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私の研究会活動  吉田健司

2016/06/27
吉田 健司

私は、中小企業診断士として一般社団法人東京都中小企業診断士協会に会員登録している。協会では様々な活動を行っているが、その一つに研究会活動がある。現在、私は、一般社団法人東京都中小企業診断士協会中央支部の二つの研究会に所属している。インストラクション・スキルアップ研究会(ISU研究会)と代理店ビジネス研究会である。
ISU研究会は、会員同士が切磋琢磨し、プロコンサルタントに求められるコミュニケーション力・プレゼンテーション力・ファシリテーション力を向上させることを目的としている。
代理店ビジネス研究会は、代理店ビジネスに関する実践的コンサルティングとして、以下の研究行うことをテーマにしている。
・代理店に関する業界動向・ビジネスモデル・ビジネスプロセスを解明
・代理店向け診断メソトロジーの研究、及び、診断テンプレートの開発
・トライアル診断として、実践を通じた当研究会の成果検証
この時期の研究会活動における関心事は、何といっても新会員の入会である。うれしいことに、今年はISU研究会も代理店ビジネス研究会も複数の新会員をむかえることができた。新しい仲間との出会いは、人生を豊かにしてくれるように思う。
ISU研究会での活動は、私に知識の深みをもたらしてくれる。また、損害保険会社に37年間お世話になった私にとって、代理店ビジネス研究会での活動は、損害保険業界においてこれから何か貢献できることはないか、考える機会を与えてくれている。どちらの研究会も自己研鑽の場である。
今月、代理店ビジネス研究会にとって新たな慶事があった。出版である。タイトルは「損保代理店 成功の秘訣」、八木田鶴子監修、代理店ビジネス研究会著、出版社は同友館である。私は執筆者ではないが、総合レビューアとして参加した。現役時代から付き合いが続く何人かに読んでもらって、感想を聞くのが楽しみである。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

魅せる~長屋 勝彦~

2016/06/13
長屋 勝彦

 久し振りにやる気の出る研修に巡り合えた。
 10余年以上もお世話になっている理容店の店長から声がかかり、というよりこちらから売込み理容店の従業員である理髪師さんを対象に研修をさせていただくことになった。テーマはサービス業のマーケティングマネージメントである。

 当店の代表である社長は自分自身でお店のマーケティングを実践しているということで、小生のテキストを見て「この程度の話であれば朝飯前」ということを言われた様である。

 そこで、「原理原則に立ち返り、実践に即し、徹底的に考える」という視点に立ち話をすることにした。サービス業の経験はないが営業で長年にわたり体験した題材とデータに基づき90分、6回の研修を寺子屋の先生スタイルで行っている。

 サービス業のマーケティングについて、コトラーはアウターナルマーケティング、インターラプティブマーケティング、インターナルマーケティングについて説いているが、店長相手ということで、お店目線で従業員の顧客に対するインターラプティブマーケティング、従業員に対するインターナルマーケティングを対象とした。

 例えば、マーケティングについてコトラーは価値創造と交換というが「マーケティングはどういうことか」、「価値創造は何か」、「交換は誰が誰と何を交換するのか、価値創造とどんな関係があるのか」といった禅問答のようなことを受講者と話し合い進めている。

 通常、理髪店、俗にいう床屋課業は、せいぜい3人留まりで営業している店が80~90%、客は近所の住人で70%~80%が固定客という商売であるが、今回の理容店は、従業員数十名、店舗は都心の一等地、一流ホテルにも店を構える法人企業である。

 受講者も両親が理髪店を経営しているものもいるが、両親と同じような商売をする気はなく、この道で一流になり生き残っていこうとする思いが強く、話の最中でも挙手をし、質問し自分の意見をいう者が多い。

 そのようなことで、自分自身も数十年前の営業時代に立ち返り若さをもらったような気がする。中小企業診断士の研究会では会員全員で毎月3分間スピーチと称してプレゼンの練習をしているが研修では言葉に気が入り、身振り手振りも自然と出ているように思う。

 最近では、毎回のスーツ、シャツ、ネクタイといった服装にも変化を持たせ受講者と対話することに気を使っている。

 長島氏が選手時代、観客に見せるため歌舞伎を見に行き役者の動作を研究したという話を聞いたことがある。少しで受講者に感動を与える人でありたいと念じ今回も研修に臨もうと思うこの頃である。
以上

カテゴリー:  経営情報

私の読書習慣2 「三読」 吉田健司

2016/05/23
吉田 健司

以前「私の読書週間」で、読書時間について書いた。今回は、私の読書法「三読」について書きたいと思う。私は、ふたつの「三読」を心がけている。一つ目は、1冊の本についての「三読」である、つまり3回読むことである。私の場合、読書をしている間でも、頭の中に別の記憶がよみがえり、目の前の本に完全に集中できないことが多い。そのため1度目は、何が書いてあって、どんな印象を持ったかという段階で終わってしまう。2度目は、じっくり内容をかみしめながら読む。3度目は、その本の評価をしながら読む。そして、この「三読」の結果で、書斎の本棚におけるその本のポジションが決まるのである。時には1度目でポジションが決まってしまう本もあるが。
二つ目は、時間軸を意識した「三読」、私が名付けた初読、積読、再読である。初読は、最初に本を手に入れた時に読むことである。前に述べたように、この時の読み方は、繰り返しての3度読みである。
積読は、通読しないで置いてある状態のことである。一般的に積読の意味は、本を買うだけ買って、読まないで積んだままにしておくこととされているが、私の積読は、初読後に通読しないで積んだままにしておくことである。積むといっても本棚に整理してある。読まない本をとりあえず買うということはしない。資格受験の参考書をまとめ買いすることもしない。積読状態の本は、参考書的に調べものなどに利用している。また、本棚に並ぶ背表紙を眺めていて、何か思いついたときに手に取ることもある。
再読は、積読状態の本を久しぶりに通読で読み直すことである。読み直すことで新しい発見や気づきがある。テーマを決めてまとめて何冊か読み直すこともあるし、一冊の本を集中的に読み直すこともある。年に一度読み直すと決めている本も何冊かある。
再読では、本の書かれた時期を確認すること、自分が購入した時期を振り返ることを行っている。そのため本の書かれた時代、出版された時期などを、出版の年月日や序文などの年月日でおさえながら読むようにしている。当時と今、本の内容は変わらないけれども、自分が色々な面で変わっているので、その本から伝わってくるものが変化している。少しでも成長のあかしを実感できれば良いのだが、自省することの方が多いように思う。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

落語修業に学ぶエクスターナルマーケティング~長屋 勝彦~

2016/05/08
長屋 勝彦

 5月連休後半の初日5月7日の朝、早朝ジョギングから帰り、いつもの習慣で何とはなしにテレビをつけた。番組の途中であったが、落語の修業により話し方を学び仕事に活用したいという商店主がプロの落語家に入門し修業する様子が目に入った。

 商店主が行った修業は話の仕方を教わるのではなく、楽屋で師匠にお茶を入れたこと、当日の高座で師匠の落語を聞いたこと、翌日師匠が贔屓にしてもらっている商店街の商店主と飲食を交え懇談したことであった。

 最初のお茶出しでは信じられないことではあるが茶碗に直接茶葉を入れお湯を注ぎ師匠にお茶を出したが、師匠から何も言われなかった。次の師匠の講座が終わったところで商店主の世話をしている弟子から、「落語では最初の入りの枕で如何に客を引き付けるかであり、そのために客受けする話を客の反応を見ながら話を切り出す。」、「客を引き付けるには枕の入りが重要であり、どのような話の切り出しをするかに苦労している。」ということを聞かされた。

 又、三番目の商店街の商店主との酒も入った懇談では「日常の暮らしをしている馴染みの商店主が普段生活して感じていること等の世間話から相手の気持ちを理解し、共感するとともに、講座の枕で使えそうな話題を探す。」、「師匠は手取り足取り落語家としての心得、話し方を教えない。芸は見て感じて自分のものにするのであり、盗むものである。そのために師匠の芸を盗み、顧客の暮らしから顧客への気持ちを理解する。」ということを言われた。

 コトラーのいう従業員の顧客に対するエクスターナルマーケティングにおいてはより高い顧客満足を得るためのホスピタリティに根ざした顧客とのコミュニケ―ションが不可欠である。単なるマニュアル通りということではなく顧客満足、高い顧客の支持を得るための日頃からの創意工夫による努力が必要である。

 落語を始めとした芸術の世界では独自の世界を築くため守破離ということがいわれるが、同様に講師課業も豊富な話術、クライアントの業務に通じた事例の設定等によりクライアントを引き付けるための絶えざる工夫が必要であると感じた。
以上

生涯キャリア支援  吉田健司

2016/04/25
吉田 健司

『生涯キャリア支援と企業のあり方に関する研究会』の報告書が、厚生労働省から公表されている(平成19年7月20日発表)。この研究会は、「生涯キャリア支援」をキーワードとして、キャリアの持続的な発展を可能とする条件や、そのための企業を中心とする支援や政策のあり方を探り、今後の職業キャリア支援政策の方向を定めるため設置されたもので、キャリア支援の将来的な課題も含めた、今後の検討課題が明らかにされている。
この報告書の中から、「生涯キャリア支援」の考え方を紹介する。
働く者一人ひとりについて、「ひと」としての多様な活動を可能とし、成長できる働き方を実現していく観点に立って、職業キャリアを将来にわたり「持続可能」かつ「発展性」のあるものとしていくことが必要であり、そのための様々な支援の取組を包括する理念・考え方が、「生涯キャリア支援」の考え方とされている。
そして、「生涯キャリア支援」の観点からのあり方のポイントとして5つ挙げられている。
①過度に企業に依存した職業キャリアや意識から、「自立」できる方向へ支援していくこと。
②長い職業生涯におけるキャリアの転機や節目で、今後のキャリアを考える機会やまとまった能力開発機会などが与えられること。
③失敗しても、教育訓練が受けられることなどにより、再チャレンジできる社会であること。
④働く者個人のライフステージ等に応じて、多様な働き方が柔軟に選択できること。
⑤育児・介護に限らず、広い意味で家庭生活や地域での活動等と調和の取れた働き方(ワーク・ライフ・バランス)が図られること。
 私にとって興味深いのは、上記①に関連した企業の支援である。企業の支援としては、プロフェッショナル人材の育成、「時間の確保・場の提供・力の養成」による「専門軸」の強化、中長期的視点に立ったスキルマネジメントとキャリア支援の専門的体制等が挙げられている。
プロフェッショナル人材の育成は、企業内教育を考えるうえで私が長くテーマにしてきたことである。時間の確保・場の提供・力の養成は、職場の研修計画に組み込み取り組んだことである。そして、各人のスキル目標に従って、育成する計画を立て、自らスキル向上を図ることを支援するスキルマネジメントの概念は、人材育成の実践において意識してきたことである。
この報告書は発表から約9年になるが、重要なキーワードも多く、自身のキャリアを考えるうえでも、参考になると思う。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司