ブログ
SKKコンサルタントが、経営に関するあらゆる話題をブログとして書いています。
お役に立つ情報が満載ですので、お時間のあるときにでも、ご一読ください。
~人生という旅 その2~ 長屋 勝彦
長屋 勝彦
1996年8月、34年間勤務した呉羽化学工業株式会社(現、株式会社クレハ)を退社し翌年4月に東京都中小企業診断協会に中小企業診断士登録し、開業した。
独立して今年で20年になる。この間、多くの方と出会い多くの教訓を賜った。その中でも鮮明に記憶に残るのは、東京都中小企業診断協会中央支部(現、中央支部)長の安田平八郎先生、元日本経営協会理事岸陸朗氏、元茨城県労働経済部部長坂本達夫氏のお三方である。
安田先生には1998年1月中小企業診断士三次試験(現在実務補習)の指導員の故、長谷川和正先生の紹介でお目にかかった。安田先生の主催する東京都中小企業診断協会マスターコースYCS(安田コンサルティングセミナー)に1期生として入会し、コンサルタントとしての実践的知識の習得から立ち振る舞い・心得、プレゼンの仕方まで多くの薫陶を受けた。印象に残る言葉として、「幸運の女神は前髪しかない」、「うかうかしないで全力でビジネスチャンスをつかめ」といったことを教わった。先生は豊富な人脈をお持ちの面倒見の良い方で、執筆、研修講師の仕事の紹介をいただいた。
又、YCS講師として、「顧問先を獲得する方法」として登壇の機会もいただいた。そのお蔭で、現在のSKK(合同会社 産業経営研究所)岩本亨社長とも知り合い一緒に事業をすることができた。
岸さんには中小企業診断士として登録2年目に「地方自治体向け管理者研修インストラクター養成講座」を受講した際にお目にかかった。当講座の受講動機は研修講師としスタートするにあたって、「マネジメントの体系的知識を再整理することが必要」という故、長谷川先生のアドバイスに基づくものである。
岸さんとは研修最終日にトイレでの立ち話しで、「研修講師がしたい」という発言に対して、岸さんから「丁度、今年講師の見直しをしようと考えている、推薦しておく」ということであった。「経歴書は」という質問に対して、「喋り屋でないことがわかった。中小企業診断士であるから要らない」ということで、次の年度から日本経営協会の公務員管理者養成講座のインストラクターの仕事をすることができた。
岸さんのおっしゃる、「単なる喋り屋」という評価を受けないということを肝に銘じ現在も、研修に、コンサルのプレゼンに当っている。
三番目の坂本さんとは茨城県が公募している販路開拓エキスパートに応募した際のことである。応募後、部長自ら電話で新規開拓に関する様々な質問を受けた。後で考えてみると力量、考え方について面談を受けているような気がした。東京で当エキスパート事業実施機関の茨城県中小企業振興公社の方の面談を受け採用された。採用は二人(公募者数は50人以上とのこと)で、もう一方の方は商社系(三井物産)の方であった。
当時の茨城県の地方紙に当エキスパート事業に関する記事が掲載され、同県に居住している知人から問い合わせを受けた。振興公社の仕事は5年間続いたがその間に知り合った中小企業の方とは現在も実務従事の仕事を通して付き合いをさせていただいている。又、今も一年に一度は水戸の振興公社を訪問し交友を温めている。
その他、中小企業診断士として仕事を始めて以来、松戸商工会議所の鈴木商工部次長、中小企業基盤整備機構の上島プロジェクトリーダー等とかかわった方は枚挙に暇がないが後日改めて寄稿する。
今後も、中央支会の発行誌「ふれあい」という言葉を大切に、交流を深めていきたい。
以上
「キャリア健診」に思うこと 吉田健司
吉田 健司
今回は「キャリア健診」をテーマとする。私は「キャリア健診」を経験したことはないが、厚生労働省の委託で平成23年3月に公益財団法人日本生産性本部が作成した「キャリア健診マニュアル」を読んで興味を持った。
「キャリア健診」の目的は、企業における人材育成の現状を把握し、従業員へのキャリア形成支援を促すとともに、個々の従業員に対してキャリア形成意識を喚起することで、企業と従業員のより良い共生関係の構築に資することとされている。見方を変えると、企業が従業員へのキャリア形成支援を考える際の手本となると思う。
「キャリア健診」では、キャリア・コンサルタントが企業に対して、従業員へのキャリア形成支援に関する提案・アドバイスを行うが、その材料となるのは、企業と従業員へのアンケート、人事担当者等へのヒアリング、従業員へのカウンセリングなどである。
企業に関するアンケートは、企業におけるキャリア形成支援の現状と今後について、①キャリア目標の設定、②キャリア形成支援、③職場のサポート、④キャリア形成の自律性、⑤働き方の裁量性の5つの領域で20の設問が用意されている。このアンケートは、企業と従業員に同じ質問をすることで、両者の意識や考え方の共通性と相違等の関係を把握するように設計されている。
また、従業員に関するアンケートは、従業員の仕事と生活に対する意識、態度、行動について、①職務意識、②自分のことを知っている度合い、③将来のイメージ、④現在と将来に向けての取り組み、⑤身体と心の健康、⑥仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の6つの領域で45の設問が用意されている。
このうち企業に関するアンケートにおいて、企業と従業員に同じ質問を行い、両者の意識や考え方の共通性と相違等の関係を把握する手法は、中小企業診断士として、企業の経営診断を行う際に、経営者と従業員に対して行う意識調査の意図に通じるところがあるため、私は興味を持った。
また、企業におけるキャリア形成支援に関する第1の設問「会社の経営理念に基づいた「求める人材像」が明確に示されている」は、私が経営革新のサポートを行っている顧問先で、重要テーマの一つとして取り組んでいることである。「求める人材像」を明確に示しているか、「求める人材像」は従業員にとって明確になっているか、両側面から考えてみることをお薦めする。
~人生という旅 その1~ 長屋 勝彦
長屋 勝彦
「月日は百代の過客にて行きかう人も又旅人なり」、松尾芭蕉が東北地方、北陸地方を回り大垣に行く旅程を日記としてつづった奥の細道の序文である。
人生を旅に例えると故郷で生まれ少年期を過ごしサラリーマンとして30余年、中小企業診断士として20年を過ごしたことになる。その間、いろいろな人からいろいろな教訓を受けいろいろな経験をした。
大学では会計学を学んだというより単に授業を受けた(経験した)がサラリーマンとして働いた会社(化学会社)では金勘定だけする仕事ではなく物を開発し、販売する仕事に興味を持ち営業の仕事をしたいと言い、経理の専門家として育てようとした会社には迷惑をかけたと思う。
その結果、生産管理、企画の仕事をすることができた。生産管理、企画の仕事を経験し、化学薬品の開発プロジェクトチームの一員として製品開発に当り、新規事業開拓の業務を任された。
幸い、ポストPCB製品として熱媒体油、絶縁油、感圧複写紙用溶剤として企業化を成功させ会社の業績に向上することができるようになったのは、2次オイルショック時の1980年頃である。
この間、化学品の分子構造、製造方法等について勤務している会社の研究者、顧客先となる相手方の会社の方と交流させていただき、教訓を賜った。当時の相手先の会社の方から「専門分野は何ですか」と聞かれ技術屋と間違えられることがあった。
その後、6年間大阪で営業業務を経験し、再びプラスチック製品の製品開発、営業業務に従事した。成果として高機能性プラスチックメガネレンズ、フッ素樹脂系のピエゾ・パイロセンサー(電気エネルギー⇔熱エネルギー)の企業化に成功した。
これまでを振り返ると、大学時代学んだが入社当時は配属を拒否した会計理論が製品開発、営業では役立ったということと、在籍した会社で多くの方との交流により得た経験、知識のおかげで、今の中小企業診断士としての自分があるということを実感する。人とのつながり、縁は不思議のもので、今も当時一緒に仕事をした中小企業の方とは顧問先として仕事をさせていただいている。
独立を目指す診断士には人脈作りの大切さを説いている。
以上
私にとってのコーチング 吉田健司
吉田 健司
思い立ってコーチングの意味をインターネットで調べてみた。コーチングは、能力開発法、人材育成の技術、社員育成技法、育成方法論、コミュニケーションスキル、自己改善技術など、いろいろな視点で解説されている。いくつかの解説を読んで見たが、コーチングの意味を一言で説明するのは難しいと感じた。
私がコーチングに興味を持ち、PHP研究所のゼミナールに参加してから16年が過ぎようとしている。16年前に私が受講した研修は、PHPコーチング基本コース(一日コース)で、会社勤めをしていた私は、有給休暇を使って自費参加したが、受講者は企業の人事担当者、士業、コンサルタントなどで、自己啓発での参加者は私ぐらいだったと記憶している。
受講をきっかけに、社内にコーチングを紹介したいと考えるようになり、少し苦労をしたが何とか予算を確保し、PHP研究所のプロコーチを招いて所属部門内の管理職向けにコーチング研修を実施した。また、私自身も講師としてコーチング研修を実施し、一人でも多くの人にコーチングを知ってもらい、興味を持ってもらい、自ら学んで欲しいと、メッセージを投げかけてきた。
私は、全員がコーチであり、全員がクライアントであって欲しいと思っている。また、自分が自分のコーチであって欲しいとセルフ・コーチングを薦めてきた。
「自分は自分で変えられる「理想のあなた」になるセルフ・コーチング」(PHP研究所)の著者小野仁美氏は、「コーチは、相手が自ら物事を考え、自ら学び、自ら力強く行動していくことをサポートしていきます。」と述べている。私がこの言葉に出会ったのは2002年。以来、自分で考えない、学ぼうとしない、動かない部下・同僚・先輩・上司などにコーチとしてサポートできることはないか、考えるように努めてきた。
コーチングという言葉を、日常見聞きすることが多くなった今、私は、自己改善のスキルとして、コーチングに向き合うことをお薦めしたい。
中小企業診断士は仏を作ることが仕事か!
長屋 勝彦
近年、企業内診断士の方の指導員として東京都中小企業診断士協会の実務従事事業として中小企業診断を行う機会が多くなった。
実務従事事業は中小企業診断士の登録更新の要件として診断実務が必要とされるが、大企業に勤務する中小企業診断士の方は中小企業診断の機会がなく、そのために中小企業診断協会が制定した制度である。
数年前まではコンサルの仕事が中心であったが、より多くの中小企業の経営者の方を通して中小企業経営(中小企業経営者の経営に対する取組み)を知りたいと思うと同時に若い中小企業診断士の方と企業診断を通して若さをもらうとともに自分のこれまで診断士として得た経験を伝えたいと思うようになったからである。
そこで、自分なりの実務従事の意義を考えた。診断先の中小企業や自分より若い診断メンバーの中小企業診断士の方に「気づきを与え、自分ももらう」ことにあるが、「それで満足してよいのか」と考える。
実務従事事業は一過性のものでそれ以上の意味を見出すことはできない。実務従事事業を通して多くの方と知り合いいろいろな考え方を学び自分の知識、経験とすることでよいのではと考える。
翻って、「あなたのビジョンは。」と問われれば、常に「成長意欲ある中小企業支援。」であり「成長意欲のある若い人(ビジネスマン)の支援。」と答えている。
実務従事事業は、その意味で自分のビジョンである成長意欲のある中小企業支援とは異なる。やはり、オンリーワン企業を目指すための支援としては単なる診断・指導だけではなくメンタル面まで踏み込んだ指導が必要である。所謂、プロスポーツの世界でいうコーチという立場が相当する。
自分の習得した経験より得たノウハウを伝えるのが自分の使命と考える。今の顧問先のコンサルが満足にできているかは別に実務従事事業を通して成長意欲のある企業と出会いかかわっていくことでできたらと思う。
仏を作ったら魂まで入れることができる中小企業診断士でありたいと思うこの頃である。
以上