人材育成
週刊ダイヤモンドの今週号にダイヤモンド社から発売されている本「伝説の外資トップが説く 仕事と人生で成功するために必要なこと」の1ページ広告が掲載されている。著者は新将命氏である。新将命氏は、私が定期的に繰り返し読んでいる本の著者である。広告を見た瞬間に、これは読む価値のある本だろうと思った。
私が再読している本は、「リーダーシップはどうすれば生まれるのか?」というタイトルで、三笠書房の知的生き方文庫の一冊である。第1刷発行は1995年12月10日とあるので、20年前に発行された本である。私が40代前半から数年に一度は読み返している理由は、著者が人を動かす前に自分を動かすことの大切さを述べているからである。自分自身のことはもちろんであるが、「自分を動かす」、「自分を変える」は、次のリーダーを育てるために重要なキーワードだと痛感していた私にとって、心強い味方を得た思いであった。同様の思いで大事にしている一冊がある。國分康孝著「自分を変える心理学」PHP文庫である。思考・感情・行動の自分を変える三つのツボの話がとても分かりやすく、いろんな機会をとらえて社内で発信していたものである。
かつて、リーダーシップについて知識が先か経験が先か思いを巡らせたことがある。リーダーシップは体系的に学んだり経験したりする機会が少なく、OJTを通して身につけていくことが多いのではないだろうか。OJTを通して身につけていくということは、結局自己流になるということではないだろうか。自己流がすべて悪いとは思わない。自分なりのリーダーシップを習得すること、持論を持つことは素晴らしいことだと思う。ただ、そのためには学び方が大事であろう。学ぶことと実践することを繰り返す、「学びて習う」を実践しなければならない。優れたリーダーシップを実践してきた方の持論を学べるという意味で、私は、「伝説の外資トップが説く 仕事と人生で成功するために必要なこと」を読む価値があると思ったわけである。
リーダーシップを学ぶ 吉田健司
吉田 健司
週刊ダイヤモンドの今週号にダイヤモンド社から発売されている本「伝説の外資トップが説く 仕事と人生で成功するために必要なこと」の1ページ広告が掲載されている。著者は新将命氏である。新将命氏は、私が定期的に繰り返し読んでいる本の著者である。広告を見た瞬間に、これは読む価値のある本だろうと思った。
私が再読している本は、「リーダーシップはどうすれば生まれるのか?」というタイトルで、三笠書房の知的生き方文庫の一冊である。第1刷発行は1995年12月10日とあるので、20年前に発行された本である。私が40代前半から数年に一度は読み返している理由は、著者が人を動かす前に自分を動かすことの大切さを述べているからである。自分自身のことはもちろんであるが、「自分を動かす」、「自分を変える」は、次のリーダーを育てるために重要なキーワードだと痛感していた私にとって、心強い味方を得た思いであった。同様の思いで大事にしている一冊がある。國分康孝著「自分を変える心理学」PHP文庫である。思考・感情・行動の自分を変える三つのツボの話がとても分かりやすく、いろんな機会をとらえて社内で発信していたものである。
かつて、リーダーシップについて知識が先か経験が先か思いを巡らせたことがある。リーダーシップは体系的に学んだり経験したりする機会が少なく、OJTを通して身につけていくことが多いのではないだろうか。OJTを通して身につけていくということは、結局自己流になるということではないだろうか。自己流がすべて悪いとは思わない。自分なりのリーダーシップを習得すること、持論を持つことは素晴らしいことだと思う。ただ、そのためには学び方が大事であろう。学ぶことと実践することを繰り返す、「学びて習う」を実践しなければならない。優れたリーダーシップを実践してきた方の持論を学べるという意味で、私は、「伝説の外資トップが説く 仕事と人生で成功するために必要なこと」を読む価値があると思ったわけである。
「中秋の名月」の夜に思うこと 吉田健司
吉田 健司
かつて企業で本社勤めをしていたころ、思い悩んでいたことがある。企業において、毎年部門の目標を立て、目標の達成に向けた行動計画を策定し、現場で取り組むべき施策を決めて、各現場がPDCAを回して業務活動をしているとしよう。現場のある組織にとって、課題は多岐にわたり複数ある場合、優先順位をつけて選定したいくつかの施策を、その時の組織目標として取り組むことになるだろう。バーナードの公式組織の理論でも共通の目的は組織の要素の一つとされている。
私が当時思い悩んでいたことは、この施策(複数の施策のうちの一つの施策)が達成された後のことである。たとえば、3年間ほど取り組んだ結果、当初課題と認識した状態ではなくなったため、改善したと判断し、その施策に代わり新たな施策に取り組むことにしたとしよう。ところが、施策として取り組むことをやめると、1年もしないうちに解消されたはずの課題がまた姿を現してくる。そんな経験をされたことはないだろうか。「なんで定着していないのか」と、愚痴のひとつもこぼしたくなる。
最近になって、答えはSECI(セキ)モデル、共同化・表出化・連結化・内面化の四つの知識変換モードにあるのではと思うようになった。当時私は、個人の暗黙知からグループの暗黙知を創造する共同化と暗黙知から形式知を創造する表出化に興味を持ち、組織的知識創造の理論を勉強していたが、形式知を暗黙知に体化するプロセスである内面化については、あまり関心がなかったように思う。施策として取り組んだ結果、一時的に改善しても、組織メンバー一人ひとりに内面化しなければゴールではないであろう。残念ながらSECI(セキ)モデルを人材育成の視点で学ぼうとしていた当時の私には、そこまで考えは及ばなかった。
冒頭の思い悩むきっかけは、当時の部長に質問されたことだが、20年近くたった今なら、質問への答えができるかもしれない。
「己を修める」に思う 吉田健司
吉田 健司
昨日の日曜日、ある国家試験へのチャレンジで受験会場である某大学に行った。普段大学の校舎に入ることはないので、目的が試験を受けることとはいえ、大学のキャンパスやロビー、通路などを見て回るのは、気分転換にもなり、ちょっとした楽しみである。特に学内の掲示物を読むのが私の楽しみである。今回目に留まったのは、経済学部の試験内容を通知する掲示である。マクロ経済学とミクロ経済学別にテーマや使用テキストなど通知されていた。私は、中小企業診断士の試験科目の1つである経済学の学習に非常に苦労した経験があり、大学の経済学部で学ぶ内容に少なからず興味を持っていたので、良い機会であった。
大学という書がある。論語、孟子、中庸とともに四書のひとつである。薪を背負って歩きながら本を読んでいる二宮金次郎の像で、二宮金次郎が読んでいる書である。この大学には、「修己治人」という有名な言葉ある。己を修めて人を治める。私は、この「己を修める」に興味を持ち大学を何度も読み返してきた。これからも読み返したいと思っている。思うに、「己を修める」ためには学ぶことと徳を積むことが大切なようである。
孫の早とちり 吉田健司
吉田 健司
夏休みに入って泊りに来ている小学生の孫と過ごす時間は楽しいものである。先日、私が読書をしている隣で、夏休みの宿題にとりくんでいる様子を見て気がついたことがある。問題文を最後まで読まないで答えを書いたのが、明らかにわかる問題があり、問題文をもう一度読むように促すと、しっかり読んで答えを書きなおしていた。孫の早とちりに思わず微笑んでしまったが、早とちりする、決めてかかる 、思い込む 、つもりになる 、 勘違いする 、思い違いするなどはコミュニケーションでよく起こることではないだろうか。
たとえば電話対応のケースで、電話が終わった担当者に、何の話をしたか聞いてみると、「○○についてお願いした」と返ってくる。このお願いしたが問題である。この時点で担当者は、ボールはお客さまにあると思っている。このようなケースでは、電話をしたお客さまの説明に対する反応や、お願いに対する具体的な行動の予告などがあったかなどを担当者に確認し、ボールは本当にお客さまにあるのかをチェックする。担当者はボールがお客さまにあると思っていても、お客さまにその認識がない場合は、結果としてお客さまへの対応が遅れることになる。クレームの芽にもなる。チェック・アクションの指導は大切である。
たとえば、クレーム対応で、お客さまの話をよく聞いてみると、担当者の伝えたいこととお客さまの受け止めたことが相違していることがある。聞くスキルの問題、話すスキルの問題、説明するスキルの問題、論理的な思考スキルの問題などいろんな改善項目が考えられるだろうが、このような部下に、私が経験からまず指導する点は、情報の非対称性である。情報の非対称性は、取引される商品等に関して当事者がもっている情報に当事者間で格差があること、市場取引における買い手と売り手の当事者がもっている情報が不均衡であることなどと説明される。この情報の格差や不均衡がお客さまとの関係で存在していることを、わかってコミュニケーションをする程度では不十分で、常に意識し、情報の非対称性が関係してお客さまにわかりにくい説明になっていないか、振り返りながらコミュニケーションをするのが基本であると、指導する。
私は、情報の非対称性を広く違いととらえ、あらゆる場面で意識できるようになりたいと思っている。
「人材力」に思う 吉田健司
吉田 健司
平成26年版「労働経済白書」の分析テーマは「人材力の最大発揮に向けて」である。「人材力」という言葉が気になり調べてみたが、明確な定義を見つけることはできなかった。
行政文書では、文部科学省が、平成25年に「人材力強化のための教育戦略」という資料を公表している。日本人としてのアイデンティティを持ちつつ、高付加価値を創造し、国内外で活躍・貢献できる人材の育成に向けてとるべき成長戦略と大学の役割について記述されている。
また、総務省は地域活性化の基本的な要素である人材力の強化を図るため「人材力活性化」に向けた取組みを行っている。これは「地域力創造に関する有識者会議」において、同じような経済的条件、自然的条件下にあって活性化している地域とそうでない地域の差を生じさせている大きな要因として、「人材力」が指摘されたことをうけてのことのようである。
「労働経済白書」では、「人材」を我が国が世界に誇る最大の資源と認識し、全ての人材が能力を高め、その能力を存分に発揮できる「全員参加の社会」の構築が必要との観点から、企業における人材マネジメントに着目した分析を行っている。その分析結果の1つとし、多様な労働者に積極的な雇用管理を行い、就労意欲を引き出す人材マネジメントが、企業を成長させることがあげられている。企業を取り巻く競争環境の変化の中、正規雇用労働者のみならず、様々な雇用形態で働く労働者が増加しているが、雇用形態にかかわらず、積極的な雇用管理に取り組んでいる企業では、労働者の定着率が高くなるとともに、労働生産性や売上高経常利益率 も高い傾向にあるとされている。
これは、2008年の中小企業白書の、労働生産性を意識している企業は、意識していない企業に比べて売上高経常利益率が顕著に高い傾向に見られる、労働生産性の向上が企業業績を向上させる効果を有することを示唆している、という分析結果とあわせてみると面白い。
しかしながら、私の経験から思うに、多様な労働者に積極的な雇用管理を行い、就労意欲を引き出すことは、簡単なことではない。「人材力」の重要性は様々な視点から認識されている通りだと思うので、まずは、自社の自身の人材マネジメントが適切か、日ごろから考えることが大切ではないだろうか。