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禅の夕べに参加して 【長屋勝彦】

2013/11/11
長屋 勝彦

2013年10月25日-26日総持寺の「禅の一夜」に参加した。動機は顧問先の会社の若手社員研修ということであるが、当会社から社長、工場長、幹事役の業務企画室長と小生を含め7人ということで研修対象者より付添いの方が多い参禅となった。

 

坐禅は2日間を通して40分を6回であったが、途中に法話、写経、床の拭き掃除があり退屈しないスケジュールであった。消灯は21時、起床は4時であったが、坐禅の途中眠気に誘われることはなかった。

 

坐禅に当って、禅の心得、坐禅の構えについて説明を受け、坐禅に入った。坐禅の心得として、姿勢を整え、息を整え、心を整える、ことを聞いた。自分の場合、正式な座り方、「結跏趺坐(けっかふざ)」(右足をぬいて左ももに深くのせ、さらに左足をその上から右のももにのせるすわり方)でできず、初心者や体の堅い人が座る「半跏趺坐(はんかふざ)」(右足をぬいて左のももに深くのせる座り方)で行った。それでも足がしびれが気になり、呼吸は整えられるが心を整え、無心になることはできなかった。

 

最初の坐禅が終了した後にグル―プ討議形式でインストラクタ―の方(僧侶)の主導により反省会を行ったが、途中で足にしびれが来たら座り直してもよい、座り方も胡坐でも、正座でも、椅子に座った形でもよいとのことであった。要するに呼吸を整えることにより無心になることが禅の目的であるということである。

 

回数を重ねるにつれて座り慣れたというか座ることが苦にならなくなったが、その時は顧問先の行く末を思い、無心の境地になることはできなかった。帰りの反省会でこのことを話したら、ある人からは苦笑され、別の人から感心された。

又、今回の参禅の法話で「三昧」という話を聞き曹洞宗は禅三昧、別の宗派は念仏三昧という説法を聞いた。三昧とは仏教語で心を一つの対象に集中し動じないことをいう。自分の対象は何であるか改めて自身に問いかける昨今である。

以上

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クレーム対応研修のそのあとで 【岩本 亨】

2013/11/04
岩本 亨

先日、某県の酒販卸組合の方々向けに「酒にまつわる上手なクレーム対応について」というテーマで講演をさせていただきました。

酒販店にお酒を卸す仕事をされている方々ですので、酔った人に絡まれた時の対応ではないなと思いつつ、事前に具体的なクレーム例をヒアリングして、一般的な内容であることがわかりました。

講演の冒頭「どんなクレームがあるのか?」と改めてお聞きしたところ、「納期に遅れた」「製造日が古い」「担当者の応対が悪い」「メーカーの方針が気に入らない」「会社の考え方が横柄だ」等々、特に「お酒にまつわる」内容ではありませんでした。

納期管理、在庫管理、コミュニケーション等の基本に忠実に対応すべきこと。モンスターと言われる悪意あるクレーマーの対処方法等についてお話ししました。

講演が終わり、200キロほどの移動で高速バスに乗るために、最寄駅西口のバスチケット売場に行ったところ、販売員が席にいませんでした。隣の窓口の別会社の販売員に聞いてもわからないとの答え。5分以上待ってやっと戻ってきた60代の女性販売員に行先を告げたところ、謝りもせず「それは東口で買ってください」の一言。納得いかないまま東口に行き、チケットを買うついでに、西口の出来事をお話ししたところ、非常に申し訳なさそうに「そうですか・・・、良くあるんですよね」と受け流されてしまいました。

クレームの初期対応で、クレームを言ってきた人に「仕方がないと思っていただく」ということがあります。このケースでは、まさにそんな気になりました。

西口の販売員の対応はもってのほかですが、東口の方の「良くあることで・・・」との対応は、結果的には評価して良いものではないかと思います。

その応対は受け手によっては火に油を注ぐことにもなりかねないかも知れません。しかし、申し訳なさそうにしつつ、わざと深刻に受け止めて無いというそぶりをすることで、私に「しょうがないなぁ・・・」と思わせたのですから、高等テクニックと言っても良いのでは?とバスの中で思った次第でした。

小説家山崎豊子さんをしのんで 【長屋勝彦】

2013/10/14
長屋 勝彦
9月30日小説家山崎豊子さんが亡くなられた。彼女の小説のファンではないがテレビでは華麗なる一族、運命の人を見た。「華麗なる一族」で万俵大介役を演じた北大路欣也、「運命の人」で弓成 亮太役を演じた本木雅弘の好演技もあったが、徹底した取材と綿密な脚本構成、圧倒的な筆力によりダイナミックに展開されるドラマに釘付けとなった。
山崎作品は巨大な社会の権力構造の中に埋没せずその矛盾、不正に立ち向かう社会派ドラマで、その作品を通して読者に訴える真情が読者や視聴者の心をわしづかみにするとともに、社会に大きな問題を提供し社会構造改革の発端となった。
翻って、自分自身の生き方はどうか。他人の行動に対してみてみぬふりをすることはないのか。中小企業のコンサルタントを生業とする自分としてクライアントにどのように接しているのか、自分自身の立場をかばうためにアドバイスを躊躇することはないか。常にあるべき姿をめざし行動しているのかといった日頃の行動に対する自分自身への問いかけが頭をよぎった。
こういった問題に対し、相手に対しアドバイスすることが面倒になることもあるが、気を取り直し常に飽きずに相手とのコミュニケーションによるコメントを心掛けている。
要は、基準とか公準といったものを尊重し、軸がぶれないような、後で悔いを残すことのないような生き方をしたいと願っている。
その意味で、NHK大河ドラマ八重の桜には共感を覚える。主人公のいう、ならぬものはならぬ、である。そのような生き方で余生を過ごしたいと願っている。本音で話し合う態度でクライアントと対峙すると思わぬ展開となることがある。どのようなことになっても後悔しないで、自分の信条に恥じない行動を今後もとって行きたい。
どのような職業についてもいえるが、コンサルタントとしての使命は何か、自分に何ができるか、何をしなければならないか常に考え行動しなければならない。今月下旬、鶴見の総持寺でクライアントの方6名と1泊2日の予定で参禅する。どのような体験ができるか楽しみである。
以上
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古いモノから新しいモノへ 【岩本 亨】

2013/10/07
岩本 亨

今年は出雲大社の60年ぶりの遷宮と、伊勢神宮の20年に一度の遷宮が重なる珍しい年にあたる。4月、私の故郷でもある島根県に出張した折に、出雲大社に立ち寄り、新しい社殿を文字通り垣間見た。古い社殿から新しい社殿に遷宮されるのは、技術伝承の意味合いもあるとのこと。

関連があるようで、そうでも無いような話題を・・・。

仕事で酷使している、出張用の黒色のバッグをセットで買い替えた。キャスター付きの大きめのバッグと、いつも持ち歩いている、A4サイズの書類が、厚さ20 cmくらいでも楽に入るバッグである。買ってからもう10年近くも使っていたものだったので、相当に愛着を持っていた。持ち歩いているバックは日に焼けて赤みを帯び、やや褐色に変色していた。キャスター付きのは、キャスターを取り換えて使っていたが、一度の出張で徒歩で3キロくらい移動することもあり、かなり傷んでいた。ここまで使い込むと、ただの道具というより、欠かせない仕事のパートナーのような感覚を持ってしまう。以前、このコラムにも書いたが、仕事で履く革靴も、靴磨きをするたびに愛着が大きくなる半面、だんだん傷んでくる様子に心が痛くなってしまう。

古いモノから新しいモノへ。遷宮は極端にしても、身近な仕事道具でも新しくしていかないと、永遠に使い続けることはできない。

組織もまたしかり。新陳代謝を促進させて、活性化しないと、停滞してしまう。停滞しすぎると悪影響が出てくる。水も澱むと腐ってしまうものだ。

私自身、関与する組織が増えている。中には8年以上代表となっている組織もある。なかなか新しいリーダーが現れてこない。組織が澱んでいる証拠のような気がする。新陳代謝を促進したいと思う。

稼働率分析に思う 【長屋勝彦】

2013/09/08
長屋 勝彦

A社は治工具、試作部品等の精密切削加工を行っている中小企業であり、顧客は高精度の品質とともに短納期を要求する機械製作企業である。このため、A社は個別受注生産方式による単品生産を行っており、段取り時間、手待ち時間が多く、切粉を出し実際に加工している機械加工時間が短く、稼働率向上が課題となっている。

 

この度、今年度の国の中小企業施策「モノづくり補助事業」に応募し、採択され、その一環として同社の稼働率分析を実施することとなった。

 

分析手法としては、ストップウオッチにより作業者の作業時間、作業動作を分析したり、作業者の作成した作業日報により分析したりする方法があるが、今回は正確性と客観性(見える化)の観点からビデオカメラを設置し作業者の作業状況(作業時間、作業動作)を分析することとした。

 

この方式を実施するに当たり、複数の友人に意見を聞いた。

「作業状況をビデオカメラにより監視されている」という考えから作業者にはプレッシャーになることも予想されるが、自動車製造業では実際の作業現場に導入されている、「作業中は生産性向上を目的として会社のために働いているのであり非効率な作業があればビデオカメラを診てリーダーがコメントをするのは必要なことである」という考えもある、「但し生産性向上の成果は会社のためだけではなく、作業者にも配分されるという考え方が管理者、作業者の双方の根底に必要である」というコメントであった。

A社の社長、工場長には、このようなコメントを説明し、了解の上、改善策実施前、改善策実施途上、改善策定着後の3回について行うこととなった。

稲盛氏の著書「働き方」にあるように、「ベストを尽くすのではなく、完璧を追及する心構えで仕事に対応することが必要である」ということを実感した。

 

このような考え方を作業者の方も理解し、自ら改善に取り組んでもらえるように願っている。

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