ブログ経営情報

ダーウィンは進化論の中で「最後まで生き残る種族とは、強いものでも知能が高いものでもない。変化できるものだ」と唱えています。環境変化に対応できないものは生き残れないということですが、これは生き物でも、組織でも同様です。

今年6月のブログにも書きましたが、金融円滑化法が今年度末で期限切れを迎えます。11月1日に金融担当大臣が「期限切れ後も、対応は何ら変わらない。考え方を踏襲していく」との談話を発表しました。「借入金元本の返済猶予(リスケ)を引き続きしてくれる」と解釈できそうですが、そうではないと思います。

もともと金融円滑化法は、「リスケ要請があったら、いったん受け入れてあげなさい。ただし一年以内にきちんとした経営改善計画を策定し、それに真摯に取り組み、成果を上げることが条件です」という趣旨です。その前半部分だけを根拠に「リスケは法律で認められた権利だ!」と主張する経営者もいたと聞きました。

では、今年度末の期限切れ以降はどうなるのでしょうか?。後半部分の状況次第で対応は変わるということだと思います。法律に定められた通り、リスケしてもらっても、一年以内にきちんと経営改善計画を策定して、真摯に取り組み、成果を上げている企業については引き続き支援してもらうことができるでしょう。ただし、そうでない企業は支援打ち切りになる可能性が高いと考えた方が良いと思います。

企業経営を考えれば当たり前のことです。自己資本と借入金で事業をしている場合、事業の儲けによって借入金を返済しなくてはなりません。景気が悪くなって、儲からなくなっても約束したお金は返さなければなりません。きちんとした経営者は、約束を守るために必死になります。

でも中には、「儲からなくなったのは、自分のせいじゃない。景気が悪いからだ。政治が悪いから景気が良くならないんだ」と言っている経営者もいます。この経営者のをどう考えますか?

友人から頼まれてお金を貸しました。約束の期限になっても返してきません。催促すると「景気が悪くて儲からなくなったから返せないんだ。俺が悪いんじゃない」と言われました・・・。と同じようなことです。もうしばらくはお金を返してくれるのを待つかもしれませんが、いつか限界が来ると思います。その人を助けてあげようなんて気持ちは、薄らいでいくと思いませんか? 金融機関も同じです。冒頭のダーウィンの言葉の通り、環境変化に適応しないと生き残れないのです。どんな組織でも、一個人でも同じです。

今年一年、いろいろな環境変化がありました。私自身どれだけそれに適応できたか? でき切れていない部分は、努力してそうなれなければなりません。そんなことを考えつつ、師走に日本中を駆け回ります。

環境変化に柔軟に適応すれば生き残れる 【岩本 亨】

2012/12/03
岩本 亨

ダーウィンは進化論の中で「最後まで生き残る種族とは、強いものでも知能が高いものでもない。変化できるものだ」と唱えています。環境変化に対応できないものは生き残れないということですが、これは生き物でも、組織でも同様です。

今年6月のブログにも書きましたが、金融円滑化法が今年度末で期限切れを迎えます。11月1日に金融担当大臣が「期限切れ後も、対応は何ら変わらない。考え方を踏襲していく」との談話を発表しました。「借入金元本の返済猶予(リスケ)を引き続きしてくれる」と解釈できそうですが、そうではないと思います。

もともと金融円滑化法は、「リスケ要請があったら、いったん受け入れてあげなさい。ただし一年以内にきちんとした経営改善計画を策定し、それに真摯に取り組み、成果を上げることが条件です」という趣旨です。その前半部分だけを根拠に「リスケは法律で認められた権利だ!」と主張する経営者もいたと聞きました。

では、今年度末の期限切れ以降はどうなるのでしょうか?。後半部分の状況次第で対応は変わるということだと思います。法律に定められた通り、リスケしてもらっても、一年以内にきちんと経営改善計画を策定して、真摯に取り組み、成果を上げている企業については引き続き支援してもらうことができるでしょう。ただし、そうでない企業は支援打ち切りになる可能性が高いと考えた方が良いと思います。

企業経営を考えれば当たり前のことです。自己資本と借入金で事業をしている場合、事業の儲けによって借入金を返済しなくてはなりません。景気が悪くなって、儲からなくなっても約束したお金は返さなければなりません。きちんとした経営者は、約束を守るために必死になります。

でも中には、「儲からなくなったのは、自分のせいじゃない。景気が悪いからだ。政治が悪いから景気が良くならないんだ」と言っている経営者もいます。この経営者のをどう考えますか?

友人から頼まれてお金を貸しました。約束の期限になっても返してきません。催促すると「景気が悪くて儲からなくなったから返せないんだ。俺が悪いんじゃない」と言われました・・・。と同じようなことです。もうしばらくはお金を返してくれるのを待つかもしれませんが、いつか限界が来ると思います。その人を助けてあげようなんて気持ちは、薄らいでいくと思いませんか? 金融機関も同じです。冒頭のダーウィンの言葉の通り、環境変化に適応しないと生き残れないのです。どんな組織でも、一個人でも同じです。

今年一年、いろいろな環境変化がありました。私自身どれだけそれに適応できたか? でき切れていない部分は、努力してそうなれなければなりません。そんなことを考えつつ、師走に日本中を駆け回ります。

~組織は環境に従う~企業再生に当たって  【長屋勝彦】

2012/10/08
長屋 勝彦

 

T商工会議所の中小企業再生支援専門家アドバイザーの仕事を始めて8年が経過する。化学工業に属する会社に勤務していたためか、製造業関連の事案が多い。

T商工会議所の行う再生支援は、主に債権者である融資先の金融機関が、再生企業である中小企業との協議により行う、中小企業に関する私的再生支援である。

 

再生支援の仕事は、①事業デューデリジェンス(事業デューデリ:事業精査)、②財務デューデリジェンス(財務デューデリ:財務精査)、③中小企業の作成する事業計画及び資金計画の作成支援、④当再生支援計画に基づき債権者と協議により行う再生債権の返済期間(リスケ)等の決定支援である。

 

この中で、中小企業診断士は①事業デューデリとともに、③中小企業の作成する事業計画作成(営業利益)が、その事業の属する市場ニーズに適合できているかという視点から診断する。

 

製造業でいえば、価格志向性の強い製品は海外製品との競争上不利となり中小企業の事業領域とは言い難い。中小企業が国内に生産拠点を持つことができるのは、きめ細かな納期対応、競合他社と比べ差別化された品質・技術を有するといったことが生き残るための条件として具備しているかが問題となる。従って、事業デューデリ及び当中小企業の作成する事業計画に対するコメントは、競合他社との差別化点、その差別化をもたらしている要因に焦点をおき行う。

 

即ち、中小企業の行う事業がその事業を取り巻く市場環境に適合し、その市場で競合他社と比べて競争上有利に立てるかにある。その意味で、企業経営は環境適応業であり、経営学者チャンドラーのいう「組織は環境に従う」という言葉が中小企業再生支援にも当てはまる。

 

もとより、中小企業支援はその中小企業の行っている事業を見直すことにより、その企業を元気にし、雇用を確保するということを肝に銘じ当たらなければならない。又、企業再生のためには、「経営者の優れたリーダーシップ、組織一体となった危機感の共有、必要な資金源の確保が条件として備わっていなければならない」ということを否定することではない。

 

その意味で、今後もエクセレントパーフォーマンスを目指す意欲ある中小企業支援の仕事に注力していきたい。

以上

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦

価値と価値観 【長屋勝彦】

2012/09/10
長屋 勝彦

中小企業診断士で組織する、ある研究会で「私の大切にしている価値観」について3分間スピーチをすることになった。

 

価値というとコンサルタントとして仕事柄、価値創造という言葉が浮かぶ。価値創造は顧客の要求するニーズを具現化し製品として提供することをいう。そしてその製品を提供する代価として報酬を得る。すなわち、付加価値をつけることをいい、(売上-材料費)であらわされるが、提供する製品力が価値といえる。

 

そこで価値及び価値観という言葉をインターネットで検索した。価値(かち、value)とは、或るものを他のものよりも上位に位置づける理由となる性質、人間の肉体的、精神的欲求を満たす性質、あるいは真・善・美・愛あるいは仁など人間社会の存続にとってプラスの普遍性をもつと考えられる概念の総称で、価値観とは物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断基準である、とある。

 

翻って、自分にはどんな価値があるかを考えた。自分に価値があると思っていても他人がそうだと認めなければ意味がない。これに対して価値観は主観的なものである。

 

さて、3分間スピーチでどんな話をしようかと考えた。ありていにいえば、意欲のある人、あるいは中小企業支援ということになる。これはビジョンであり、価値観と言えない。昨年秋田で体験した絆ということかあるいは辞典にある、真の追求と伝達かなと思った。

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦

創造性開発の旅~熊野古道を歩いて~ 【長屋勝彦】

2012/08/13
長屋 勝彦

現在も熊野古道歩きは人気がある。「熊野古道を歩いてきます」と得意先の会社の女性の方に言うと、「うらやましいですね、私も一度は入ってみたいと思います」という答えが返ってきた。

 

今年の大河ドラマは「平清盛」であるが、しばしばそのテレビ画面に熊野古道が映し出される。その影響を受けたわけではないが休暇をとり熊野古道をあるいた。道順は紀伊田辺に一泊し、バスで子広王子まで行き、7時40分、そこから熊野古道に入り発神王子を経て、熊野大社までの約20kmを歩いた。子広王子から発神王子まで3つの峠を超えるという厳しいウオーキングであった。幸い、山歩きの経験者であるFさんに同道いただきいろいろなアドバイスを受け、所要時間9時間を要したが、無事走破することができた。

 

ウオーキング途中、三越峠を歩いて時に出会った方(林業に携わっている方)と発神王子で再会した。その時、その方は車を運転されておられ、「熊野大社まで乗っていかないか」と同乗を進められたが、初志貫徹というか、大社まで歩ききりたいという思いが先にたち、丁重にお断りをした。歩き終わり、熊野大社から勝浦までタクシーをチャーターし浦島というホテルに着いた時は午後の7時30分頃であった。

 

かなりの疲労を予想したが、足にできたまめがつぶれる程度で、2日後の現在は足の筋肉痛もとれ、正常通りにジョギングできる状態である。これも、Fさんのアドバイスとして杖を持参したことによるものである。

 

2泊3日の旅であったが、今回の成果は、貴族の行く道筋に従って、かねてからの念願であった子広王子からではあるが熊野大社までを歩ききったことの他、旅行中懸案となっていた問題解決のための二つのアイデアだしをすることができたことである。

 

一つ目は、昇任昇格試験の問題のうち悩んでいた項目に対する問題作成ができ、携帯で一緒に作成に当たっている仲間に連絡できたこと、二つ目は某自治体に対するプレゼン資料の一つとしてこれも悩んでいたカリキュラム作成のための重要なヒントを思いついたことである。前者は1週間前から悩んでいた問題であり直ちに解決したが、後者は今年初めから考えていた問題で、現在草稿中であるが、作成したプレゼン資料により受注できれば、まさに熊野大社のご利益ということである。

 

顧問先の会社に、「念ずれば花開く」という言葉が額に掲載されている。

一つのことを実現したいということを強く思い続ければ必ずその思いは実現する、実現するための解決策が浮かぶということを、今回の旅により経験した。

 

ある脚本家は、一つのテーマを持ち船の長旅をするという話を聞く。自身もそのような機会があれば、あるいは機会を作り旅に出てみたいと思った。

以上

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦

決断に臨んで~無常と持続可能性~ 【長屋勝彦】

2012/06/11
長屋 勝彦

以前在籍した会社のSさん(元専務)と物事を決めるに当っての心構えについて論議した。酒が入ったせいか饒舌になり、「森羅万象世の中は無常であり、決断にあたっては無私の心で臨まなければならない」、「無情な態度は良くない」。自分としては言葉遊びのつもりではないが、常と心と情をかけたつもりで話した。「無常か」とSさんは言いそれ以降しばらく沈黙状態となった。

 

帰宅後、気になり無常について辞書を引いた。辞書には、「万物が消滅・変化して定めがないこと、人の世は変わりやすくはかないこと」とあった。平価物語は、「祇園精舎の鐘、諸業無常の響きあり」の書き出しで始まる。又、謡曲敦盛には「人間50年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり」のくだりがある。要するに、人の世は変わりやすく限りあるものであるということである。

 

一方、企業活動はゴーイングコンサーンであり、サステナビリティ(持続可能性)が前提条件である。サステナビリティを維持するには無常な環境に対し的確に対応することにあり、そのためには無私の心で臨む必要がある。

 

このようなことを考えテレビのスイッチを入れた。大河ドラマ、「平清盛」で、吉野山の西行庵から戻り、熊野神社の造営にあたっている平清盛と西行の会話が映った。「そうだ、吉野に行こう」、昨年から吉野山に花見に行くを話していた中小企業診断士で京都に住むHさんに連絡し4月下旬の土日に京都に一泊し吉野山の西行庵を訪れた。西行庵の奥千本は桜が咲き始めの状態であったが、西行庵に向かう奥千本の道を歩いていると悠久の時空に在るように思えた。「次は熊野詣でに行こう」とHさんと話し合った。

吉水神社

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦