性を基とした違い』を企業内に取り入れ、活用することにより、組織力を強化すること」と定義しています。

もともと職場においては、極論かもしれませんが「共通の価値観で行動を制限しなければ、統率がとれない」との考え方が一般的でした。「一人一人の価値観を認めたら、組織が崩壊してしまう」と考える経営者やマネジャーもいたのではないでしょうか?

そういえば、組織論の泰斗 チェスター・バーナードが唱えた組織の成立要件は「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3つで、共通価値はありません。共通目的が明確であることが重要で、どんな価値観を持っているかについては触れられていないのです。

 

日常にも価値観の違いを感じさせることがありました。

先月、出張の際に実家に一泊。夕ご飯は、母が作ってくれました。献立はその日、山から採ってきたうどのきんぴらや山菜の天ぷら、家の前の畑から取ってきたばかりの野菜のサラダ、近所のスーパーで買ってきた地物のトビウオとイカの刺身でした。私が絶賛すると、母は「こんなものがごちそうかねぇ?。魚以外は家の周りで採れたものだけど」と言っていました。野菜は取りたてならではの「香り」と「甘み」と「えぐみ」がありました。こんな野菜を東京で食べようとしたらとんでもない値段になってしまうでしょう。お店で買ってきたのは刺身くらい。それもその日の朝、獲れたもので新鮮でした。

東京と故郷とどちらが豊かなのか? 経済的観点では明白です。でも人は経済価値だけでは評価しません。収入は低くても、田舎でゆっくり、地産地消でおいしいものを食べて暮らしたいという人もいますよね。

補助事業が中小企業経営に与えるインパクト 【長屋勝彦】

2013/05/14
長屋 勝彦

阿部のミックスの成長戦略のおかげで、今年は中小企業のものづくりに対する支援策が厚い。その一環として、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金(以下ものづくり補助金)をはじめとして地域需要創造型等起業・創業促進補助金(以下創業補助金)に係る公募が3月中旬から4月中旬に行われた。

ものづくり補助金の申請には経営革新認定事業期間の確認書が必要である。

今年2月に経済産業省の経営革新等認定支援機関としての認定を受けていたこともあり、顧問先の要請により補助事業に係る補助金の申請支援にかかわった。

 

補助金の申請支援は、10数年前に独立して以来の仕事である。当時は今より暇があり、中小企業ベンチャー振興基金(中小企業投資育成株式会社)、中小企業基盤整備機構(当時の中小企業事業団)の課題対応研究開発事業、繊維に係る研究開発事業、NEDO(新エネルギー開発機構(NEDO)の研究開発事業、都道府県の行う中小企業創造活動促進法に係る研究開発補助事業等に係る顧問先の補助金申請支援の他、中小企業投資育成株式会社に対する転換社債の申請支援と、独立後数年間は申請書作成支援の仕事に明け暮れた。

 

独立間もない若手社長と問答の末申請書を作成したこと、認可された補助金を活用し補助事業活動を行い一定の成果をあげたが、民事再生のため、作成者が解雇され報告書の作成が困難となり、代わって作成し補助金の交付を受けたこと、提出期限が迫り電話とメールによる支援により提出期限に間に合わせたこと、友人の紹介で作成を支援したが代金が現在も未払いになっていることなど、当時の出来事が懐かしく思い出される。蛇足であるが、現在も、かかわったすべての方とは交際が続いている。

 

補助金の意義は、補助事業(研究開発)による業績の向上、顧客及び金融機関等ステークホルダーからの高い評価による経営力の向上にあるが、補助事業がテコになり経営者をはじめ従業員が研究開発による価値創造を目指そうとする意欲が高揚されることにある。当然その結果は、企業の持続的発展と雇用の増加をもたらし地域発展に貢献することになることに繋がる。しかし、その反面、単に補助金の受給を目的とするのみで研究開発活動におざなりな企業、補助金を支給されたが経営不振により中座し辞退した企業、補助金を運転式に廻した企業、個人のために流用した企業もある。

 

補助事業の支援にあたっては、当該企業の事業領域、製品力、技術開発力を診断することが必要であるが、経営者としての資質、心構えも見定め、これからも、グローバルニッチトップ企業を目指す中小企業支援の意味でも補助事業支援を行っていくこととし、今年度は、大型補助事業であるサポイン(戦略的技術基盤高度化支援補助事業:3年間、1億円弱)を目指す企業の育成指導を図ってきたい。

 

以上

二人の恩師からの挨拶状 【岩本 亨】

2013/05/06
岩本 亨

先月、二通の定年退職の挨拶状が届いた。いずれも高校時代の恩師からのものだった。一人は剣道部の顧問として3年間ご指導いただいたI先生、もう一人は高校2・3年生の副担任としてお世話になったH先生である。 お二方の文章ともに38年間の勤務を振り返り、赴任先それぞれでの経験や印象を一文章に集約してコメントされている。積み重ねてこられた「各職場での仕事」についての強い思いが伝わってくる。挨拶状は一読してそのままということがほとんどだが、この二通は何回も読み返した。

私の母校は島根県立川本高校である。I先生は「昭和五十年邑智郡の伝統校である川本高校を振り出しに、・・・」と、H先生は「諸先輩の熱い指導に鍛えられた川本高校時代・・・」とコメントされている。今は統合されて島根中央高校になってしまった。

過疎地の山に囲まれた、普通科3クラス/商業科2クラスの全校生徒600名程度の小さな高校だった。 2・3年に進学クラスが1クラスあり、40名ほどが大学受験目指して勉強していた。まわりに進学予備校など全くなかった。若い先生中心に(多分自主的に、無報酬で)、朝7:50~始業までと放課後のそれぞれ1時間程度を使い、受験勉強のための補習授業をしていただいた。時間外勤務であるにもかかわらず、本当に熱い授業だった。私自身、そのおかげで大学に現役合格できたと今でも感謝している。

私も社会人になって28年が過ぎた。19年間会社員生活を送り、その後独立して9年目を迎えている。10年後私もこの二先生のように、自分のしてきた仕事を振り返って、「本当に良かった!」とコメントできるよう努力していかなければと強く思った。

既に独立しているので私に定年退職はないが、社会貢献できる限りは活動し続けたい。そのためにもビジョンを明確にして、迷った時にそこに戻って考えられるようにしなければと、思いを新たにした。

I先生、H先生、本当にお世話になりました。ありがとうございました。38年間お疲れ様でした。

カテゴリー:  人材育成, 岩本, 岩本亨

創造性開発 思考は熟成する    長屋 勝彦

2013/04/08
長屋 勝彦

「短気は損気」、「一晩眠れば別の考えが出る」という言葉を聞く。

子供の頃、親から「自分で出した結論を実行する前にもう一度考えてみろ」とかサラリーマン時代、先輩から「決して、一夜漬けのやっつけ仕事はするな」と言われた。要するに、「自分で自分が出した考えを、その考えが正しいか再考し決定せよ」ということである。

前述のような日常的なアイデア出しから世紀の大発明と言われる発明・発見に至るまで、どのようにしてアイデアを創造するか、その創造プロセスの解明に大きな意味を感じる。 一般的に、創造性の開発は、脳の働きと関連があるとされる多くの書物がある。

あるアイデアを出したいという命令が脳の神経細胞に伝わり、その神経細胞を通して大脳新皮質を刺激し、言語的、論理的思考を司る左脳、直感的、総合的思考を司る右脳を刺激し、アイデアが創造されるといわれている。そして、アイデアを出したいという意識を強く持ち続けることが発明・発見には必要であるとされている。その一例としてアルキメデスが王からの命令「王冠を壊さないで本物か、偽物かを判別せよ」に対し湯船の中で浮力の原理を発見したのは有名な話である。

又、数学者でエッセイストでもある奈良女子大学岡清教授(1971年~1978年)の言葉に、創造性開発について「徹底的に考えよ、タテヨコナナメ十文字考えぬいて、それでもだめなら寝てしまえ、寝ているうちに創造性の扉が開く」という言葉がある。絶えず一つのアイデアを出そうという強い意志が働くとその意思が脳神経を通して大脳新皮質を刺激し、寝ている間も、又、何かのきっかけにより、アイデアが出るという一例である。

よく聞く話は、眠る時もメモ帳をまくら元に置き寝ている間に、夢の中で、気がついたことがあれば忘れないうちのメモをとるということであるが、いまだかってそのような経験をしたことがない。しかし、前日考えたが、良いアイデアが出ない時でも、再度次の日に考えてみると満足するアイデアが出るといったことは経験する。

 

身近な話として、ケーススタディの事例文を考えている時、試験問題の採点で受講生のコメントを考えている時、に経験する。そのような訳で、現在、依頼された試験問題の作問は必ず一週間程度の余裕をおき依頼者に提出する。

 

創造性開発の大家であるサイバネティクスと大脳生理学より創造工学を提唱した中山正和氏は、「問題とは3日かかっても解決できない問題」であると言う。

 

ある企業の家訓として「念ずれば花開く」という言葉が額に入れ、飾られている。

今後も、集中して徹底的に考え、良いアイデア出しを行うということを通して、自己研鑽に努めるとともに、周囲の方のために貢献して行きたい。

カテゴリー:  経営情報