岩本
先日、友人が禅家の標語に「脚下照顧」という言葉があると教えてくれました。恥ずかしながら私の知らない言葉でした。
英語の「watch your step!」と同じような意味かと思いながら、大辞泉で調べてみました。
「禅家で、足もとに気をつけよの意。自己反省、または日常生活の直視を促す語」とありました。
goo辞典で検索すると、三省堂「新明解四字熟語辞典」出典として「自分の足元をよくよく見よという意。もと禅家の語で、他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめよという戒めの語。転じて、他に向かって理屈を言う前に、まず自分の足元を見て自分のことをよく反省すべきこと。また、足元に気をつけよの意で、身近なことに気をつけるべきことをいう。▽「脚下」は足元の意。転じて、本来の自分、自分自身。「照顧」は反省し、よく考える、また、よくよく見る意。「照顧脚下しょうこきゃっか」ともいう。
意味深い言葉ですね・・・。
会社勤務時代に管理職に昇進したばかりの頃、部下にいろいろ指示をする際に、なんとなく居心地の悪さを感じたことを思いだしました。
自分がしっかりできていることについては、自信を持ってできますが、中途半端にしかできていないことについては気が引けます。 「自分もできていないけど一緒にがんばろう!」と言うのが良いのか、まずは自分できちんとしてから指示を出すのか? はたまた、自分のことは棚に上げて、毅然として指示出しすれば良いのか?・・・。 迷うところですが、組織で動こうとすると、まず指示を出さなければならないことが多いでしょう。
自分に自信が無くても毅然と指示を出すべきなのですが、なかなか難しい所です。
ここ数年、居酒屋等のトイレのスリッパの乱れが気になります。自分が年齢を重ねたせいかもしれません。個人の価値観ですから、何が良い悪いということではありませんが、私自身スリッパが乱れていれば揃えます。
以前、このブログに靴磨きのことを書きました。ピカピカの靴を履いていると、仕事に集中できます。それが私にとっては、ごく普通のことなのですが、世の中の多くの方々は、そうではないようです。余裕がなくなってしまっているのかもしれません。
振り返ってみると、以前は季節の移ろいを感じながら生活していたような気がしますが、最近はほとんど意識していません。日々時間に追われ、ゆっくりと自分を振り返ることができていません。「脚下照顧」、折に触れて思い出したいと感じました。
「脚下照顧」 【岩本 亨】
岩本 亨
先日、友人が禅家の標語に「脚下照顧」という言葉があると教えてくれました。恥ずかしながら私の知らない言葉でした。
英語の「watch your step!」と同じような意味かと思いながら、大辞泉で調べてみました。
「禅家で、足もとに気をつけよの意。自己反省、または日常生活の直視を促す語」とありました。
goo辞典で検索すると、三省堂「新明解四字熟語辞典」出典として「自分の足元をよくよく見よという意。もと禅家の語で、他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめよという戒めの語。転じて、他に向かって理屈を言う前に、まず自分の足元を見て自分のことをよく反省すべきこと。また、足元に気をつけよの意で、身近なことに気をつけるべきことをいう。▽「脚下」は足元の意。転じて、本来の自分、自分自身。「照顧」は反省し、よく考える、また、よくよく見る意。「照顧脚下しょうこきゃっか」ともいう。
意味深い言葉ですね・・・。
会社勤務時代に管理職に昇進したばかりの頃、部下にいろいろ指示をする際に、なんとなく居心地の悪さを感じたことを思いだしました。
自分がしっかりできていることについては、自信を持ってできますが、中途半端にしかできていないことについては気が引けます。 「自分もできていないけど一緒にがんばろう!」と言うのが良いのか、まずは自分できちんとしてから指示を出すのか? はたまた、自分のことは棚に上げて、毅然として指示出しすれば良いのか?・・・。 迷うところですが、組織で動こうとすると、まず指示を出さなければならないことが多いでしょう。
自分に自信が無くても毅然と指示を出すべきなのですが、なかなか難しい所です。
ここ数年、居酒屋等のトイレのスリッパの乱れが気になります。自分が年齢を重ねたせいかもしれません。個人の価値観ですから、何が良い悪いということではありませんが、私自身スリッパが乱れていれば揃えます。
以前、このブログに靴磨きのことを書きました。ピカピカの靴を履いていると、仕事に集中できます。それが私にとっては、ごく普通のことなのですが、世の中の多くの方々は、そうではないようです。余裕がなくなってしまっているのかもしれません。
振り返ってみると、以前は季節の移ろいを感じながら生活していたような気がしますが、最近はほとんど意識していません。日々時間に追われ、ゆっくりと自分を振り返ることができていません。「脚下照顧」、折に触れて思い出したいと感じました。
価値観の違いを活かす 【岩本 亨】
岩本 亨
東京商工会議所が平成21年10月に発行した「中小企業のためのダイバーシティ推進ガイドブック」では、「ダイバーシティという言葉は通常『多様性』と翻訳され、企業経営においては『人材と働き方の多様化」を意味します。」と紹介したうえで、ダイバーシティを活かした経営を、「従業員の様々な『個性を基とした違い』を企業内に取り入れ、活用することにより、組織力を強化すること」と定義しています。
もともと職場においては、極論かもしれませんが「共通の価値観で行動を制限しなければ、統率がとれない」との考え方が一般的でした。「一人一人の価値観を認めたら、組織が崩壊してしまう」と考える経営者やマネジャーもいたのではないでしょうか?
そういえば、組織論の泰斗 チェスター・バーナードが唱えた組織の成立要件は「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3つで、共通価値はありません。共通目的が明確であることが重要で、どんな価値観を持っているかについては触れられていないのです。
日常にも価値観の違いを感じさせることがありました。
先月、出張の際に実家に一泊。夕ご飯は、母が作ってくれました。献立はその日、山から採ってきたうどのきんぴらや山菜の天ぷら、家の前の畑から取ってきたばかりの野菜のサラダ、近所のスーパーで買ってきた地物のトビウオとイカの刺身でした。私が絶賛すると、母は「こんなものがごちそうかねぇ?。魚以外は家の周りで採れたものだけど」と言っていました。野菜は取りたてならではの「香り」と「甘み」と「えぐみ」がありました。こんな野菜を東京で食べようとしたらとんでもない値段になってしまうでしょう。お店で買ってきたのは刺身くらい。それもその日の朝、獲れたもので新鮮でした。
東京と故郷とどちらが豊かなのか? 経済的観点では明白です。でも人は経済価値だけでは評価しません。収入は低くても、田舎でゆっくり、地産地消でおいしいものを食べて暮らしたいという人もいますよね。
二人の恩師からの挨拶状 【岩本 亨】
岩本 亨
先月、二通の定年退職の挨拶状が届いた。いずれも高校時代の恩師からのものだった。一人は剣道部の顧問として3年間ご指導いただいたI先生、もう一人は高校2・3年生の副担任としてお世話になったH先生である。 お二方の文章ともに38年間の勤務を振り返り、赴任先それぞれでの経験や印象を一文章に集約してコメントされている。積み重ねてこられた「各職場での仕事」についての強い思いが伝わってくる。挨拶状は一読してそのままということがほとんどだが、この二通は何回も読み返した。
私の母校は島根県立川本高校である。I先生は「昭和五十年邑智郡の伝統校である川本高校を振り出しに、・・・」と、H先生は「諸先輩の熱い指導に鍛えられた川本高校時代・・・」とコメントされている。今は統合されて島根中央高校になってしまった。
過疎地の山に囲まれた、普通科3クラス/商業科2クラスの全校生徒600名程度の小さな高校だった。 2・3年に進学クラスが1クラスあり、40名ほどが大学受験目指して勉強していた。まわりに進学予備校など全くなかった。若い先生中心に(多分自主的に、無報酬で)、朝7:50~始業までと放課後のそれぞれ1時間程度を使い、受験勉強のための補習授業をしていただいた。時間外勤務であるにもかかわらず、本当に熱い授業だった。私自身、そのおかげで大学に現役合格できたと今でも感謝している。
私も社会人になって28年が過ぎた。19年間会社員生活を送り、その後独立して9年目を迎えている。10年後私もこの二先生のように、自分のしてきた仕事を振り返って、「本当に良かった!」とコメントできるよう努力していかなければと強く思った。
既に独立しているので私に定年退職はないが、社会貢献できる限りは活動し続けたい。そのためにもビジョンを明確にして、迷った時にそこに戻って考えられるようにしなければと、思いを新たにした。
I先生、H先生、本当にお世話になりました。ありがとうございました。38年間お疲れ様でした。
資格のミッション、仕事のミッション 【岩本 亨】
岩本 亨
みなさんは中小企業診断士という資格をご存知ですか? 私自身も中小企業診断士ですが、資格の知名度が低いためか、「何それ?」という反応をされることも良くあります。コンサルタントの国家資格です。
昨年の試験合格者の、多くは今年の3月中に登録し、4月から活動を始めています。私の所属する中小企業診断士の研究会「中小企業政策研究会」にも新入会員がたくさんが入ってきてくれました。
そんな彼らに対して、毎年私は以下のようなメッセージを送っています。
「中小企業診断士に期待されているのは、中小企業を支援することによってその会社を発展させ、ひいては日本経済の発展に貢献することです。皆さんは資格のミッションを良く認識して、自らの行動を考えてください。あなたが合格したために不合格になった方がいます。合格したあなたがミッション(使命)を果たさないのであれば、それは一種の背任行為だと私は思います。合格した人には合格した責任があります。その責任を意識して活動してください」と。もともとは資格の学校の創業社長である、TAC株式会社CEOの斎藤博明氏のメッセージを参考にしたものです。
4月から新しい生活を始めた方も多いと思います。就職された方、異動で今までと違う仕事を担当することになった方・・・。それぞれの方々が期待に胸を膨らませて新生活を送っていらっしゃるでしょう。一方で、意に反した境遇に意気消沈されている方もいらっしゃるかもしれません。
その仕事のミッションは何ですか? あなたがその仕事を獲得する過程で、意図的ではないにしても、結果的に他の人の機会を奪っていませんか? 「実力で獲得したことだから、いいじゃないか?」という考え方もありますが、上述のような考え方をしてみると、仕事そのもののとらえ方が変わってくると思います。
どのような仕事であっても、期待されていることがあるはずです。裏返せばその仕事を担当する人のミッションとも言えます。仕事をする際に、それを意識できるかどうかで、成果も違ってくるでしょう。仕事上で迷うことがあっても、それに立ち返れば答えが見えてくることがあります。
私は独立して仕事をしていますので、それぞれの仕事のミッションについては、常に意識するよう努力しています。大学を卒業して独立するまでの19年間は、サラリーマンをしていました。その時は、自分がその会社に就職できたために不合格になった人がいることを意識した記憶がありません。また担当業務のミッションを深く考えた記憶も、残念ながらありません。どちらかというと受け身で仕事をしていたのだと思います。
そんな私が言うのもおかしなことかもしれませんが、「せっかくその会社に入ったのなら」、「せっかくその仕事の担当になったのなら」と、ミッションを意識しながら、積極的に行動してみてください。そうすれば、仕事そのものを自分がマネジメントできるようになります。受け身ではなく、主体的に仕事をすることで、そこから得るものも大きく変わってくると思います。
新年度を迎えて、改めて発信してみました。人に発信すると、自分に跳ね返ってきます。私も意を新たにして努力していきたいと思います。
自業自得で考えてみると・・・ 【岩本 亨】
岩本 亨
昨年6月4日のブログにも記述したが、金融円滑化法が今年度末をもって期限切れを迎える。昨年11月1日に金融担当大臣が「法律の期限が切れても、考え方は踏襲する」という談話を発表した。最初は何を言っているのかよくわからなかったが、いろいろと情報収集をしたところ、以下のような解釈のようである。 「リスケ(返済猶予)していても、経営改善計画を立てて支援金融機関の同意も得た上で、きちんと経営活動をし、最低限80%以上の達成状況であれば、支援をし続ける。債務者区分も正常債権のまま据え置く。」
この債務者区分だが、金融機関は貸し出している先の企業のランク付けをしている。監督官庁である金融庁の指導もあるため、きちんと対応している。正常債権であれば、その企業に金融機関は新規融資できるが、不良債権になってしまえば、その企業には新規融資できなくなる。
金融機関は毎年一度、各貸出先企業の自己査定を行い、債務者区分の見直しをする。経営状況が芳しくない状態が続き、経営改善計画の達成もままならない企業については、債務者区分が引き下げられることになる。そうなると、金融機関の態度は「支援」から「回収」へと変わる。
「金融機関の態度が手の平を返したように、急変した」という話をよく聞く。マスコミはそれを称して「貸し剥がし、貸し渋り」と言っている。私が聞く限りほとんどのケースで、金融機関はルールに則って対応している。経営状況が悪くなってしまったので、仕方がない対応なのである。
どうすれば良いか・・・?。経営状態を良くする以外にはない。しっかりした計画を立て、金融機関の合意を取り付け、確実に達成していくのである。
「景気が悪いから」、「政治が悪いから」・・・といろいろな言い訳をする経営者がいるが、話を聞いてみると、ほとんどのケースで経営の基本的なことがきちんとできていない。「やるべきことをやらずして、外部環境のせいにしていたって、会社経営はうまくいかないでしょ・・・?」
良い結果でも悪い結果でも、結果には必ず原因がある。その原因を自分以外に求めている限り会社の成長は難しい。このことは、個人についても言える。
仕事上で何等か悪い結果を招いてしまった時、みなさんはどのように考えますか? 自業自得の観点で、振り返ってみると、気が付かなかったことが見えてくるかもしれません。私自身の自戒を込めて・・・。