ブログ岩本亨

先日、出張で夕方まで広島にいました。

私は仕事の関係で、頻繁に新幹線に乗るので、携帯で予約ができるEX-PRESS予約をいつも活用しています。このサービス、嬉しいことに、一定のポイントがたまると無料でグリーン車に乗れます。

すでに数日前にそのポイントが貯まっていたので、4時間かかる広島-品川間をグリーン車で帰ることにしました。

その時、広島駅から在来線で数駅先にいました。その駅の「みどりの窓口」で、乗車券とグリーン車・特急券を発券してもらいました。その際、駅員さんから「グリーン特典ですので、一度発券すると変更できません」と念を押されました。

切符を受け取った時、広島行の電車の時間まで約5分ありました。新幹線の中で食べる弁当を買おうと、お店で発注したところ、「今から作ります」との返事。「次の電車に乗る」と言ったところ、「間に合うので大丈夫」との答え。お願いして待っていましたが、結局電車が入線した直後に弁当を受け取りました。走りましたが、残念ながら間に合いませんでした。

そのお店に戻って事情を話し、みどりの窓口に一緒に行ってグリーン券を再発行し、追加負担分をお店の人に請求しました。お店の人はとても良い方のようで、申し訳なさそうにお金を差し出されました。私も申し訳ないなと思いながらも、その時は「原因を作ったのは相手だからしょうがない」と考えていました。

電車に乗り、広島で新幹線に乗り換えて、品川に着くまでの間、何度も「本当にこれで良かったのか?」と悩みました。

「原因はお店の人だけにある・・・」 → 本当にそうなのか・・・???

私があんなタイミングで発注しなければ、こんなことにならなかったはず。

発車1分前に、「無理そうなのでキャンセルします」と言えば、回避できたはず。

こう考えると、私にも責任があると思えてきました。

帰宅して家人に事情を話しました。次の日、仕事で顔を合わせた後輩にも話しました。いろんな人の意見を聞きましたが、ほとんどの人は「もう終わったことだからいいんじゃない?」と言ってくれました。

でも私自身の気持ちは、すっきりしません。そのまま、3日間悩み続けました。そして出した結論は、適切と思える額を返金することでした。先ほど商品券に簡単な手紙を添えて投函してきました。気持ちは、ほぼすっきりしたのですが、ここまでする必要は本当にあったのだろうか・・・?という気持ちも少し残っています。

これをお読みになったあなたは、どう思いますか?

クレーム対応の根本的な問題のような気もします。正解がない中で、どう考え、どう対処するか? 当事者同士がそれで納得できるかどうかが大切なのだと思います。この商品券を受け取ったお店の人は、どう思うのか・・・? 納得していただけることを願うばかりです。

みなさんは、どう考えますか? 【岩本 亨】

2012/09/03
岩本 亨

先日、出張で夕方まで広島にいました。

私は仕事の関係で、頻繁に新幹線に乗るので、携帯で予約ができるEX-PRESS予約をいつも活用しています。このサービス、嬉しいことに、一定のポイントがたまると無料でグリーン車に乗れます。

すでに数日前にそのポイントが貯まっていたので、4時間かかる広島-品川間をグリーン車で帰ることにしました。

その時、広島駅から在来線で数駅先にいました。その駅の「みどりの窓口」で、乗車券とグリーン車・特急券を発券してもらいました。その際、駅員さんから「グリーン特典ですので、一度発券すると変更できません」と念を押されました。

切符を受け取った時、広島行の電車の時間まで約5分ありました。新幹線の中で食べる弁当を買おうと、お店で発注したところ、「今から作ります」との返事。「次の電車に乗る」と言ったところ、「間に合うので大丈夫」との答え。お願いして待っていましたが、結局電車が入線した直後に弁当を受け取りました。走りましたが、残念ながら間に合いませんでした。

そのお店に戻って事情を話し、みどりの窓口に一緒に行ってグリーン券を再発行し、追加負担分をお店の人に請求しました。お店の人はとても良い方のようで、申し訳なさそうにお金を差し出されました。私も申し訳ないなと思いながらも、その時は「原因を作ったのは相手だからしょうがない」と考えていました。

電車に乗り、広島で新幹線に乗り換えて、品川に着くまでの間、何度も「本当にこれで良かったのか?」と悩みました。

「原因はお店の人だけにある・・・」 → 本当にそうなのか・・・???

私があんなタイミングで発注しなければ、こんなことにならなかったはず。

発車1分前に、「無理そうなのでキャンセルします」と言えば、回避できたはず。

こう考えると、私にも責任があると思えてきました。

帰宅して家人に事情を話しました。次の日、仕事で顔を合わせた後輩にも話しました。いろんな人の意見を聞きましたが、ほとんどの人は「もう終わったことだからいいんじゃない?」と言ってくれました。

でも私自身の気持ちは、すっきりしません。そのまま、3日間悩み続けました。そして出した結論は、適切と思える額を返金することでした。先ほど商品券に簡単な手紙を添えて投函してきました。気持ちは、ほぼすっきりしたのですが、ここまでする必要は本当にあったのだろうか・・・?という気持ちも少し残っています。

これをお読みになったあなたは、どう思いますか?

クレーム対応の根本的な問題のような気もします。正解がない中で、どう考え、どう対処するか? 当事者同士がそれで納得できるかどうかが大切なのだと思います。この商品券を受け取ったお店の人は、どう思うのか・・・? 納得していただけることを願うばかりです。

交通トラブルに良く遭遇する私のつぶやき 【岩本 亨】

2012/08/08
岩本 亨

米子空港の搭乗待合室でこの文章を作成している。12:25出発予定の羽田空港行の航空機に不具合があり、修理のための部品を次の東京からの便が運んでくるとの説明だった。変更された出発予定は16:05。思いがけずできた3時間半あまりの時間を使っているという次第。

出張が多いためか、いろいろな交通トラブルに遭遇する。

今年6月には、出張先の松江駅(島根県)から、大阪に向かおうと伯備線経由の特急やくもに乗っていたが、米子駅(鳥取県)手前で、「大雨による倒木の影響で、米子駅でしばらく停車する」とのアナウンスがあった。聞けば、松江駅発車の3時間前に発生した倒木だった。事前に情報があれば出雲空港から空路大阪に向かったはずだが、何の情報提供もなかった。18:00~セミナー講師の仕事だったため、急きょ米子駅で大阪なんば行の高速バスに乗り20分遅れで会場入りした。

今年3月には、羽田から南紀白浜(和歌山)に空路で日帰り出張の予定だったが、空港が濃霧のため着陸できない可能性があるとのことで、JRで向った。復路は航空会社のホームページで確認したところ、大丈夫そうだったので空港に向かった。カウンターで確認したところ、「東京からの便が着陸できなければ、航空機が用意できないので飛べない可能性がある」と言われた。「どうして情報提供を早くしないのか?」と詰め寄ったが、「つい先ほどそのように公表した」との回答だった。結局、陸路で帰京した。空路では往復3時間ほどだが、陸路なので10時間強の大旅行(?)になってしまった。

昨年夏には、朝、福岡空港から出雲空港(島根)に向かったが、強風のため着陸できず、大阪伊丹空港へ着陸した。この日は、10:00~安来市内(島根)の会社の調査の予定だった。結局、調査を開始できたのは15:00だった。

一昨年1月末には、羽田空港から米子空港に向かった。ちょうど強い寒気が日本列島に流れ込んでいた日だった。早朝便だったこともあり、滑走路が凍結していて着陸できなかった。この時も大阪伊丹空港に着陸し、陸路で移動した。松江市内の旅館の経営改善のための会議に何とか間にあった。

出雲空港には日本航空(JAL)、米子空港には全日本空輸(ANA)しか就航していない。二つの空港は、距離にして30㎞ほどしか離れていないが、天候は違う。一方が着陸できないほどでも、もう一方は大丈夫な場合が多い。上記の二例の際にもそうだった。大阪伊丹に着陸するなら近くの空港の方が良いに決まっている。にもかかわらず、利用者の利便性など関係なく、会社が違っていて、空港が使用できない契約になっているのか、大阪伊丹空港まで行ってしまうのだ。何とかならないものだろうか・・・?

一昨年夏には、東京から河津に向かって新幹線に乗り、熱海乗り換えの予定だったが、強風のため新幹線がしばらく停車してしまった。熱海に着いた時には、予定していた電車の時間はとっくに過ぎていたが、実は運転取りやめになっていた。熱海でレンタカーに乗り換え、2時間強のドライブの末、何とかアポイントに間に合った。

色々な経験をするたびに、いろいろな思いを持つ。改善して欲しい点はいろいろあるが、それを意思決定できる役職者の耳にまでは、一利用者の声などなかなか届かないのが実情なのかもしれない。

それを期待するより、自分自身が交通トラブルに巻き込まれないために、神社仏閣にお祓いにでも行った方が良いのかもしれないと思ってしまうのである。

人は低く限界を作るものかな!? 【岩本 亨】

2012/07/02
岩本 亨

こんな話を聞いたことがある。確かな実験の結果なのか、作り話なのかを私は知らないが・・・。

蚤(ノミ)を空のガラスケースに入れ、ガラスで蓋(フタ)をする。入れた当初は、蚤は跳ね回るが、蓋に衝突を繰り返し、外には出られない。そのまま数日置いた後、蓋を外す。蚤は、もう上に向かっては跳ねない。「どうせ跳ねても、衝突するだけで、外には出れやしない」と思っているようだ。

先日ある地方の居酒屋で、隣り合わせたサラリーマンと世間話をしていた。彼は36歳にして独身だという。「結婚が嫌なのか?」「彼女はいないのか?」と聞いた。「結婚が嫌なわけではないし、彼女もいる」という。「では、なぜ?」。

彼は、「自分の自由になるお金が月々10万円くらいは欲しい。今の給料では、それを確保するのがギリギリ。結婚したら、10万円なんて自由に使えなくなる。だから、独身でイイんだ」と言った。

「給料を増やしたら?」と言ってみた。

彼:「そんなこと無理!」

私:「何で?」

彼:「今の会社は小さくて、これ以上はもらえないから」

私:「じゃあ、あなたの力で会社を大きくすれば?」

彼:「そんなこと考えたこともない」

私:「考えてやってみれば?」

彼:「・・・」

こんなやり取りをしていて、彼は「ガラスの蓋」を作ってしまっているのだと思った。

よくある話のような気もする。人は勝手に限界を設定して諦めてしまう。もったいないことだ。私自身もそうだと気付くことがある。

研修講師をしている際に、「努力をし続けることが大切!」「できるまでやり続ければ失敗しない」などとお話しすることがある。

先日の居酒屋の話を思い出し、改めて「自分はできているのか?」「勝手に蓋をしていないか?」と自問し、折に触れチェックしようと思った。

営業活動の中で 【岩本 亨】

2012/06/04
岩本 亨

今年4月20日に、内閣府、金融庁、中小企業庁の三省庁合同で、今年度末の中小企業金融円滑化法(以後、「円滑化法」と表記)の期限切れをにらんで、ソフトランディングのための対策として「政策パッケージ」が発表された。その中に「今年度中に3,000社を目標に、再生計画を策定する」という方針が盛り込まれている。

「円滑化法」では、企業から金融機関に対して、借入金の原本返済のリスケ(リスケジュール:返済猶予)の依頼があった場合、基本的に受け入れるように要請している。ただし、その企業が1年以内に経営改善計画を策定し、経営改善に取り組むことが条件である。実情は惨憺たるもので、きちんとした経営改善計画を策定して取り組んでいるのは20%前後と推定されている。

金融庁は金融機関の監督指針として「コンサルティング機能の強化」を打ち出しており、支援する企業とそうでない企業を区別するように指導している。つまり経営改善に向け計画をきちんと立て、真摯に取り組んでいる先は支援継続。そうでない先は、廃業も視野に今後を検討するようにということである。

それではリスケ企業が、経営計画を策定せず、策定したとしてもきちんと取り組まずに、今年度末を迎えるとどうなるか? 現状で最悪の予測をすると、金融機関が支援を打ち切る可能性が高いと考えられる。極論だが、金融機関から、「リスケの要請には、これ以上応じられません。約束通り返済(約定返済)できないなら、今すぐに全額返してください」と迫られる可能性があるということである。

前置きが長くなった。このような状況のもと、5月下旬から、複数の商工団体を訪問し、弊社のセミナーのご案内をした際、余談として、「円滑化法期限切れの出口対策について、情報発信した方が良いのではないか?」と提案してみた。各団体、様々な対応であったが、反応の多くは以下の通り。

 

① 会員企業が現実を知らない(知ろうとしない)状況だと思われる。

② それに対して状況をきちんと報告し、警告を発信しないのは、会員に対する背信行為ととられかねない。

③ 会員企業で対象になる可能性があるところについては、適切な対応をとって欲しい。そのために緊急セミナ

ーを企画して、啓発したい。

④ それでも聞いてくれないかもしれないが、企画側にとっては、緊急セミナーを開催して、きちんと対応した

事実を作っておけば、年度明けに、該当企業から責められても、きちんと説明ができる。

 

ホンネも見えてなかなか興味深いのだが、角度を変えて観ると、まさに「営業チャンス」であることに気付くことができる。ポイントは以下のようにまとめられる。

 

① 法改正という、大きな外部環境変化があった。

② それに対して、何らかの手を打たなければならないと、問題意識が生まれる。

③ 会員のことを思い、緊急セミナーのニーズが発生する。

④ その際、ある意味リスクヘッジ的な思考もある。

(②~④は内部環境の変化である。)

 

優秀な営業担当者は、まず①の情報をいち早くキャッチし、それに対してどのような対応がとられているのか観察(②・③)し、付随的な感情も見極めた動きをすると思われる。

すなわち、以下のようにである。

① 各商工団体に対して、「法改正で円滑化法の期限が切られたが、どのような対応をされていますか?」と

ヒアリングして回る。

② ヒアリングしつつ、「円滑化法期限切れに対応した対策」についてのセミナー企画を提案する。

③ 角度を変えて、それを開催することによって、リスクヘッジにもなることを説明する。

この例からもイメージしていただけると思うが、営業担当は外部環境の変化の情報収集が求められる。次にその変化による、ターゲットの内部環境変化を見極めることが求められる。それをもとにした提案をする際、相手のためになることは何か考え提案することが重要である。相手の立場に立って、何を提供してあげれば、喜ばれるかをとことん考えることが大切である。

日常の営業活動の中で気づいたことを上げてみた。少しでも参考にしていただければ幸いである。

故郷への思い 【岩本 亨】

2012/05/07
岩本 亨

一昨年故郷である島根県から間接的ではあるが、「島根若手研修」という研修を受託した。2泊3日の研修を私も2コース担当させてもらった。そのうちの1コースは実家から車で30分もかからない「青年の家」での開催だった。3日間、実家から母に見送られて研修会場に通った。高校を卒業して名古屋の大学に入学し、そのまま就職。学生時代も含めて名古屋で10年、転勤で東京に住むようになって早22年目である。考えてみると実家からどこかに通うのは、30年以上ぶりのことであった。

受講されている方々とお話ししてみると、共通の知り合いがいたりして本当に楽しかった。その時、しみじみ思ったことは、故郷に少しでも貢献できるということが幸せであるということ。私を育ててくれた故郷に対して、何も貢献していなかったことに、改めて気が付いた。

42歳の時、中小企業診断士の資格を取って、会社を辞め独立開業した。当時は生きていくための最低限のお金を稼ぐことに必死になった。必死になってもがきながら仕事に打ち込んでいると、不思議なもので何とか食べることができるようになった。マズローの欲求5段階説ではないが、最低限の生活にメドが立てばだんだん欲が出てくる。45歳になっていた私は、「微力ながら社会貢献がしたい」と思い始めた。何のために働くのか?を考えたとき、そんなことが心に浮かんだ。それとともに「故郷で仕事をして、役に立ちたい」との思いを持ち始めた。事業再生の仕事をし始めていた私は、今でも深く関わっている「企業再生・承継コンサルタント協同組合(CRC)」の代表理事にお願いして山陰の金融機関への営業を担当させてもらった。それから4年。現在は当地方の5つの企業を支援中である。

故郷の企業の支援ができていることに感謝しつつ感じるのは、年々故郷に貢献したいという思いが大きくなっていること。故郷から受けた恩に比べれば微々たるものに過ぎないだろうが、今後も何等か貢献していきたいと思っている。

カテゴリー:  岩本亨, 研修, 講師