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サービスとホスピタリティ~長屋 勝彦~
長屋 勝彦
先日、NET販売によりある商品を注文した。NET販売はコロナウイルス蔓延の影響により日常生活にも浸透しているが相手の顔が見えずどちらかといえば避けたい気持ちが強い。
今回はNETに掲載されている提供元(仕入れ先)を特定することができたので先方に連絡し商品を注文した。代金を振り込む段階になり先方が連絡してきた振込先の銀行口座に振り込みを行おうとした。先方は複数の取引銀行を指定してきたので比較的規模の大きいT銀行口座に振り込もうとしたがその銀行の支店名がATMに存在せず別のA銀行の支店から振り込んだ。
前もって、仕入れ先にはメールで振込先銀行名を連絡しておいたので先方にその旨を電話しようとしたが、「本日の業務は終了しています」という留守電の返答で相手にその旨を連絡することができなかった。帰宅しメールによりその旨(振込銀行変更)を連絡したが丸一日経過した現時点でも返信がきてない。
銀行で振り込みを行った時間が午前11時頃であり、その時点で仕入れ先が「本日業務は終了しています。」という応答は理解できない。せめて、その日が休日であったとしても「当社の就業時間は○○時から○○時です。ご用件を承ります。」といった留守電が欲しい。又、受信したメールの返信が1日たってもないのも問題である。
本件について先方としては「メールを通じて相手と仕事(取引)ができているのであり、それで問題はない。」と考えいるのではないか。
しかし、注文した者としては、相手先からの最初の取引条件を連絡してきたときのメールに、「1週間以内に振り込みを確認できない場合は注文を取り消します。」という文言があり、今回の事件により代金を振り込んだにもかかわらず相手方が代金振り込み先変更に気づかず、A銀行からの振り込みを確認しなかったことにより商品が配送されなかったという事態も想定され、安心できない状況にある。
サービスとは召使が主人に対して奉仕するという意味であり、ホスピタリティとは相手方を歓待する(おもてなしをする)という意味であるが今回の事件はいずれをも欠いた事件であったと思われる。
マーケティングではサイレントクレームという言葉があるが顧客喪失を起こす問題でもあり商売をする者にとっては常に相手の立場に立った行動が必要であると痛感する1日であった。
以上
読書三昧の日々は続く・・・ 吉田健司
吉田 健司
私は、一人でも多くの人に古典を学んでもらいたいとずっと思ってきた。人それぞれだと思うが、私にとっての古典は中国の古典、特に秦以前の時代を題材にした古典である。
長年古代中国の古典を読み、関連する歴史を学び、古代中国を題材とした小説を楽しんでいるが、きっかけは、PHP文庫の中国古典百言百話(文庫版)全14巻を読んだことである。これらを読んで、日本人にとって貴重な人生訓・処世訓になっている故事・名言・名句が数多く生まれた古典を学んでみたいと思うようになった。
私が初学者として、仕事の役に立つのではと選んだのが岩波文庫である。内容は書により異なるが、私の蔵書では訳文中心の書と原文・読み下し・現代語訳(口語訳)・注(校注)で構成されている書に大別できる。前者は春秋左氏伝、史記列伝、史記世家、後者は論語、孟子、荘子、韓非子などである。
原文は私の漢文能力では歯が立たないため、参考程度にとどめて読んだ。その後、韓非子だけは原文を読みたくなり、高校の漢文の参考書を購入して漢文を学び直し、通勤時間を利用して1日数ページ程度コツコツ時間をかけて読み切った。以後、韓非子は会社勤め時代の座右の書となった。
今年の巣ごもり期間に易経と論語を再読することができた。何十年ぶりである。今回は原文を読むのにも時間をかけた。原文を1センテンスごと読み、読み下し文で確認する作業を根気よく続けた。とても有意義な時間であった。
日本の古代史においても757年施行の養老令のうち大学・国学の教職員、学生に関する事項を規定している学令で儒教の経典が教科として位置づけられ、論語は孝経とともに必須とされているほど重要視されていたようである。日本人と中国古典のかかわりの深さをあらためて感じている今日この頃である。易経は近いうちにもう一度通読したいと思う。
~コロナウイルスに学んだ教訓中小企業者へのアドバイス~長屋 勝彦
長屋 勝彦
コロナウイルス緊急事態制限が全国的に解除された。解除されたからといって自由な外出が全面的に許可されたわけではなく、今後も3蜜を守り徐々にこれまで規制されていた条件を緩めていくというリスク管理の手法に準じて解除されていく。
今回のコロナ騒動(コロナウイルス蔓延による人々の活動制限)が完全に収まったわけではなく、今後も2次、3次と感染が予想されるが、総括として今回の騒動により得た教訓として3点を挙げたい。
一つはリスク管理体制の欠如、二つ目は環境変化に伴う対応、三つめは事実の記録である。
一つ目のリスク管理についてはウイルス蔓延に伴う医療体制の不備である。企業経営面では調達価格の安価な中国をはじめとした東南アジア諸国からの輸入に依存した結果生産活動に支障をきたした。個人生活面でもマスク不足、消毒液不足は現在も完全に解消されていない。中小企業としては在庫の備蓄、調達先の多様化といったことを検討する必要がある。
二つ目の環境変化はIT化の進展によるリモートワークの推進、医療産業に対するビジネスチャンスの増大である。企業は環境対応業であるといわれている。中小企業においてもインターネットを活用したWEBビジネス展開のためITリテラシーの向上、自社の新規事業として医療産業分野にどのような形で参入できるかを検討する必要がある。特に中小企業としてはIT化、新規事業・新製品に関する補助金を活用し推進することも必要である。
三つ目の事実の記録は、政府においても議事録の不備が話題となっている。失敗に学ぶということが言われているが、どのような観点からどのように推進したのかその結果どうなったか、仮説検証の意味でその結果を振り返り何が問題であり、今後その問題を解決しどのように進めていく必要があるかといった事柄を記録としてとどめておく必要がある。中小企業としてもPDCAを順守した経営体制を敷いていく必要がある。
以上の三つを教訓として今後も中小企業支援を図っていきたい。
以上
「読書三昧の日々に思う・・・」 吉田健司
吉田 健司
以前コラムに書いたが、私は読書をして落ち着いた時間を過ごすのが好きである。初めて中小企業診断士の試験を受けた平成13年ごろに「年間1,000時間の読書」という目標を立てたが、何とか約20年間目標達成が続いている。今では旅行や出張で外泊する場合を除き、毎日3時間程度の読書は習慣になっているので、「年間1,000時間の読書」を意識することもなくなった。
これも以前コラムに書いたが、私は、自己啓発とは自らの意志により、能力開発・向上、知識向上、技能向上、精神面の成長などを目標として、学習、訓練、体験、経験などを継続して積み重ねていくことであると考えている。読書を通して得られる創造的活力や心の豊かさ、物事に対する理解力などが自身の教養を育んでくれると思っている。
外出自粛の日々を岩波文庫、新書漢文大系(明治書院)、中国古典新書(明徳出版社)、中公新書、講談社学術文庫で中国の古典やその時代をテーマとした書籍を再読して過ごしている。集中して読書ができるので、自分なりに考えを巡らせながら読んでいる。地図上で地理関係を確認したり、年表により時代を比較したり、日本の歴史や朝鮮半島の歴史と比較したりすることで、新たな気づきや発見がある。
例えば、稲の伝来の所説の一つとして、中国の揚子江流域の人々が朝鮮半島を経由して日本に稲作をもたらしたという説に興味を持ち、過去に関連する本を読んだ。今回再読して、呉越同舟、臥薪嘗胆などの四字述語でしられる中国春秋時代の呉国と越国の争いで敗れ、国を失った呉の人々が朝鮮半島や日本に移動してきたという意見に触れたときとても強いインパクトを受けた。なぜかというと、呉越戦争を描いた「呉越春秋湖底の城(宮城谷昌光著)講談社文庫」を途中巻まで読んでいるからである。司馬遷は史記世家の第一に呉国の歴史を記述している。呉の滅亡は紀元前473年とされ、日本は縄文晩期にあたる。
このような体験はまさに再読の醍醐味であり楽しみでもある。
~人事を尽くして天命を待つ~長屋 勝彦
長屋 勝彦
長年付き合いのある切削加工会社の経営者の友人が苦境に立ち入り万策尽きた時に、「できないものはこれ以上できない」と言う。後は野となれ山となれというわけではないが、やることはやったのであとは天命に従う、つまり失敗した時は天が自分に味方してくれない、仕方がない、つぶれてもよいといようなことを真顔でいう。
戦国時代にも戦に当たって万策策を講じたがいざ出陣に際し茶人の立てた茶を飲み干すときの心境である。
友人の会社は景気遅行型の企業であり、数年間の苦境の後、数年間の好況期を迎え苦境期の赤字を一掃するという会社である。このような景気サイクルを何回となく経験し今日に至っている。
彼は苦労人で、目配り、気配りのできる人間であり、社内外の評判も良い。又、思い切った前向きの投資をするが見るべき成果がなく、サステナブルな(持続的成長型)企業とは縁遠い企業である。
そのような彼に対し、「企業はサステナブルである」、「企業は顧客と従業員のためにある」、「不要不急の出費は避ける」、「我を捨てる」、「人情に流されない」、つまり「ネバーギブアップ」といったことを言うが、耳を傾けない状況である。
彼は今、健康を害し一線を退き治療に努めている。時たま電話で心境を話し合っている。コロナウイルス蔓延の昨今、未来を信じ、気持ちを強くできることに全力で取り組まなければならないと想うこの頃である。
コロナウイルスが治まったら人生について語り合いたいと思うこの頃でもある。
以上