ブログ長屋勝彦

34年間サラリーマンとして過ごした。そのうちの3分の2近く、製品開発の業務に携わった。製品開発の仕事は、その製品の特性を把握し、その特性に合った市場を見つけ、その市場の顧客に販売することである。

 

開発製品がすでに市場で使用されている製品(既存品)であれば、その既存品の性能(品質)やその製品の市場について調査すればよいが、その製品が市場では使用されていない新規製品の場合は簡単ではない。

新製品開発は、開発しようとする製品の性能を把握し、その性能が使用される市場(用途)を見つけることであり、既存品と比べ、時間も費用もかかり、製品化に成功する確率は千に三つといわれているように極めて低い。

 

最初に携わった化学品の製品開発は、対象とする市場、開発しようとする製品の性能もわからず数年が経過した。幸いなことに、ようやく、安全性の面からPCB代替え品として国内外の顧客に採用されることになったが、その企業化には約10年の月日がかかった。

企業化された製品の性能を具現化した化学構造式は、市場ニーズを反映し当初の製品と比較し整理された構造式となった。この製品開発を通して、製品に関する化学的知識及び市場開発に関するマーケティングの手法の他、ネバーギブアップの精神で仕事に取り組む姿勢を学ぶことができた。又、右も左もわからぬ当時の若輩である小職を温かく見守っていただいた諸先輩に心から感謝している。

数十年経った今は、当時の精神を忘れず発展途上にある意欲ある中小企業や若い人を支援していきたい。

 

以上

 

 

 

 

 

 

 

 

創造性開発~チャレンジ精神によるネバーイブアップの姿勢で~ 【長屋勝彦】

2013/07/07
長屋 勝彦

34年間サラリーマンとして過ごした。そのうちの3分の2近く、製品開発の業務に携わった。製品開発の仕事は、その製品の特性を把握し、その特性に合った市場を見つけ、その市場の顧客に販売することである。

 

開発製品がすでに市場で使用されている製品(既存品)であれば、その既存品の性能(品質)やその製品の市場について調査すればよいが、その製品が市場では使用されていない新規製品の場合は簡単ではない。

新製品開発は、開発しようとする製品の性能を把握し、その性能が使用される市場(用途)を見つけることであり、既存品と比べ、時間も費用もかかり、製品化に成功する確率は千に三つといわれているように極めて低い。

 

最初に携わった化学品の製品開発は、対象とする市場、開発しようとする製品の性能もわからず数年が経過した。幸いなことに、ようやく、安全性の面からPCB代替え品として国内外の顧客に採用されることになったが、その企業化には約10年の月日がかかった。

企業化された製品の性能を具現化した化学構造式は、市場ニーズを反映し当初の製品と比較し整理された構造式となった。この製品開発を通して、製品に関する化学的知識及び市場開発に関するマーケティングの手法の他、ネバーギブアップの精神で仕事に取り組む姿勢を学ぶことができた。又、右も左もわからぬ当時の若輩である小職を温かく見守っていただいた諸先輩に心から感謝している。

数十年経った今は、当時の精神を忘れず発展途上にある意欲ある中小企業や若い人を支援していきたい。

 

以上

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦

補助事業を通した中小企業支援 【長屋勝彦】

2013/06/10
長屋 勝彦

5月は、先月に引き続き顧問先2社の補助金申請事業にかかわった。今回の補助金は、東京都中小企業振興公社が東京都商工会議所に委託した展示会出展支援助成事業の一環として、申請する企業の診断報告書の作成である。

1社は切削加工業者、後の1社は印刷加工業者であり、両社とも先月度モノづくり補助金を申請した企業である。診断報告書作成にあたっては、商工会議所出席のもと簡単な(2時間程度)申請中小企業が自社の経営状況について、アンケート形式により記述した内容及び直近2期分の財務諸表に基づくヒアリングである。

当補助金は難易度の低い部類に属するもので、両者について必要要件を充足し、認可された。一方、4月申請したモノづくり補助金は今月初めに採択結果が発表され、幸いにして2社とも採択された。 両社の社長にとって10百万円台の補助金の給付は初めてのことであり大変喜ばれるとともに、これを機に一層の技術開発に取り組む姿勢を示された。

中小企業支援に携わる者として、中小企業の経営者がやる気をだし将来に向かって革新に挑戦する姿を見るのは喜ばしい限りである。小職の使命として中小企業の成長支援にあるが、中小企業の更なる力量アップを目指す意味で、次回は中小企業に係る補助事業としては最難関である戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)への挑戦を顧問先企業に進めていきたい。

 

なお、ものづくり補助事業は、第3回目の募集が行われているが、応募していない顧問先企業にも進めていきたい。 補助事業をばねとして、中小企業が技術力をつけ発展するのを願う今日この頃である。

以上

補助事業が中小企業経営に与えるインパクト 【長屋勝彦】

2013/05/14
長屋 勝彦

阿部のミックスの成長戦略のおかげで、今年は中小企業のものづくりに対する支援策が厚い。その一環として、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金(以下ものづくり補助金)をはじめとして地域需要創造型等起業・創業促進補助金(以下創業補助金)に係る公募が3月中旬から4月中旬に行われた。

ものづくり補助金の申請には経営革新認定事業期間の確認書が必要である。

今年2月に経済産業省の経営革新等認定支援機関としての認定を受けていたこともあり、顧問先の要請により補助事業に係る補助金の申請支援にかかわった。

 

補助金の申請支援は、10数年前に独立して以来の仕事である。当時は今より暇があり、中小企業ベンチャー振興基金(中小企業投資育成株式会社)、中小企業基盤整備機構(当時の中小企業事業団)の課題対応研究開発事業、繊維に係る研究開発事業、NEDO(新エネルギー開発機構(NEDO)の研究開発事業、都道府県の行う中小企業創造活動促進法に係る研究開発補助事業等に係る顧問先の補助金申請支援の他、中小企業投資育成株式会社に対する転換社債の申請支援と、独立後数年間は申請書作成支援の仕事に明け暮れた。

 

独立間もない若手社長と問答の末申請書を作成したこと、認可された補助金を活用し補助事業活動を行い一定の成果をあげたが、民事再生のため、作成者が解雇され報告書の作成が困難となり、代わって作成し補助金の交付を受けたこと、提出期限が迫り電話とメールによる支援により提出期限に間に合わせたこと、友人の紹介で作成を支援したが代金が現在も未払いになっていることなど、当時の出来事が懐かしく思い出される。蛇足であるが、現在も、かかわったすべての方とは交際が続いている。

 

補助金の意義は、補助事業(研究開発)による業績の向上、顧客及び金融機関等ステークホルダーからの高い評価による経営力の向上にあるが、補助事業がテコになり経営者をはじめ従業員が研究開発による価値創造を目指そうとする意欲が高揚されることにある。当然その結果は、企業の持続的発展と雇用の増加をもたらし地域発展に貢献することになることに繋がる。しかし、その反面、単に補助金の受給を目的とするのみで研究開発活動におざなりな企業、補助金を支給されたが経営不振により中座し辞退した企業、補助金を運転式に廻した企業、個人のために流用した企業もある。

 

補助事業の支援にあたっては、当該企業の事業領域、製品力、技術開発力を診断することが必要であるが、経営者としての資質、心構えも見定め、これからも、グローバルニッチトップ企業を目指す中小企業支援の意味でも補助事業支援を行っていくこととし、今年度は、大型補助事業であるサポイン(戦略的技術基盤高度化支援補助事業:3年間、1億円弱)を目指す企業の育成指導を図ってきたい。

 

以上

絆の喪失~後輩の死去に際して~ 【長屋勝彦】

2013/03/11
長屋 勝彦

出張先から大学時代の先輩のNさんから後輩S君の死去の報を聞いた。

後輩とは部活として能楽部で宝生流の謡曲に明け暮れていた時の、2年下の後輩である。学部は、小生は商学部であるが、S君は文理学部で数学を専攻していた。授業が終わると部室に飛び込み、軽く唸り、グランドでソフトボールをしていた。能楽クラブで過ごしたのは、謡曲が好きだということより、部室が畳の部屋であり、隣の部屋が囲碁クラブ、部室の近くにグランドがあるということもあり、気軽に寛げるからであった。

 

卒業後も、S君は小生の就職した会社の工場(当時工場勤務)を訪ねてきてくれたり、小生が本社(東京)転勤後も時々会い、仕事について議論をする間柄である。又、本社転勤後しばらくの間S君の紹介で大学の数学の教授のゼミに確率論(待ち行列)の授業を受けたこともある。Nさん、S君は議論好きで、いい意味で理論家であり、それでいてさっぱりしたところがあり、妙に気があった。違うところは、NさんとS君は謡が好きであり、卒業後、謡の免許皆伝に相当する職分の資格を習得し、現在に至るまで謡を続けているが、入社後しばらくは続けていたが、それ以後は途絶えている。

 

小生は仕事の関係上通夜のみに参列させていただいたが、S君は会社を退職後も、ボランティア活動として世田谷区役所の仕事に係っていたこともあり、謡曲関係の方、ボランティア関係の方が大勢参列された。印象に残ったのは通夜の最後に謡曲クラブの方全員でS君の霊前で謡曲を謡ったことである。又、気丈な態度でふるまっておられたご令室様、ご母堂様のお姿も印象に残った。

 

アンドリューカーネギーの創造性開発に関する話で、創造性を阻害する要因として、貧困の恐怖、友情を含め愛情喪失の恐怖、死の恐怖があるが、死の恐怖に対し、死については自分がしばらく眠るときと考えるか、どこかの世界へ行くと考えると、気が楽になるということを聞いた。要するに死については避けて通れないことであり、深く考えそれ以上悩まないということの様である。

 

自分の死生観は、現に生きて自分のミッションを果たしつくすことであると考えている。通夜の席ではNさんを始め大学の先輩と世間話をした。この年になってもやはり先輩と話をしていると色々なアドバイスがもらえ、頼りになると感じた。このようなめぐり合いを作ってくれたS君に感謝し帰途に着いた。

以上

会社は誰のためのもの~フリーキャッシュの使い道~ 【長屋勝彦】

2013/02/11
長屋 勝彦

来月は決算期の月である。会社の通信簿として所得申告のため貸借対照表、損益計算書及び上場企業ではキャッシュ・フロー計算書を作成し開示する。この中で、キャッシュ・フロー計算書が面白い。キャッシュ・フロー計算書を見ていると企業それぞれの資金の集め方、使い方というか、経営の仕方がわかる。

 

フリーキャッ・フロー(営業キャッシュ・フロー+投資キャッシュ・フロー)がある企業がそのキャッシュ・フローを新規事業投資に回している会社、リスクに備えて保険を掛けている会社、借入金の返済に充てている会社、借入金を完済し新規投資もしないで現金預金を増やしている会社などさまざまである。

 

中小企業でフリーキャッシュのある会社は保険に入り節税を図っている会社が多い。

保険には、経営者を対象とする経営者保険、従業員の退職金を対象とする養老保険、退職金保険、労働災害保険、会社の固定資産を対象とする火災、地震保険等がある。

 

保険に入ることは将来に対するリスク管理であり、そのこと自体を否定するものではないが、フリーキャッシュの内、どの程度を保険に回すかが問題である。保険に入る前に借入金の返済による財務体質の強化、新規投資等による事業拡大を検討する必要がある。

 

又、掛け金の全額が損金扱いになるが、会社倒産等の場合でも退職金は直接従業員に支払われるということで共済事業(中小企業退職金共済事業)に加入しない企業もある。反対にその場合(倒産等)に多少の金額でも従業員が手にすることができれば、従業員にかける迷惑が少なくなると考え、少額を中退協に月々掛けている企業もある。

 

会社は誰のためにあるのかといった場合、欧米では株主のためといわれているが、会社は顧客あって成り立つものであり、その顧客対し製品を作っているものは従業員であり、それを支えているものは地域社会であるといったことを考えるとき、中小企業も将来の成長のため新規投資により顧客満足を図っていくとともに福利厚生の増進により従業員満足を図っていくことが生存の条件であると思う。