ブログ人材育成

小学六年生の孫が冬休みに入り、今年も泊まりに来た。そして、いつものように「通知表(あゆみ)」の内容を私に報告にきた。通知表を見ながら孫と短い言葉を交わす時間を、私はとても楽しみにしている。

今回はちょっとした驚きがあった。
通知表の項目の一つに「総合的な学習の時間の記録」がある。テーマは、「12才のハローワーク」で、先生のコメント欄には、経営コンサルタントに興味を持ってインターネットや本を使って調べたこと、働くことを考えるきっかけとなったことなどが書かれていた。
私の知っている孫の日常からして、「経営コンサルタント」に興味を持つということは少し意外であった。

私が経営コンサルタントの仕事をしていると話すと、「え、本当?」と、とても驚いた様子であった。私の名刺や写真付きの会社のパンフレットなどを見せると、しばらく見入っていたが、「中小企業診断士の資格を持っているの?」と質問されたので、今度は私が驚いた。
中小企業診断士を知っているのかと尋ねたところ、「調べたものに載っていた」と返ってきた。外見からではなく、孫の成長を実感できた出来事であった。

小学生のときに、仕事に対する自己イメージを考える学習をしていることにも少し驚いた。
と同時に、生涯問い続けるであろう、シャイン博士の3つの問いを思い出した。
「自分にできることは何か?」
「自分は何をやりたいのか?」
「自分は何をやることに価値を感じるか?」

孫の成長を実感した出来事 吉田健司

2017/12/25
吉田 健司

小学六年生の孫が冬休みに入り、今年も泊まりに来た。そして、いつものように「通知表(あゆみ)」の内容を私に報告にきた。通知表を見ながら孫と短い言葉を交わす時間を、私はとても楽しみにしている。

今回はちょっとした驚きがあった。
通知表の項目の一つに「総合的な学習の時間の記録」がある。テーマは、「12才のハローワーク」で、先生のコメント欄には、経営コンサルタントに興味を持ってインターネットや本を使って調べたこと、働くことを考えるきっかけとなったことなどが書かれていた。
私の知っている孫の日常からして、「経営コンサルタント」に興味を持つということは少し意外であった。

私が経営コンサルタントの仕事をしていると話すと、「え、本当?」と、とても驚いた様子であった。私の名刺や写真付きの会社のパンフレットなどを見せると、しばらく見入っていたが、「中小企業診断士の資格を持っているの?」と質問されたので、今度は私が驚いた。
中小企業診断士を知っているのかと尋ねたところ、「調べたものに載っていた」と返ってきた。外見からではなく、孫の成長を実感できた出来事であった。

小学生のときに、仕事に対する自己イメージを考える学習をしていることにも少し驚いた。
と同時に、生涯問い続けるであろう、シャイン博士の3つの問いを思い出した。
「自分にできることは何か?」
「自分は何をやりたいのか?」
「自分は何をやることに価値を感じるか?」

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

ルーチンワークは創造的な仕事を駆逐する 吉田健司

2017/11/27
吉田 健司

「グレシャムの法則」は、イギリスの グレシャムが唱えたとされる「悪貨は良貨を駆逐する」という法則である。ある社会で材質の悪い貨幣と良質の貨幣とが同一の価値をもって流通している場合、良質の貨幣は使用せずに保持されたり、溶解されて地金にされたり、輸出されたりなどして市場から消えて、悪い貨幣が流通するという法則である。

では、「計画のグレシャムの法則」とはどのような法則だろうか。これは、1978年に「経済組織における意思決定過程の先駆的研究」によりノーベル経済学賞を受賞した米国のハーバート・A・サイモンが唱えた法則で、「ルーチンワークは創造的な仕事を駆逐する」というものである。ルーチンワーク、すなわちいつも通りの定型的な仕事量が多いと、長期を想定したり、抜本的に仕事のやり方を変更したりといった創造的な仕事が、後回しにされるという警鐘である。

働き方改革を考えるにあたっても、「計画のグレシャムの法則」は、重要な示唆を与えてくれる。日常業務が多忙という理由で、それを改善する工夫を後回しにしたり、そのために必要な学習を後回しにしたり、本気で取り組まなかったりする状況に陥ってないだろうか。
そのような組織や人は、まず多忙な日常を「見える化」するのが良いと思うが、その結果をどのように分析するかも考えておかなければならない。私はそのためのキーワードの一つが判断力だと思っている。日常業務を大小、さまざまな判断の連続であると捉えると、多忙かどうかは、仕事の絶対量だけでなく、判断の拙劣が大きく影響するのではないかと思うからである。
仕事における判断は、意思決定という言葉におきかえて学ぶと良いと思う。そのため、組織の意思決定過程を研究したハーバート・A・サイモンが著した「経営行動(ダイヤモンド社)」を、私は愛読している。

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一分間を意識する 吉田健司

2017/10/23
吉田 健司

一分間で話せる文字の量は300字から400字といわれている。また、一分間に標準的なスピードで話した時の文字量は270字から300字といわれている。しかしながら、私の場合はもっとゆっくり話す癖があるので、250字以下である。
以前参加していた中小企業診断士の仲間との研究会では、一分間の文字量を意識しながら三分間スピーチのトレーニングを行ったが、話すスピードを標準に近づけるという意味ではまだまだである。
その当時、齋藤孝教授の著書「1分で大切なことを伝える技術」を読んで学んだことがある。
同書では、三分間スピーチより一分間で話すトレーニングを勧めている。齋藤孝教授は三分間だと一分間で話せる中身を三倍に薄めているのではと指摘する。私はなるほどと新鮮な刺激を受けた。この指摘は、「一分間で話せる中身」をコミュニケーション以外の別に言葉におきかえることができると思ったからである。
例えば、
一分間でできる意思決定を三倍に薄めていませんか、
一時間でできる会議を三倍に薄めていませんか、
一日でできる仕事を三倍に薄めていませんか、
などである。
同じ時間でも、その時間の密度は人によって異なる。齋藤孝教授は、「密度感覚」という言葉を使ってそれを説明しているが、働き方改革を考えるうえでも重要な示唆をいただいているように、私は思っている。
同様の示唆を、「カイゼン」で著名な山田日登志氏からいただいている。山田氏の言葉の中にある「稼働時間8時間は2万8800秒と覚えればサイクルタイムがすぐ分かる」というフレーズである(出典:日経トップリーダー2013.1)。私は、この秒単位で考える基本がとても好きである。

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能力開発と労働生産性の関係 吉田健司

2017/08/28
吉田 健司

 2015年6月のコラムで、2008年中小企業白書の「労働生産性を意識している企業は、意識していない企業に比べて売上高経常利益率が顕著に高い傾向に見られる」という記述を紹介した。この労働生産性(付加価値/ 労働投入)について、平成28年度労働経済の分析(厚生労働省)がテーマに取り上げている。内容で興味深いのは、労働生産性の上昇には、人的資本形成の一つである能力開発が重要であると確認している点であるが、今回は、企業の能力開発への関与のあり方は大切であると、私があらためて認識させられた分析結果を二つ紹介したい。
一つ目は、「OJT の実施とOFF-JT の実施には相乗効果が認められ、両者共に積極的に実施していくことが高い労働生産性を達成するには重要である」という分析である。二つ目は、「企業が積極的に労働者の能力開発に関与しているところほど労働生産性が高い傾向がみられる」という分析である。
 企業主体で労働者の能力開発方針を決める場合には、企業の考えにあった訓練が行われ、より効果的な能力開発が行われるというメリットあるとされる。また、従業員一人ひとりの能力・資質を更に高め、能力を最大限発揮させることは、労働生産性の向上のみならず企業の持続的な発展にも寄与するとされる。
 この能力開発の考え方について、平成28年度能力開発基本調査(厚生労働省)の調査結果を見ると、正社員に対する能力開発の責任主体については、「企業主体で決定」するとする企業は24.4%( 前回25.3%)、「企業主体で決定に近い」とする企業は51.7%( 前回51.3%) となっている。
 平成28年度労働経済の分析では産業別の分析、企業規模別の分析も行われているので、一読をお薦めする。

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心理的な罠 吉田健司

2017/05/22
吉田 健司

10年程前になるが、意思決定でよく見受けられる心理的な罠について社内向けにコラムを書いたことがある。参考にした書籍は、意思決定アプローチ「分析と決断」(1999年初版  ジョン・S・ハモンド/ラルフ・L・キーニー/ハワード・ライファ著 小林龍司訳 ダイヤモンド社)である。
この書籍は、第10章で11種類の心理的な罠を取り上げている。「目につくことしか見ない、自己正当化の罠」、「過去の意思決定を正当化したうえで現在の意思決定を考える、過去の支出の罠」、「選択肢の数が多いほど現状維持が好まれる、現状維持の罠」など、日常身近で見聞きするような心理的な罠もあり、それらの回避テクニックは大変勉強になったと記憶している。
最近、あらためて興味のある部分を読み直したところ、新たな気づきがあった。それは、「現状を変えるのに必要とされる労力やコストを大げさに考えない」というテクニックについてである。以前は読み流していたフレーズである。
当時の私は、現状を変えるためには、まず人からだと考え、どうやったら変われるかという視点で考えていた。国分康孝著「自分を変える心理学」(PHP文庫)を愛読し、自分を変える3要素「思考・感情・行動」の話をたびたび紹介したりしていた。
今回の気づきは、なぜ変われないかの視点も重要ということである。どうやったら変われるかを考えることの大切さを伝える前に、なぜ変われないかを深掘りすることを伝えた方が良かったのではと自省している。前回テーマとした「メタ認知」をもっと取り入れていかなければと思う今日この頃である。