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私なりの「自己啓発」・・・ 吉田健司
吉田 健司
以前のコラムに書いたが、厚生労働省「能力開発基本調査」の用語解説では、自己啓発とは、労働者が職業生活を継続するために行う、職業に関する能力を自発的に開発し、向上させるための活動をいい、 職業に関係ない趣味、娯楽、スポーツ健康増進等のためのものは含まないとされている。
今回は、この自己啓発について考えてみたい。
まず、インターネットの情報等を参考に自己啓発の要素を次の3つに整理した。
①自発的:自らの意志による
②自己実現:能力開発・向上、知識向上、技能向上、精神面の成長
③継続実践:学習、訓練、体験、経験
そして、上記の整理から、自己啓発について私なりに次の通り定義した。
「自己啓発とは、自らの意志により、能力開発・向上、知識向上、技能向上、精神面の成長などを目標として、学習、訓練、体験、経験などを継続して積み重ねていくことである。」
次に、自己啓発を考える際に役立つ言葉を能力開発100の方法(鎌田勝著知的生き方文庫三笠書房)よりいくつか紹介する。
・人間の能力は本来無限大と言ってよく、自己啓発の努力次第で、どこまでも伸びることは可能である。
・カラを破って成長することが自己啓発の本質なのである。
・ただ頑張るというのではなく、興味を持ち、面白くなるようでなければ、自己啓発は深まらない。
自己啓発は自分自身のためであるが、能力開発基本調査(厚生労働省)の結果では、自己啓発における問題点として「仕事が忙しくて自己啓発の余裕のない」が約6割を占めている。
時間を上手に使う方法を学ぶことの大切さを強く思う今日この頃である。
研修の意義~受講者の能力・経験に応じた研修~ 長屋 勝彦
長屋 勝彦
研修の意義について、「研修は日常の業務を振り返り気付きを得るためのものである。そのためには自分自身の研修テーマに対する考え方(例えば業務改善)について記述し自分自身の考え方をまとめ、その考えを自分の意見として発表し、グループ討議等により他の研修参加者と意見交換し、新たな気付き(知識)を得ることにある。そのためには自己研鑽、参加者同士の相互研鑚という観点から相手の立場に立った参加型の研修を進めて行きたい。」旨の話を研修に当り話し、研修を始めている。
研修の進め方として、講義型、討議型の2種類があるが、講義型は話し手である講師の一方向的な講義による研修であり、研修時間が半日(3時間)、一日(6時間)といった長丁場では、受講者はその間は話をすることがなく聞く一方であり飽きてくる。退屈な場合は居眠りするのが通常である。まして、受講者のレベルが経験、能力とも力量のある場合は尚更である。
又、研修に当っては言葉の使い方が重要である。例えば、改善の意味は何か、改革という言葉とどう使い分けるかについて、研修に当り改めて広辞苑等でその意味を調べて研修に臨むようにしている。
更に、効果的研修を行うには受講者の階層、力量が高い実務経験の豊富な管理者に対してはその階層に応じた考え方も必要であり、研修テキストの作成に当っては研修参加者の属する企業の業務、業界知識も心得ておく必要がある。場合によっては相手企業の研修担当者の方へのヒヤリング(例えば業務改善の場合の日報、力量マップ等特に対象企業に沿った事例作成の場合)も必要である。
個人的にも研修講師として事例作成等を通して研修テーマの対象である企業及びその企業の属する環境を学ぶことができ自分自身のプラスにもなる。
何時まで講師を続けているという話を他人から聞くが研修を通じて関わった企業、人の成長にいくらかでも役に立つのかと思うと、自分なりにこの仕事を続けていきたいと思うこの頃である。
以上
再任用研修を終えて~長屋 勝彦~
長屋 勝彦
今年も自治体の方に再任用研修を行った。
再任用研修とは定年退職後再度職員として任用された職員に対して行う研修で、任用される前年度末ないし当年度初めに行われる。
再任用後の職位は再任用前の職位と比較し下がることにより職務に対する取組み姿勢にモラルハザードを起こす懸念がある。
当研修では再任用職員の役割としての現役職員に対する技術の伝承とともに再任用職員のモチベーションの維持・向上についてもテーマとして研修を行っている。
その内容はハーズバーグ、マズローの学説を紹介するとともに自身の交流分析、キャリアデザイン形成である。
この研修を始めて10年余になるが何時も事例を作成し、受講職員同士の意見交換も含めて話し合いの機会を設けている。
今年の研修では、新しい職場に対する取り組み姿勢については「自分自身を無にして話を聞き、理解することから始める」といったことを話された職員の方の言葉が心に残った。
自分を無にする、ゼロベースで考えるという事は宗教、哲学の考え方に繋がるものであり、受講者の方の心の深さを感じた。
反面、役割について後輩職員に対する技能・経験の伝承とともに自身もなにがしかの知見・体験を習得するというプラスの姿勢で臨まれることも大切であると思った。この意味では、「ある自治体の学び合い、高め合う職場作り」という言葉が耳に残っている。
そして、「いくつになっても自分さがし」という言葉で今年研修を終えた。
余談であるが、民間会社では再任用は再雇用に相当するが、再雇用とともに給料は大幅にダウンしモラルダウンを来している。
後輩社員で定年間近の方、再雇用の方と話をする機会があるが、人生百歳時代を迎え、常に自身のキャリアデザインを描き自己研鑽に励むことをアドバイスしている。
以上
社会人基礎力から自己啓発のテーマを探す 吉田健司
吉田 健司
新年度を迎える時期になった。この時期、私も会社勤めのころ、別れや出会いを何度も経験した。新たな環境への不安は何度経験しても変わらないが、新年度を迎えて、何か新しいことにチャレンジしようという意欲にかられる時期でもある。
そのようなときは、「社会人基礎力」で自己評価してはいかがだろうか。
「社会人基礎力」は、平成18年2月に経済産業省の産学有識者委員会で定義づけしたもので、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力とされている。
《社会人基礎力》
1. 前に踏み出す力(アクション) ~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~
① 主体性: 物事に進んで取り組む力
② 働きかけ力: 他人に働きかけ巻き込む力
③ 実行力: 目的を設定し確実に行動する力
2. 考え抜く力(シンキング)~疑問を持ち、考え抜く力~
① 課題発見力: 現状を分析し目的や課題を明らかにする力
② 計画力: 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
③ 創造力: 新しい価値を生み出す力
3. チームで働く力(チームワーク)~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力~
① 発信力: 自分の意見をわかりやすく伝える力
② 傾聴力: 相手の意見を丁寧に聴く力
③ 柔軟性: 意見の違いや立場の違いを理解する力
④ 情況把握力: 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
⑤ 規律性: 社会のルールや人との約束を守る力
⑥ ストレスコントロール力: ストレスの発生源に対応する力
上記の「ストレスコントロール力」については、レジリエンスという概念を学んでおくと良いと思う。
社会人基礎力をマップとして、興味のある能力要素から取り組むことをおすすめする。面白いと思えるテーマは学習が継続し自己啓発を深めることができる。
人はほめて育てるか叱って育てるか~長屋 勝彦~
長屋 勝彦
「今の若いものは甘やかされて育てられている。ちょっと厳しいことを言うとすぐしゅんとなり落ち込んでしまう。その結果、自信を失くし会社を辞めてしまう、辞められると人手不足の現在、替りはなかなか集まらない。だから、ちやほやするのではないが褒めて育てなければならない」という話を聞く。
しかし、仕事をしていて早々うまくいくとは限らない。時には失敗をすることがある。失敗に学ぶという言葉があるがなぜ失敗したか、失敗によりどのような悪影響を周囲に与えているかを教える必要がある。そのような場合は叱る必要がある。
叱る事は怒る事とは異なる。怒ることは怒る人の感情を怒られる人に伝えることであり、怒られる人を否定することであるが、叱ることは相手の立場に立ち失敗の原因、次に失敗しないための行動を教えること、説明することである。
問題は、失敗をしでかした人が叱られている場合でも怒られていると勘違いすることである。研修では部下を成長させるほめ方、叱り方というテーマで演習することがある。
要は、親が子供を教育する場合のように指導者が部下の立場に立ち部下を受容し指導する、即ち気付きを与えることが必要である。
気付くことは考えることにより生まれるものであり、仕事について基本的なことを教えた後は一々口を出さないで部下に任せることにより部下が考え気付く場を与えることにより部下の成長を促すことが必要である。
蛇足ではあるが部下の成長を促す褒め方とはうまくいったことを具体的に心からその場でほめることであり、叱り方とはうまくいかなかった事実に基づきその原因と対策について部下の納得のいく説明をすることである。
以上