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~無常に対応するのが人生~ 長屋 勝彦
長屋 勝彦
今年一年のビックニュースの一つとして、イギリスのEU離脱、アメリカの新大統領の誕生が挙げられる。
私的なところでは、事業再生のため係ってきた企業の副社長を退いたこと、小職が主催する研究会と袂を別ったことである。
前者は経営の若返りであり、後者は研究会の名称変更に伴う方針の不一致である。
前者に対しては、当該企業の株主に対するリターン、企業価値の面から株主として眺めていきたい。幸い、一定割合の配当を行うということであり、今後は株主総会を通して発言するにとどめる。
後者に対しては、時機を見て志を同じくする人と共に同好会、研究会を作ることを考えて行動していきたい。
自分のミッションは成長意欲のある中小企業支援、成長しようとする意欲ある人の支援であり、これから何年この活動をつづけることができるかは定かでないが、コーリングと考え行動していきたい。
しかし、成果として成長意欲のある企業の支援ができるようになったこと、中小企業診断協会の調査研究事業の採択を受け目標管理、人事評価の執筆ができたことがあげられる。
私的な面でも今年秋にヘルペスを発病し苦戦した。
平家物語に「祇園精舎の鐘の音諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色聖者必衰の理を表わす」というくだりがあるが、今年一年を振り返ると自分にとっても激動の一年であったと思う。
ダーウインは「最も賢い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもない。唯一生き残るのは、変化できるものである。」という。
来年を思う時、常に無になり、平常心で、使命を貫くことが肝要であると思うこの頃である。
以上
顧客は誰?とつぶやく 吉田健司
吉田 健司
前回のブログは、ドラッカーの「現代の経営」をテーマとした。そこでも触れたが、私にはもう一つドラッカーの愛読書がある。それは、毎年1回は通読すると決めている「マネジメント」(全訳版)である。私が読んでいるのは、1973年初版「無修正版」4分冊(2008年第1版日経BP社)である。「マネジメント」といえば、「もしドラ」で有名になったので、ご存知の方も多いと思う。また、「もしドラ」の影響もあり、エッセンシャル版マネジメント(2001年初版発行ダイヤモンド社)を読まれた方も多いと思う。私は、日経BP社の「マネジメント」(全訳版)を毎年読んでいるが、毎回新しい発見や気づきがあり、新鮮で楽しい。最近、中小企業の経営者や経営幹部の方と話をする機会が増え、経営を考えることが多くなったためか、あらためてなるほどと思う言葉にたくさん出会う。
特に考えさせられるのが、質問のフレーズである。参考に、「マネジメント(第1分冊)」(日経BP社)よりいくつか紹介する。
「顧客は誰か?」
「顧客にとっての価値は何か?」
「自社の事業は何か?」
「自社の将来の事業は何か?」
「将来、目標を達成するために今何をすべきか?」
私は、ドラッカーの著書で自問自答することの大切さを学んだように思う。頭の中で自問自答するだけでなく、「顧客は誰か?」とつぶやくこともあり、口癖になりそうである。
また、この「マネジメント」は、経営の視点から何かを考えるときにヒントとなるものが必ずあるので、私は、書棚の手に取りやすいポジションにおき参考書としても日ごろ活用している。「現代の経営」とあわせて一読されることをお薦めする。
節目の年を迎えて~長屋 勝彦~
長屋 勝彦
月日のたつのは速いものである。中小企業診断士に登録して20年、診断士仲間と合同会社を設立し10年、東京都中小企業診断士協会中央支部に研究会を設立し15年がたつ。
診断士になって故安田先生の指導をうけ、仲間の診断士と楽しく仕事をすることができた。又、会社勤務時代に指導いただいた上司の指導、人脈により有意義な仕事をすることができた。
中でも、会社時代からかかわった鯖江の企業とは診断士として独立してからも製品開発の面からかかわることができた。その成果として中小企業庁のグローバルニッチトップ企業として選ばれ、エクセレントカンパニーにまで成長した。
研究会の仲間の診断士の方とは診断士としての力量アップを目的として、企業診断の他、某シンクタンクの経営管理、人事労務、財務、時事問題の作成にも関わった。
会社勤務時代に上司から、エースになるような活躍をと言われたこともあり、自分自身の中小企業診断士としての使命は時代の人材、企業の育成にあると思う。
現在関わっている顧問先企業とは志を同じ経営者ということでお互いに意見交換をできる間柄である。
しかし、組織として仕事を進めていくと齟齬が生じる。しかし、組織とは共通目的を持ち実現する集団という観点から十分な意見交換、コミュニケーションが必要である。
このようなことに思いをはせていた10月初旬頃、複雑な案件も発生したこともあり、ヘルペスに罹ってしまった。ヘルペスはストレス、疲労が原因であるといわれる。幸い、回復に向かい仕事に支障はない。
ペルペスは疱瘡を患ったものは誰ももっているといい、疲労等により現れるという。現在はなるようにしかならない、運を天に任せるわけではないが、無の心境になり自分に課された使命を果たそうと思うこの頃である。
以上
経営学の古典を読む 吉田健司
吉田 健司
「世界で最初の総合的経営書を知っていますか」と、私はある研究会で参加者に投げかけてみた。答えを返してくれた方はいなかったが、私もこれまで意識したことはなかったので、期待していた反応であった。スピーチのつかみにこの言葉を使わせてもらった。意図した答えは、「現代の経営」である。ダイヤモンド社のドラッカー名著集2.・3現代の経営(上・下)で認識した言葉である。
私は、ドラッカーの書を会社勤めの時代から読んできた。特に、はじめて読むドラッカーマネジメント編「チェンジ・リーダーの条件」、自己実現編「プロフェッショナルの条件」、技術編「テクノロジストの条件」は、自分で読み込み、部下に紹介し、課長クラスの部下には、任意で感想文の提出を求めたこともあった。また、マネジメントの全訳版は、今でも1年に1回は通読すると決めている。
私の場合、今まで「現代の経営」を読むきっかけがなかった。最近、目標管理に関するある研究事業に参加したので、「現代の経営」を読むことにした。その理由は、「現代の経営」で目標管理MBOの概念が紹介されたとされるからである(ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー2003年11月号「P.F.ドラッカーマネジメントの源流」。
私が読んだ感想を一言でいうと、論語のように奥深い古典であった。ドラッカー名著集2.・3現代の経営(上・下)は、全部で550ページ程度になるが、5月のブログで紹介した私の三読の通り、続けて三回読んだ。読むたびに新たな発見と学びがある。ドラッカーの世界的評価は「現代の経営」によって確立されたとされるが、ドラッカーがまえがきで読みやすい入門書を意図したと説明しているとおり、マネジメントを総合的に学ぶ教科書として、一読されることを強くお薦めする。
孫子を学ぶ私の教科書 吉田健司
吉田 健司
週刊ダイヤモンドの2016年9月10日号で「孫子」の特集が組まれていた。2,500年前の中国の兵法書が世界各国でビジネスパーソンに読み継がれている。この「孫子」をビジネス書として学ぶためのテキストとして一読をお薦めしたい。私も「孫子」を愛読してきたので、今回は孫子について書きたいと思う。
私が孫子の兵法を知ったのは、武田信玄の軍旗に書かれた「風林火山」が、孫子の「はやきことは風の如く、しずかなることは林の如く、侵掠(しんりゃく)することは火の如く、動かざることは山の如し」の略と分かったときだったと思う。
「風林火山」と同様、日常生活の中には、古代中国の歴史や書籍に由来することわざなどが多い。それらは義務教育やその後の学校教育などで学んだものも多く、意識していなくても、それらを使って思考していることもあるだろう。
ただ、孫子など古典の有名な1節を学んで、思考の一助とするだけではもったいない。私は、社会人になって中国古典百語百話4孫子(村山孚著PHP研究所)を読み、多くのことを学んだ。
そして百語百話に刺激を受けて、岩波文庫の孫子(金谷治訳注)を読み、孫子の全文にふれた。原文を読むことは難しいが、読み下し文、現代文、解説を読むことで基礎的な理解は得られる。これは他の古典も同じで、岩波文庫の古代中国の古典を何年もかけて読破した。
その後は、古代中国に関する講談社学術文庫を読むようになった。その中の一冊に「孫子」(浅野裕一著)がある。冒頭の週刊ダイヤモンドの特集記事でも著者のインタビュー記事とともに取り上げられている。この「孫子」と「大学」(宇野哲人全訳注)、「易の話(易経入門書)」(金谷治)は、講談社学術文庫の中でも、特別な愛読書で、定期的に再読している。
思うに、古典を学び役立てるには、自分なりに考えてみる必要がある。自分の体験や関心事などと照らし合わせながら読むことも大切である。