コミュニケーション
今年5月のこのブログにも書いたが、独立を決意した頃、先輩から薦められ、中小企業診断士の勉強会である「YCS(安田コンサルティングセミナー)」に2004年6月から参加した。主宰者の安田平八先生は、一昨年の6月に他界された。最近になって、「YCSのOBの方々の絆を確認する機会を持たないか?」という話が出てきた。それを実現しようという動きに関わっていることもあり、当時を振り返ってみた。
YCSには3つの掟がある。
◎挨拶を心掛けよう。コミュニケーションは挨拶から。
◎相手を褒めよう。良い点を見出すこと。
◎約束を守ろう。納期を守ることは信用構築に繋がる。
以上である。非常にシンプルだが、独立して仕事をするようになって、改めてその大切さを痛感する。
ごくごく当たり前のことだが、できている人は少ないのではなかろうか? 私もまだまだだと感じることが多い。皆さんは如何ですか?
人と人とのつながりの中で、挨拶を意識し始めたのはこの掟がきっかけだったかもしれない。独立前に比べると、断然積極的に挨拶するようになった。お客様にお会いした時の、最初の一言が挨拶。初対面でも第一印象が重要。明るい挨拶は、仕事を円滑にする。体験的にそう感じる。
相手を褒めることは難しい。私は未だに苦手だが、褒められると私も嬉しくなる。モチベーションが上がる。それが分かっているのならそのようにすれば良いのに、なかなかできない。私自身、人前ではあがってしまって、きちんとしゃべれなかった。YCSのカリキュラムにプレゼンテーションをして、お互いに評価しあう講座があった。その際、自分自身では「しどろもどろでうまくできなかった」と感じていたのに、異口同音に、「堂々としていて説得力がある」と褒められた。どうやら「いくら自分がドキドキして話していても、見ている方からはそのように感じられていないようだ」と気付き、以来人前で話すことが苦痛ではなくなった。褒めることの効用を実体験したということである。
約束を守ること。子供の頃からそう教えられている。100%完璧にできてはいない。不可抗力でできないこともあるかもしれないが、生きていく上で、信用を構築しようとした時に、重要なことだ。仕事の納期を守ることは、関係者にストレスを与えないことに直結する。最近私は、いろいろな専門家の方々と仕事をすることが多い。一つの会社の支援を複数の専門家でしていると、納期厳守がどれだけ大切かを思い知らされる。自分が遅れれば、成果物の納期はそれ以上に遅れてしまう。それを挽回しようとすると、関わっている人の多くに、余分な負荷がかかってしまう。納期を守っていればかからなかったであろう負荷がである。そうなると「あなたとは一緒に仕事をしたくない」と言われてしまうのだ。仕事を増やしたい人はこんなことしたら命とりである。恐ろしいことだ・・・。
「YCSの掟」の意味を一つ一つ考えてみる良い機会になった。皆さんも掟に照らして自分の行動を振り返ってみませんか?
YCSの掟 【岩本 亨】
岩本 亨
今年5月のこのブログにも書いたが、独立を決意した頃、先輩から薦められ、中小企業診断士の勉強会である「YCS(安田コンサルティングセミナー)」に2004年6月から参加した。主宰者の安田平八先生は、一昨年の6月に他界された。最近になって、「YCSのOBの方々の絆を確認する機会を持たないか?」という話が出てきた。それを実現しようという動きに関わっていることもあり、当時を振り返ってみた。
YCSには3つの掟がある。
◎挨拶を心掛けよう。コミュニケーションは挨拶から。
◎相手を褒めよう。良い点を見出すこと。
◎約束を守ろう。納期を守ることは信用構築に繋がる。
以上である。非常にシンプルだが、独立して仕事をするようになって、改めてその大切さを痛感する。
ごくごく当たり前のことだが、できている人は少ないのではなかろうか? 私もまだまだだと感じることが多い。皆さんは如何ですか?
人と人とのつながりの中で、挨拶を意識し始めたのはこの掟がきっかけだったかもしれない。独立前に比べると、断然積極的に挨拶するようになった。お客様にお会いした時の、最初の一言が挨拶。初対面でも第一印象が重要。明るい挨拶は、仕事を円滑にする。体験的にそう感じる。
相手を褒めることは難しい。私は未だに苦手だが、褒められると私も嬉しくなる。モチベーションが上がる。それが分かっているのならそのようにすれば良いのに、なかなかできない。私自身、人前ではあがってしまって、きちんとしゃべれなかった。YCSのカリキュラムにプレゼンテーションをして、お互いに評価しあう講座があった。その際、自分自身では「しどろもどろでうまくできなかった」と感じていたのに、異口同音に、「堂々としていて説得力がある」と褒められた。どうやら「いくら自分がドキドキして話していても、見ている方からはそのように感じられていないようだ」と気付き、以来人前で話すことが苦痛ではなくなった。褒めることの効用を実体験したということである。
約束を守ること。子供の頃からそう教えられている。100%完璧にできてはいない。不可抗力でできないこともあるかもしれないが、生きていく上で、信用を構築しようとした時に、重要なことだ。仕事の納期を守ることは、関係者にストレスを与えないことに直結する。最近私は、いろいろな専門家の方々と仕事をすることが多い。一つの会社の支援を複数の専門家でしていると、納期厳守がどれだけ大切かを思い知らされる。自分が遅れれば、成果物の納期はそれ以上に遅れてしまう。それを挽回しようとすると、関わっている人の多くに、余分な負荷がかかってしまう。納期を守っていればかからなかったであろう負荷がである。そうなると「あなたとは一緒に仕事をしたくない」と言われてしまうのだ。仕事を増やしたい人はこんなことしたら命とりである。恐ろしいことだ・・・。
「YCSの掟」の意味を一つ一つ考えてみる良い機会になった。皆さんも掟に照らして自分の行動を振り返ってみませんか?
現場重視の研修・セミナーについてのこだわり 【岩本 亨】
岩本 亨
昨日(平成26年8月8日)、米子商工会議所で「担当者の仕事の仕方を変える!リーダーのための日常業務改善研修」の講師を務めた。昨年2月には同会議所で主に経営者を対象にした「事例に学ぶ!!失敗企業と成功企業の分岐点」セミナーの講師を務めている。前者は弊社(合同会社産業経営研究所)として、後者は、私自身が組合員でもあるCRC(企業再建・承継コンサルタント協同組合)山陰推進局として受託したものである。
一見、関連性の薄いテーマと思われるかもしれないが、実は共通点がある。それは、現場の活動をベースに内容を構成していること。現場を理解せずに、理論のみを講義することもできる。しかし、それだと知的好奇心を満たすことはできても、具体的にどのように仕事に活かせば良いのかが分かりにくい。
昨日のようなノウハウ習得を目的とする研修では、ツールの活用を体験することにこだわっている。改善のためのツールを、理論的に説明してもほとんど仕事で使えないのではないだろうか。明日の仕事からすぐに活用するためには、中途半端な状態でも使ってみることが大事だと信じている。それを職場で試してみて、何度も使っていくうちに、活用スキルも上がり、身に付いていくものだと思う。
取り上げる事例は、日常に現場で良く起こること。または身近でイメージしやすいこと。短時間に体験しようとするので、消化不良になってしまう場合もあるかもしれないが、それでも使ってみることが、明日からの活用につながると考えている。
日本経済のために! 【岩本 亨】
岩本 亨
私は中小企業診断士という国家資格を持って、中小企業支援を主要テーマの一つとして日々活動している。
企業再建・承継コンサルタント協同組合(CRC)にも所属し、一週間のうち5日ほど中小企業の経営再建支援で、1都9県、東海4県、中国5県の合計19都県を飛び回っている。
先日、会食の際にたまたま隣に座った中小企業の社長と、「何を目的に仕事をするのか?」という話になった。私は大真面目に「日本経済の持続・発展のため」と自分の考えを素直に発した。するとその社長は「大ぼらを吹くのもいい加減にした方が良い」と反論した。
私自身、微力ながら中小企業の経営改善・再建に寄与することを通して、地域経済の持続・発展に貢献していると確信している。その積み重ねは間違いなく日本経済の為になっていると思っている。
一方で社長は、自分の会社の事業に命がけで取り組んでいる。それは従業員の為であり、取引先の為であり、自分の為でもある。視点を代えればそれが地域経済の持続・発展に貢献し、日本経済を支えているとも言える。
日々の仕事に集中すればそんなこと考える余裕はないのかもしれない。しかし、結果的には行きつく先は同じである。意識せずともそのような仕事をたゆまず続けていけば、いつかは同じところに向かっていたことが認識できると思う。いずれにしても大事なことは一所懸命ということになるのかもしれない。
忘れ物預かり所で感謝! 【岩本 亨】
岩本 亨
このコラムにも鉄道関連でずいぶん苦情めいたことを記述してきた。今回は感謝の意を込めて。
生来、そそっかしい性格である。それを自覚して、普段は気を付けている。しかし、仕事が立て込んで来たりして余裕がなくなってくると注意散漫になってしまう。先日も名古屋から新幹線で帰京する1時間40分の間、ずっと仕事をしていた。仕事用携帯電話でメールを何件か送った。東京に着いて、時間が押していたので、きちんと確認せずに席を立った。神田の事務所に向かう途中、山手線内でその携帯電話が無いことに気付いた。事務所に着き、担当窓口に電話し、教えてもらった東京駅の忘れ物預かり所に向かった。忘れ物は電車の清掃係の方々が見つけ、登録したりして預かり所に届くまでに2時間くらいかかるとのことだった。17:53東京駅着の電車に忘れて、取りに行ったのが19:30。案の定、まだ届いてなかった。「ホームの事務室で一時保管されている携帯電話があるのでそれかもしれない」とのこと。場所を教えてもらい、ホームの事務室に向かおうとした。その時、預かり所の方が、「あなたの携帯だと良いですね」と声を掛けてくれた。困っている状況で、優しい言葉。嬉しかった。毎日毎日何件もの忘れ物の対応をして、もういい加減にしてくれ!と思うのが普通だと感じる。忘れ物をしてしまって反省しつつ困っている人に対して「忘れたあなたが悪いんでしょ」と言わんばかりの対応をされても仕方ないのだが、そうではなかった。
「お・も・て・な・し」という言葉が流行語となり、その背後にある思いやる気持ちそっちのけで言葉だけが発信されているように思うが、心ある対応は感動を呼ぶ。本当にありがとうございました。
恩は後輩に返しましょう 【岩本 亨】
岩本 亨
中小企業診断士として独立したばかりの頃なので、10年くらい前(2004)の話。私は中小企業診断士の勉強会である「YCS(安田コンサルティングセミナー)」に参加していた。主宰者の安田平八先生(故人)は、中小企業診断士の大先輩で、当時75歳ながら精力的に後進育成に尽力されていた。YCSの定例勉強会でご自分の体験としてお話しになった内容を紹介したい。
大学時代にお世話になった先輩に「御恩は必ずお返しします」と言ったところ、「私に返さなくても良いから、その分、後輩に返しなさい。先輩に返したところで繋がってはいかない。私もずいぶん先輩にお世話になった。それを今、あなたたちに返しているだけだ」と返事されたとのこと。
「恩は受けた方にお返しするのが当たり前」と思っていた私は、その考え方に感動した。それ以来、恩を受けた先輩諸氏へは感謝をしつつも、「後輩に返す」ことを心掛けている。
先日、YCSの後輩が出産を目前にして、勤務していた税理士事務所を退職した。私もお世話になった事務所で、しかも私が紹介したて就職してもらったこと。彼女のご主人が中小企業診断士受験の際に、私とご縁があったこと。等々で以前より親しくお付き合いさせていただいている。そこで、私の妻とともにお疲れさま&出産頑張っての意味を込めて招待し、4人でささやかな会食をした。
非常に楽しいひと時を、幸せいっぱいの夫妻と過ごし、4人とも終始笑顔だった。会食が終わって「安田先生の教えの通り、後輩に返してね」と言って解散した。
ところが、しばらくして、「お教えは重々承知ながら、ほんの御礼の気持ちです」とのメッセージとともにお礼の品が送られてきた。「あの夫婦らしいね」と妻と苦笑しながらも、出産祝いに我が家でホームパーティーでも開こうかと思案中である。