長屋勝彦
毎年、テレビで箱根駅伝を観戦するのがここ数十年来の習慣である。
今年は予選会から勝ち上がってきた日本体育大学が30年振りに総合優勝した。終了後、同大学の別府監督の「優勝の原因はチームが一つになれたことによるものです。」という談話が印象に残った。
「チームがひとつになれば,選手たちの目の色は変わる、選手一人ひとりがみずからの生活を律し,生きる基本から見直し,実践しはじめる、それをみんなで取り組んだ」ということだ。そのためには、3年生をキャプテンに指名し強力なリーダーシップのもとに当たり前のことを当たり前にやる。決められた時間に就寝し、決められた時間に起床し、決められたトレーニングを自発的に行う。いわば、「基本の基」に徹するということである。
翻って、企業経営の場合はどうであろうか。
このこと(「基本の基」)は企業経営にも当てはまる。企業としてのビジョンなり目標を持ち、その目標を達成するための計画を作成し、実施し、振り返り、その振り返りを次の計画に反映するというPDCAの繰り返し(マネジメントサイクルの形成)であるが、その場合、三つのことを肝に銘じ行動することが必要である。一つ目は、経営に対する原理原則を遵守することであり、二つ目は情報を共有化することであり、三つ目はビジョンを実現させようとする情熱をもつことである。
一つ目の原理原則は、マーケティング面では3Cであり、SWOT分析、5force、4Pといった原則に基づいた活動を行うことであり、二つ目の情報の共有化は活動のプロセス、活動の結果を全社員で共有し全社員の心を一つにすることであり、三つ目はビジョンの実現を使命と考え情熱を持ってその達成に努めることである。
今回の箱根駅伝をとおして、「基本の基」の重要性を認識した。
2013年の箱根駅伝に思う~企業経営の在り方~ 【長屋勝彦】
長屋 勝彦
毎年、テレビで箱根駅伝を観戦するのがここ数十年来の習慣である。
今年は予選会から勝ち上がってきた日本体育大学が30年振りに総合優勝した。終了後、同大学の別府監督の「優勝の原因はチームが一つになれたことによるものです。」という談話が印象に残った。
「チームがひとつになれば,選手たちの目の色は変わる、選手一人ひとりがみずからの生活を律し,生きる基本から見直し,実践しはじめる、それをみんなで取り組んだ」ということだ。そのためには、3年生をキャプテンに指名し強力なリーダーシップのもとに当たり前のことを当たり前にやる。決められた時間に就寝し、決められた時間に起床し、決められたトレーニングを自発的に行う。いわば、「基本の基」に徹するということである。
翻って、企業経営の場合はどうであろうか。
このこと(「基本の基」)は企業経営にも当てはまる。企業としてのビジョンなり目標を持ち、その目標を達成するための計画を作成し、実施し、振り返り、その振り返りを次の計画に反映するというPDCAの繰り返し(マネジメントサイクルの形成)であるが、その場合、三つのことを肝に銘じ行動することが必要である。一つ目は、経営に対する原理原則を遵守することであり、二つ目は情報を共有化することであり、三つ目はビジョンを実現させようとする情熱をもつことである。
一つ目の原理原則は、マーケティング面では3Cであり、SWOT分析、5force、4Pといった原則に基づいた活動を行うことであり、二つ目の情報の共有化は活動のプロセス、活動の結果を全社員で共有し全社員の心を一つにすることであり、三つ目はビジョンの実現を使命と考え情熱を持ってその達成に努めることである。
今回の箱根駅伝をとおして、「基本の基」の重要性を認識した。
社内旅行に参加して 【長屋勝彦】
長屋 勝彦
精密加工機械部品製造会社の社内旅行に参加した。東北の秋の紅葉を愛でる旅である。その会社は、柔軟な納期対応により、高品質の製品を顧客に提供している。そのため、価格は多少高くても多くの優良企業と直接取引し、欧州経済の停滞、中国関係の悪化にもかかわらず好調な業績を保持している。その原因は、いわゆる匠の技という領域には程遠いが作業者である熟練された技能にある。
社長は、町工場規模から20歳代半ばで独立した方で、社員教育に熱心である。今から10年前、この会社の社員教育・指導の依頼を受けた。社員教育といっても技術面ではなく、自分自身の経験を通して優れた技術者、管理者となるための取り組み方、心構えについての指導である。
現在の作業レベルは、時間(残業)をかけてどうにか顧客の要求する製品を作り、顧客に届けている水準である。この会社が今後も生き残るには、時間をかけないで(残業をしないで)現在の作業レベルの仕事をこなし、よりレベルの高い(高精度)仕事への取り組みが必要である。そのための方策は自分自身で考え実行するよりほかは無い、いわば創出(仮説検証)の世界である。そのためには、自分が仕事で一流になるのだという気概を持つことが必要であり、そのための心構えを作業員(管理者を含め)に植え付けるのが社長から依頼された使命であると考えている。
常々従業員に、「自分のビジョンを持ち、この世界で一流になるように」と話しているが、反面、従業員個々人が個性を出しすぎると会社全体のチームワークにひびが入る。組織で仕事をするにはチームワークとしての和も必要であり、個人の力量アップと組織の風土作りが重要であると思っている。
宴会の席でスピーチを求められたが、「今回の社内旅行の意義は、野外研修であり、仕事を離れたときに何かを感じて帰るとともに、同じ釜の飯を食っていることであり、チームとしての連帯を深める場であって欲しい」という話をした。スピーチ後、診断士である自分にもこのことはいえると思った。 今回の旅行は、東北の紅葉を体験するとともに多くの人と話し、行動でき有意義なものであった。
中小企業にとっての「世界に一つだけの花」とは 【長屋勝彦】
長屋 勝彦
テレビのニュースで、日本著作権協会が過去30年に放送、カラオケで歌われた歌100曲を発表し、その1位が世界で一つだけの花であるということを知った。
ナンバーワンにならなくてもよい、オンリーワンになればよいという歌詞が人々の共感を得たものである。この歌詞の意味はナンバーワンになろうとして背伸びをし、無理をした生き方をするより、充実感を得られ得る自分に合った生き方をすることが自分の人生にとって大切であるということである。
この曲は10年前に発表されたが、最初に聞いたのは中小企業診断士の実務補習の最終日で、中小企業診断協会東京支部に診断報告書を提出し、診断先での診断報告会で報告し、反省会も終わって帰途に就くタクシーの中であった。
人材、資金の乏しい中小企業の生きる道はニッチ市場であり、そこでトップ企業というよりオンリーワン企業を目指すべきであるということを日ごろから思っており、この歌が印象に残った。
あれから10年、今もその考えは変わっていない。ワールドワイドな事業展開を求められる環境にあって、人材、資金の乏しい中小製造業が生き残る道は日本に開発拠点を置く企業と連携し差別化できる技術を確立することにつきると今も考え、そのための中小企業支援に注力している。
しかし、活路を見いだせた企業もあるが、今は大きな成果は得ていない。今後も、中小企業診断士として何をする必要があるか、何ができるかといったことを常に考え行動していきたいと念じている。
~組織は環境に従う~企業再生に当たって 【長屋勝彦】
長屋 勝彦
T商工会議所の中小企業再生支援専門家アドバイザーの仕事を始めて8年が経過する。化学工業に属する会社に勤務していたためか、製造業関連の事案が多い。
T商工会議所の行う再生支援は、主に債権者である融資先の金融機関が、再生企業である中小企業との協議により行う、中小企業に関する私的再生支援である。
再生支援の仕事は、①事業デューデリジェンス(事業デューデリ:事業精査)、②財務デューデリジェンス(財務デューデリ:財務精査)、③中小企業の作成する事業計画及び資金計画の作成支援、④当再生支援計画に基づき債権者と協議により行う再生債権の返済期間(リスケ)等の決定支援である。
この中で、中小企業診断士は①事業デューデリとともに、③中小企業の作成する事業計画作成(営業利益)が、その事業の属する市場ニーズに適合できているかという視点から診断する。
製造業でいえば、価格志向性の強い製品は海外製品との競争上不利となり中小企業の事業領域とは言い難い。中小企業が国内に生産拠点を持つことができるのは、きめ細かな納期対応、競合他社と比べ差別化された品質・技術を有するといったことが生き残るための条件として具備しているかが問題となる。従って、事業デューデリ及び当中小企業の作成する事業計画に対するコメントは、競合他社との差別化点、その差別化をもたらしている要因に焦点をおき行う。
即ち、中小企業の行う事業がその事業を取り巻く市場環境に適合し、その市場で競合他社と比べて競争上有利に立てるかにある。その意味で、企業経営は環境適応業であり、経営学者チャンドラーのいう「組織は環境に従う」という言葉が中小企業再生支援にも当てはまる。
もとより、中小企業支援はその中小企業の行っている事業を見直すことにより、その企業を元気にし、雇用を確保するということを肝に銘じ当たらなければならない。又、企業再生のためには、「経営者の優れたリーダーシップ、組織一体となった危機感の共有、必要な資金源の確保が条件として備わっていなければならない」ということを否定することではない。
その意味で、今後もエクセレントパーフォーマンスを目指す意欲ある中小企業支援の仕事に注力していきたい。
以上
価値と価値観 【長屋勝彦】
長屋 勝彦
中小企業診断士で組織する、ある研究会で「私の大切にしている価値観」について3分間スピーチをすることになった。
価値というとコンサルタントとして仕事柄、価値創造という言葉が浮かぶ。価値創造は顧客の要求するニーズを具現化し製品として提供することをいう。そしてその製品を提供する代価として報酬を得る。すなわち、付加価値をつけることをいい、(売上-材料費)であらわされるが、提供する製品力が価値といえる。
そこで価値及び価値観という言葉をインターネットで検索した。価値(かち、value)とは、或るものを他のものよりも上位に位置づける理由となる性質、人間の肉体的、精神的欲求を満たす性質、あるいは真・善・美・愛あるいは仁など人間社会の存続にとってプラスの普遍性をもつと考えられる概念の総称で、価値観とは物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断基準である、とある。
翻って、自分にはどんな価値があるかを考えた。自分に価値があると思っていても他人がそうだと認めなければ意味がない。これに対して価値観は主観的なものである。
さて、3分間スピーチでどんな話をしようかと考えた。ありていにいえば、意欲のある人、あるいは中小企業支援ということになる。これはビジョンであり、価値観と言えない。昨年秋田で体験した絆ということかあるいは辞典にある、真の追求と伝達かなと思った。