経営情報
2018年6月のブログで紹介した独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構生産性向上人材育成支援センターが実施する生産性向上支援訓練の関係で、企業活動の原動力となる人材の活用面に係る取組をもっと学びたいと思うようになり、2018年度版中小企業白書の「多能工化・兼任化の取組」を精読した。
「多能工化・兼任化の取組」は、業務量の平準化や業務の効率化に寄与するとされている。その理由は、多能工化・兼任化を行うことで、繁忙期となっている部署や工程に労働力を融通することが可能だからである。以下では、白書より「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」の分析内容を概観する。
中小企業における従業員の多能工化・兼任化に取り組んでいる企業は73.3%で、製造業に限ると88.1%が取り組んでいる。従業員の多能工化・兼任化を進める際にあわせて行った取組は、業務マニュアルの作成・整備(47.2%)、従業員のスキルの見える化(34.9%)が特に高くなっている。
また、多能工化・兼任化による各効果を感じている企業の割合は、業務見直しを実施した企業において高く、従業員の能力向上(54.8%) 全体の業務平準化による従業員の負担の軽減(37.8%)、繁忙期・繁忙部署における業務処理能力向上(36.9%)、従業員間のコミュニケーションが増え職場の活性化につながった(21.4%)、担当者不在時の対応力が向上し休暇取得が容易になった(18.6%)などの効果をあげられている。
一方、多能工化・兼任化に取り組む上の課題としては、多能工化を進めるための時間的余裕がない(42.1%)、多能工化を主導できる人材が社内にいない(28.9%)、業務負担増加を懸念する従業員からの反発(19.9%)などがあげられている。
このように見ていくと、多能工化を考えている企業は、時間管理の面から自社の現状を分析する必要があるように思う。
2018年度版中小企業白書の「多能工化・兼任化の取組」を読む 吉田健司
吉田 健司
2018年6月のブログで紹介した独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構生産性向上人材育成支援センターが実施する生産性向上支援訓練の関係で、企業活動の原動力となる人材の活用面に係る取組をもっと学びたいと思うようになり、2018年度版中小企業白書の「多能工化・兼任化の取組」を精読した。
「多能工化・兼任化の取組」は、業務量の平準化や業務の効率化に寄与するとされている。その理由は、多能工化・兼任化を行うことで、繁忙期となっている部署や工程に労働力を融通することが可能だからである。以下では、白書より「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」の分析内容を概観する。
中小企業における従業員の多能工化・兼任化に取り組んでいる企業は73.3%で、製造業に限ると88.1%が取り組んでいる。従業員の多能工化・兼任化を進める際にあわせて行った取組は、業務マニュアルの作成・整備(47.2%)、従業員のスキルの見える化(34.9%)が特に高くなっている。
また、多能工化・兼任化による各効果を感じている企業の割合は、業務見直しを実施した企業において高く、従業員の能力向上(54.8%) 全体の業務平準化による従業員の負担の軽減(37.8%)、繁忙期・繁忙部署における業務処理能力向上(36.9%)、従業員間のコミュニケーションが増え職場の活性化につながった(21.4%)、担当者不在時の対応力が向上し休暇取得が容易になった(18.6%)などの効果をあげられている。
一方、多能工化・兼任化に取り組む上の課題としては、多能工化を進めるための時間的余裕がない(42.1%)、多能工化を主導できる人材が社内にいない(28.9%)、業務負担増加を懸念する従業員からの反発(19.9%)などがあげられている。
このように見ていくと、多能工化を考えている企業は、時間管理の面から自社の現状を分析する必要があるように思う。
~新しい年を迎えるにあたって~先読みと不退転の気持ちで 長屋 勝彦
長屋 勝彦
今年は平成が終わり新しい年号が制定される改元の年である。「平成」は書経の地平天成(地平らかに天成る)と訓読する。その意味は世の中が平穏で、天地が治まるという事である。
しかし、我が国の経済は平成3年にはバルが崩壊し不良債権が発生しデフレが進行し長期低迷が続く失われた20年に突入し、そのデフレを脱却するためにアベノミックスによる経済政策を打ちだしているが現在も脱却できていない状況にある。
更に、大国であるアメリカ、中国の国内優先主義政策により資源を持たない我が国は苦境に立たされ持続的発展が期待できない状況にある。
以上のことから平成という時代は平穏な時代ではなく内在する諸問題を抱え何時その問題が顕在化するか分からないといった時代である。
このような経済情勢の中、顧問先の中小企業は国等に助成金を活用しながら、製品開発、品質改良、コストダウンにより持続的成長を目指して頑張っている。
人材面でも資金面でも恵まれない中小企業が生き残る途は誰もが気づいていない市場をいち早く見つけ、製品化するか、誰もが真似できない製造方法の革新により途を切り開く他ないがにあるが、経営資源の乏しい中小企業はアンゾフの製品ベクトルでいう現行市場の深堀という市場浸透戦略がより効果的であると考える。
そのためには、経営者を始め真に企業存続を憂う従業員の製品開発・技術開発に対する思考力を養う事、即ち理詰めで考え抜き、考えたアイデアを果敢に実行する実行力をつける事にある。
今年もこのような中小企業の伴走者として思考力と実行力を高めるため全力で支援していきたい。又、同時に企業診断などを通してそのような企業に出会いたいと思うこの頃である。
以上
~伴走者としての中小企業診断士の役割~長屋 勝彦
長屋 勝彦
先月のブログ「~仕事今昔~二枚の写真から振り返る50年前と今の私」を読んだ顧問先の会長から「先生には人生で一つの変極点となったかも知れないが、このことにより人生が変わった方もいるのでは———」と言われた。
構造改革という名前の基に行われた合理化により、二つの工場のうち一つの工場は生産品目(繊維以外の品目)の転換により閉鎖に至らなかったが、もう一つの繊維加工を行っている工場は閉鎖となった。幸い、当工場は大阪に近く土地の売却に苦労はなかったようだが、雇用問題では人事・労務の方は苦労されたと思う。
繊維事業自体は引き続き継続していくので、経営者の方、技術者の方は親会社に転職され生産技術の仕事に携わっていかれたが、当工場で生産に携わっておられた製造部門の方は失職され、新たな職探しに苦労されたかと思うと胸が痛む。同時に、雇用問題を担当された人事・総務の方の心境は如何ばかりであったかと推察する。
当時30歳そこそこの自分はそこまで思いが至らず、数年後の繊維事業の黒字転換を喜んだが、その陰で関係した方の人生を左右する出来事(ドラマ)あったのだと思うと複雑な気持ちになる。
さすがに創業50余年仕事でも幾多の修羅場をくぐって来られた会長の言葉は鋭く、ズシンとくるものがある。
中小企業診断士は単に診断だけではなくその企業に寄り添ったアドバイスが必要であり、その意味で中小企業により沿った伴走者としての役割が求められるということを改めて認識した。
残り少ない診断士生活であるが中小企業支援、人材育成を使命として係わっていきたい。余談であるが、その夜の忘年会で社長に「菩薩の心と夜叉の心」を持った経営について語った。
以上
伸び代について~長屋 勝彦~
長屋 勝彦
友人であり、10数年来お世話になっている切削加工会社の会長から、「うちの管理職は真面目だが保守的で将来を担う人材は少ない。その反面、若い人は伸び代がある。やる気のある若い人を見つけ、教育して欲しい。」と言われた。
「伸び代」とは「金属などが折り曲げられる際に発生する伸びをいい、 転じて、組織や人間が発展・成長してゆく可能性の大きさをいう。」と大辞林にある。
会長が社長時代、20歳代の若手社員を対象に{若竹塾}と称し、毎月、終業時間後1時間、自社の経営について話し、その後社員の話を聴くという場を設けておられた。私もその会議に出席しコメントを申し上げていた。
私自身は全社員に、会長の保有するアンドリューカーネギーの「思考は現実化する。」というテープを若手社員と聴き、仕事に対する心構えについて話し、社員自身の問題、職場の問題、経営の問題について話し合っている。
お蔭で、将来を背負う数人の社員を見出すことができた。これからの使命は、新社長と相談し各々の社員に適したキャリヤパスを設計し当社幹部社員として教育することにある。
昨今、「働き方改革」が叫ばれているが、これからも社員が職場でやる気を出すための環境整備とともに伴走者として彼らに寄り添い幹部として育つための支援をして行きたい。
会長、社長と3人で話し合った際、会長から「若竹塾」を再開してはという話があった。名称はともかく小職からも改めて社長に提案したい。
折から、NHKの「社長のさらめし」で、若手社員とのコミュニケーション作りのため昼食会を設けているという番組を見た。月に一度はそのような機会を作るのも意味があると思った。
以上
生産性向上支援訓練について 吉田健司
吉田 健司
生産性向上支援訓練をご存じだろうか。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページによると、生産性向上支援訓練とは、企業や事業主団体の生産性の向上を支援するための職業訓練である。訓練は、全国のポリテクセンターに設置した生産性向上人材育成支援センター(生産性センター)が、専門的な知見やノウハウを持つ民間機関等に委託し、企業・団体のニーズや課題にあわせて実施している。
この制度は人材育成に有効活用できる可能性があるので、高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページを確認することをおすすめする。
私は社会人生活を東京でスタートさせたが、業界団体の主催する様々な学ぶ機会が用意されており、その気になれば多くのことを効率的に自ら学ぶことができ、恵まれた環境だった。
会社においても、社外の通信教育講座を受講する制度が充実しており、20代の頃から、毎年1科目は通信研修を受講すると決めて取り組んでいた。「企画力開発実践コース」、「時代の読み方21コース」、「戦略手法を学ぶ・新市場戦略コース」、「課題解決のための企画力強化コース」、「金融と経済に強くなるコース」、「ビジュアル表現入門コース」などは、日常の仕事に役立ったと思う。
中小企業診断士として様々な企業や組織の人材育成に関心を持ち、日々過ごしている私の目から見て、もっと学ぶ機会を得られれば成長する人は多い。機会が増えれば、学ぶことの意味や必要性を理解し、自ら学ぶ、いわゆる自己啓発に取り組む気持ちが育まれていくと思う。
多くの企業や組織の経営者(経営メンバー)が生産性向上支援訓練の制度を学び、組織をあげて人材育成を強化することは、仕事と生活の調和の実現にも寄与するのではと思う今日この頃である。