研修
先日、とある県の酒販卸組合の2時間の勉強会に講師として呼んでいただいた。テーマは「従業員を育て、やる気を引き出す方法」。事前情報では参加者は20名ほどで、経営者、役員、管理職とのこと。トップマネジメントとミドルマネジメントが混在している。
最低限は取り上げるにしても、モチベーション理論やリーダーシップ論、組織論等々の概論をお話ししても、「へーそうなんだ・・・」で終わってしまう。かといってケーススタディに取り組む時間はない。「明日から仕事で使ってもらえるような機会」にしたいと考えて内容を検討した。
会社員として働いている妻に意見を聞いたり、私自身が今まで仕事してて、最もやる気になったのはいつだったかな?と思い起こしたりもした。タイムリーに出版された、稲盛和夫氏の書籍「従業員をやる気にさせる7つのカギ」も読んでみた。
そして今回の勉強会でお伝えするメッセージを決めた。それは「自分がやる気になったきっかけを、部下にも与えてみましょうよ」と「知っていることでも実践しなくちゃ意味ないですよね」ということ。つまり「きちんと褒める(評価する)こと」と「部下とよくコミュニケーションをとって、認めてあげつつ導くこと」。
それぞれの体験と知識をおさらいして、それを実際に仕事で活かしていたかどうかを振り返ってもらい、明日から活かせるよう考えてもらうことにした。
2時間はあっという間に過ぎ、手ごたえは感じられた。主催者側責任者より「岩本先生の研修は、ユニークなアプローチで、良いですね」というコメントもいただいた。お聞き下さった方々の仕事で、少しでもお役に立てばと思っている。
「従業員を育て、やる気を引き出す方法」セミナーで 【岩本 亨】
岩本 亨
先日、とある県の酒販卸組合の2時間の勉強会に講師として呼んでいただいた。テーマは「従業員を育て、やる気を引き出す方法」。事前情報では参加者は20名ほどで、経営者、役員、管理職とのこと。トップマネジメントとミドルマネジメントが混在している。
最低限は取り上げるにしても、モチベーション理論やリーダーシップ論、組織論等々の概論をお話ししても、「へーそうなんだ・・・」で終わってしまう。かといってケーススタディに取り組む時間はない。「明日から仕事で使ってもらえるような機会」にしたいと考えて内容を検討した。
会社員として働いている妻に意見を聞いたり、私自身が今まで仕事してて、最もやる気になったのはいつだったかな?と思い起こしたりもした。タイムリーに出版された、稲盛和夫氏の書籍「従業員をやる気にさせる7つのカギ」も読んでみた。
そして今回の勉強会でお伝えするメッセージを決めた。それは「自分がやる気になったきっかけを、部下にも与えてみましょうよ」と「知っていることでも実践しなくちゃ意味ないですよね」ということ。つまり「きちんと褒める(評価する)こと」と「部下とよくコミュニケーションをとって、認めてあげつつ導くこと」。
それぞれの体験と知識をおさらいして、それを実際に仕事で活かしていたかどうかを振り返ってもらい、明日から活かせるよう考えてもらうことにした。
2時間はあっという間に過ぎ、手ごたえは感じられた。主催者側責任者より「岩本先生の研修は、ユニークなアプローチで、良いですね」というコメントもいただいた。お聞き下さった方々の仕事で、少しでもお役に立てばと思っている。
古いモノから新しいモノへ 【岩本 亨】
岩本 亨
今年は出雲大社の60年ぶりの遷宮と、伊勢神宮の20年に一度の遷宮が重なる珍しい年にあたる。4月、私の故郷でもある島根県に出張した折に、出雲大社に立ち寄り、新しい社殿を文字通り垣間見た。古い社殿から新しい社殿に遷宮されるのは、技術伝承の意味合いもあるとのこと。
関連があるようで、そうでも無いような話題を・・・。
仕事で酷使している、出張用の黒色のバッグをセットで買い替えた。キャスター付きの大きめのバッグと、いつも持ち歩いている、A4サイズの書類が、厚さ20 cmくらいでも楽に入るバッグである。買ってからもう10年近くも使っていたものだったので、相当に愛着を持っていた。持ち歩いているバックは日に焼けて赤みを帯び、やや褐色に変色していた。キャスター付きのは、キャスターを取り換えて使っていたが、一度の出張で徒歩で3キロくらい移動することもあり、かなり傷んでいた。ここまで使い込むと、ただの道具というより、欠かせない仕事のパートナーのような感覚を持ってしまう。以前、このコラムにも書いたが、仕事で履く革靴も、靴磨きをするたびに愛着が大きくなる半面、だんだん傷んでくる様子に心が痛くなってしまう。
古いモノから新しいモノへ。遷宮は極端にしても、身近な仕事道具でも新しくしていかないと、永遠に使い続けることはできない。
組織もまたしかり。新陳代謝を促進させて、活性化しないと、停滞してしまう。停滞しすぎると悪影響が出てくる。水も澱むと腐ってしまうものだ。
私自身、関与する組織が増えている。中には8年以上代表となっている組織もある。なかなか新しいリーダーが現れてこない。組織が澱んでいる証拠のような気がする。新陳代謝を促進したいと思う。
「脚下照顧」 【岩本 亨】
岩本 亨
先日、友人が禅家の標語に「脚下照顧」という言葉があると教えてくれました。恥ずかしながら私の知らない言葉でした。
英語の「watch your step!」と同じような意味かと思いながら、大辞泉で調べてみました。
「禅家で、足もとに気をつけよの意。自己反省、または日常生活の直視を促す語」とありました。
goo辞典で検索すると、三省堂「新明解四字熟語辞典」出典として「自分の足元をよくよく見よという意。もと禅家の語で、他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめよという戒めの語。転じて、他に向かって理屈を言う前に、まず自分の足元を見て自分のことをよく反省すべきこと。また、足元に気をつけよの意で、身近なことに気をつけるべきことをいう。▽「脚下」は足元の意。転じて、本来の自分、自分自身。「照顧」は反省し、よく考える、また、よくよく見る意。「照顧脚下しょうこきゃっか」ともいう。
意味深い言葉ですね・・・。
会社勤務時代に管理職に昇進したばかりの頃、部下にいろいろ指示をする際に、なんとなく居心地の悪さを感じたことを思いだしました。
自分がしっかりできていることについては、自信を持ってできますが、中途半端にしかできていないことについては気が引けます。 「自分もできていないけど一緒にがんばろう!」と言うのが良いのか、まずは自分できちんとしてから指示を出すのか? はたまた、自分のことは棚に上げて、毅然として指示出しすれば良いのか?・・・。 迷うところですが、組織で動こうとすると、まず指示を出さなければならないことが多いでしょう。
自分に自信が無くても毅然と指示を出すべきなのですが、なかなか難しい所です。
ここ数年、居酒屋等のトイレのスリッパの乱れが気になります。自分が年齢を重ねたせいかもしれません。個人の価値観ですから、何が良い悪いということではありませんが、私自身スリッパが乱れていれば揃えます。
以前、このブログに靴磨きのことを書きました。ピカピカの靴を履いていると、仕事に集中できます。それが私にとっては、ごく普通のことなのですが、世の中の多くの方々は、そうではないようです。余裕がなくなってしまっているのかもしれません。
振り返ってみると、以前は季節の移ろいを感じながら生活していたような気がしますが、最近はほとんど意識していません。日々時間に追われ、ゆっくりと自分を振り返ることができていません。「脚下照顧」、折に触れて思い出したいと感じました。
資格のミッション、仕事のミッション 【岩本 亨】
岩本 亨
みなさんは中小企業診断士という資格をご存知ですか? 私自身も中小企業診断士ですが、資格の知名度が低いためか、「何それ?」という反応をされることも良くあります。コンサルタントの国家資格です。
昨年の試験合格者の、多くは今年の3月中に登録し、4月から活動を始めています。私の所属する中小企業診断士の研究会「中小企業政策研究会」にも新入会員がたくさんが入ってきてくれました。
そんな彼らに対して、毎年私は以下のようなメッセージを送っています。
「中小企業診断士に期待されているのは、中小企業を支援することによってその会社を発展させ、ひいては日本経済の発展に貢献することです。皆さんは資格のミッションを良く認識して、自らの行動を考えてください。あなたが合格したために不合格になった方がいます。合格したあなたがミッション(使命)を果たさないのであれば、それは一種の背任行為だと私は思います。合格した人には合格した責任があります。その責任を意識して活動してください」と。もともとは資格の学校の創業社長である、TAC株式会社CEOの斎藤博明氏のメッセージを参考にしたものです。
4月から新しい生活を始めた方も多いと思います。就職された方、異動で今までと違う仕事を担当することになった方・・・。それぞれの方々が期待に胸を膨らませて新生活を送っていらっしゃるでしょう。一方で、意に反した境遇に意気消沈されている方もいらっしゃるかもしれません。
その仕事のミッションは何ですか? あなたがその仕事を獲得する過程で、意図的ではないにしても、結果的に他の人の機会を奪っていませんか? 「実力で獲得したことだから、いいじゃないか?」という考え方もありますが、上述のような考え方をしてみると、仕事そのもののとらえ方が変わってくると思います。
どのような仕事であっても、期待されていることがあるはずです。裏返せばその仕事を担当する人のミッションとも言えます。仕事をする際に、それを意識できるかどうかで、成果も違ってくるでしょう。仕事上で迷うことがあっても、それに立ち返れば答えが見えてくることがあります。
私は独立して仕事をしていますので、それぞれの仕事のミッションについては、常に意識するよう努力しています。大学を卒業して独立するまでの19年間は、サラリーマンをしていました。その時は、自分がその会社に就職できたために不合格になった人がいることを意識した記憶がありません。また担当業務のミッションを深く考えた記憶も、残念ながらありません。どちらかというと受け身で仕事をしていたのだと思います。
そんな私が言うのもおかしなことかもしれませんが、「せっかくその会社に入ったのなら」、「せっかくその仕事の担当になったのなら」と、ミッションを意識しながら、積極的に行動してみてください。そうすれば、仕事そのものを自分がマネジメントできるようになります。受け身ではなく、主体的に仕事をすることで、そこから得るものも大きく変わってくると思います。
新年度を迎えて、改めて発信してみました。人に発信すると、自分に跳ね返ってきます。私も意を新たにして努力していきたいと思います。
T市役所「政策提案研修」の講師をさせていただきました 【岩本 亨】
岩本 亨
今回は、最近の研修講師の話から。
今年で、3年連続で講師を務めさせていただいた、T市役所の「政策提案研修」が完了した。
7~8年目の職員を中心に、30名が受講。まず9月下旬に2日間政策提案の基礎的な研修を行った。意図的に「知識4割、演習6割」の実践にこだわったカリキュラムにした。
最初から5つのグループに分かれて演習に取り組んだ。そこで習得した内容を実際に活用して、約1ヶ月半のグループ活動。終業後や休日に時間を作って集まり、いろいろ調査したり分析したりしながら、政策案を検討し作成した。
そして11月初旬、市長をはじめとする理事者にその政策案をプレゼンテーションした。プレゼンは15:30~17:00。チームごとに発表10分、質疑応答5分。
その日の9:00~15:30までは、プレゼンテーションの基礎知識を、講師が20分程度説明した以外は、もっぱらグループ活動の総仕上げとして、2回のリハーサルと調整に集中した。
1回目のリハーサルは、全グループで聞き、アドバイスをしあった。他グループの様子を見て、自グループの参考にする。用意してきたパワーポイントのスライドが多すぎて、決められた時間内に発表が終わらないグループ。用意してきた原稿にばかり目を落として、全員が下を向いて元気なさそうに見えてしまうグループ。早口のグループ。声が小さいグループ・・・。最初からうまくいくはずもないが、様々な問題が浮き彫りになった。講師としては心配だったが、今年のグループは昨年までにも増して優秀だった。お昼休みも削って本番に備えていた。
そして本番。すべてのチームが堂々と9分30秒前後でプレゼンをまとめた。他チームや研修担当職員、講師からもらった、色々なアドバイスをきちんと検討し、可能なところは修正していた。最初のリハーサルに比べて、格段にブラッシュアップしたプレゼンであった。
提案内容の濃淡はあったが、市長はじめ理事者各位は大変満足そうに聞き入っていらっしゃった。厳しい質問もあったが、もっとブラッシュアップして提案し直して欲しいとの要望もいただいた。
プレゼンが終わり講師オリジナルの表彰状を全グループに授与した。記念撮影をして研修が終了したが、満足感と心地好い疲労感に包まれた。
課題と納期を設定して、集中して取り組む。テーマは自分たちで設定する。納期は他から指定されているが、自由裁量の部分が非常に大きい。まさに「目標による管理」。自発的に動いていくからこそ成果が出てきやすいことを実感できた研修だった。
当然のことながら、企業経営にも通じるものがある。自主性を如何に引き出して活躍してもらうか。組織にとっても個々人にとっても幸せな環境なのだが、なかなか実現は難しい・・・。