リーダーシップ
私は中小企業診断士という国家資格を持って、中小企業支援を主要テーマの一つとして日々活動している。
企業再建・承継コンサルタント協同組合(CRC)にも所属し、一週間のうち5日ほど中小企業の経営再建支援で、1都9県、東海4県、中国5県の合計19都県を飛び回っている。
先日、会食の際にたまたま隣に座った中小企業の社長と、「何を目的に仕事をするのか?」という話になった。私は大真面目に「日本経済の持続・発展のため」と自分の考えを素直に発した。するとその社長は「大ぼらを吹くのもいい加減にした方が良い」と反論した。
私自身、微力ながら中小企業の経営改善・再建に寄与することを通して、地域経済の持続・発展に貢献していると確信している。その積み重ねは間違いなく日本経済の為になっていると思っている。
一方で社長は、自分の会社の事業に命がけで取り組んでいる。それは従業員の為であり、取引先の為であり、自分の為でもある。視点を代えればそれが地域経済の持続・発展に貢献し、日本経済を支えているとも言える。
日々の仕事に集中すればそんなこと考える余裕はないのかもしれない。しかし、結果的には行きつく先は同じである。意識せずともそのような仕事をたゆまず続けていけば、いつかは同じところに向かっていたことが認識できると思う。いずれにしても大事なことは一所懸命ということになるのかもしれない。
日本経済のために! 【岩本 亨】
岩本 亨
私は中小企業診断士という国家資格を持って、中小企業支援を主要テーマの一つとして日々活動している。
企業再建・承継コンサルタント協同組合(CRC)にも所属し、一週間のうち5日ほど中小企業の経営再建支援で、1都9県、東海4県、中国5県の合計19都県を飛び回っている。
先日、会食の際にたまたま隣に座った中小企業の社長と、「何を目的に仕事をするのか?」という話になった。私は大真面目に「日本経済の持続・発展のため」と自分の考えを素直に発した。するとその社長は「大ぼらを吹くのもいい加減にした方が良い」と反論した。
私自身、微力ながら中小企業の経営改善・再建に寄与することを通して、地域経済の持続・発展に貢献していると確信している。その積み重ねは間違いなく日本経済の為になっていると思っている。
一方で社長は、自分の会社の事業に命がけで取り組んでいる。それは従業員の為であり、取引先の為であり、自分の為でもある。視点を代えればそれが地域経済の持続・発展に貢献し、日本経済を支えているとも言える。
日々の仕事に集中すればそんなこと考える余裕はないのかもしれない。しかし、結果的には行きつく先は同じである。意識せずともそのような仕事をたゆまず続けていけば、いつかは同じところに向かっていたことが認識できると思う。いずれにしても大事なことは一所懸命ということになるのかもしれない。
恩は後輩に返しましょう 【岩本 亨】
岩本 亨
中小企業診断士として独立したばかりの頃なので、10年くらい前(2004)の話。私は中小企業診断士の勉強会である「YCS(安田コンサルティングセミナー)」に参加していた。主宰者の安田平八先生(故人)は、中小企業診断士の大先輩で、当時75歳ながら精力的に後進育成に尽力されていた。YCSの定例勉強会でご自分の体験としてお話しになった内容を紹介したい。
大学時代にお世話になった先輩に「御恩は必ずお返しします」と言ったところ、「私に返さなくても良いから、その分、後輩に返しなさい。先輩に返したところで繋がってはいかない。私もずいぶん先輩にお世話になった。それを今、あなたたちに返しているだけだ」と返事されたとのこと。
「恩は受けた方にお返しするのが当たり前」と思っていた私は、その考え方に感動した。それ以来、恩を受けた先輩諸氏へは感謝をしつつも、「後輩に返す」ことを心掛けている。
先日、YCSの後輩が出産を目前にして、勤務していた税理士事務所を退職した。私もお世話になった事務所で、しかも私が紹介したて就職してもらったこと。彼女のご主人が中小企業診断士受験の際に、私とご縁があったこと。等々で以前より親しくお付き合いさせていただいている。そこで、私の妻とともにお疲れさま&出産頑張っての意味を込めて招待し、4人でささやかな会食をした。
非常に楽しいひと時を、幸せいっぱいの夫妻と過ごし、4人とも終始笑顔だった。会食が終わって「安田先生の教えの通り、後輩に返してね」と言って解散した。
ところが、しばらくして、「お教えは重々承知ながら、ほんの御礼の気持ちです」とのメッセージとともにお礼の品が送られてきた。「あの夫婦らしいね」と妻と苦笑しながらも、出産祝いに我が家でホームパーティーでも開こうかと思案中である。
「従業員を育て、やる気を引き出す方法」セミナーで 【岩本 亨】
岩本 亨
先日、とある県の酒販卸組合の2時間の勉強会に講師として呼んでいただいた。テーマは「従業員を育て、やる気を引き出す方法」。事前情報では参加者は20名ほどで、経営者、役員、管理職とのこと。トップマネジメントとミドルマネジメントが混在している。
最低限は取り上げるにしても、モチベーション理論やリーダーシップ論、組織論等々の概論をお話ししても、「へーそうなんだ・・・」で終わってしまう。かといってケーススタディに取り組む時間はない。「明日から仕事で使ってもらえるような機会」にしたいと考えて内容を検討した。
会社員として働いている妻に意見を聞いたり、私自身が今まで仕事してて、最もやる気になったのはいつだったかな?と思い起こしたりもした。タイムリーに出版された、稲盛和夫氏の書籍「従業員をやる気にさせる7つのカギ」も読んでみた。
そして今回の勉強会でお伝えするメッセージを決めた。それは「自分がやる気になったきっかけを、部下にも与えてみましょうよ」と「知っていることでも実践しなくちゃ意味ないですよね」ということ。つまり「きちんと褒める(評価する)こと」と「部下とよくコミュニケーションをとって、認めてあげつつ導くこと」。
それぞれの体験と知識をおさらいして、それを実際に仕事で活かしていたかどうかを振り返ってもらい、明日から活かせるよう考えてもらうことにした。
2時間はあっという間に過ぎ、手ごたえは感じられた。主催者側責任者より「岩本先生の研修は、ユニークなアプローチで、良いですね」というコメントもいただいた。お聞き下さった方々の仕事で、少しでもお役に立てばと思っている。
古いモノから新しいモノへ 【岩本 亨】
岩本 亨
今年は出雲大社の60年ぶりの遷宮と、伊勢神宮の20年に一度の遷宮が重なる珍しい年にあたる。4月、私の故郷でもある島根県に出張した折に、出雲大社に立ち寄り、新しい社殿を文字通り垣間見た。古い社殿から新しい社殿に遷宮されるのは、技術伝承の意味合いもあるとのこと。
関連があるようで、そうでも無いような話題を・・・。
仕事で酷使している、出張用の黒色のバッグをセットで買い替えた。キャスター付きの大きめのバッグと、いつも持ち歩いている、A4サイズの書類が、厚さ20 cmくらいでも楽に入るバッグである。買ってからもう10年近くも使っていたものだったので、相当に愛着を持っていた。持ち歩いているバックは日に焼けて赤みを帯び、やや褐色に変色していた。キャスター付きのは、キャスターを取り換えて使っていたが、一度の出張で徒歩で3キロくらい移動することもあり、かなり傷んでいた。ここまで使い込むと、ただの道具というより、欠かせない仕事のパートナーのような感覚を持ってしまう。以前、このコラムにも書いたが、仕事で履く革靴も、靴磨きをするたびに愛着が大きくなる半面、だんだん傷んでくる様子に心が痛くなってしまう。
古いモノから新しいモノへ。遷宮は極端にしても、身近な仕事道具でも新しくしていかないと、永遠に使い続けることはできない。
組織もまたしかり。新陳代謝を促進させて、活性化しないと、停滞してしまう。停滞しすぎると悪影響が出てくる。水も澱むと腐ってしまうものだ。
私自身、関与する組織が増えている。中には8年以上代表となっている組織もある。なかなか新しいリーダーが現れてこない。組織が澱んでいる証拠のような気がする。新陳代謝を促進したいと思う。
プロフェッショナルな仕事とは 【岩本 亨】
岩本 亨
先日、企業再建・承継コンサルタント協同組合 代表理事の真部敏己氏からお聞きして、「なるほど!」と共感したことを紹介します。
いわゆるポジショニングマップで、横軸を仕事の質の高低、縦軸を価格の高低にします。
左下の象限は質も価格も低いので、そんな仕事をする人を「素人」と言います。
右下の象限は、質は高いが価格は安い仕事をする人なので「ボランティア」です。
左上の象限は、質は低いのに価格が高い仕事をする人なので「詐欺」です。個人的には「ぼったくり」でも良いと思います。
そして右上の象限は、質も高いが価格も高い仕事をする人なので、「プロフェッショナル」ということです。
非常にシンプルな整理ですが、自分自身の仕事の成果をこのポジショニングマップにプロットするとどうなるだろうかと考えて、ドキッとしました。
独立して活動している限り、仕事の質は高くないと生きてはいけません。すべての仕事が右側の象限になければ、価値を提供できていないということです。当然仕事によっては価格の高低はあります。予算がある事業もあるので仕方ありません。また、仕事を請ける際に、無料でもお役に立ちたいと思うこともあります。だから仕事として取り組む限りは、「ボランティア」か「プロフェッショナル」でなくてはならないというのが結論です。
みなさんは如何ですか? 独立していようが、勤務されていようが仕事の質は問われますよね・・・?